休みを頂いた昨日は、気分転換ランチのために鈍行列車に乗り込み思い切って有名な宇都宮餃子みんみんへ足を伸ばし、初めて本場の宇都宮餃子を頂きました。そのあと、上野に戻り、芸大図書館で開催中の信時潔展へ。展示されている信時さんの自筆譜面の筆致に心が震えました。『海道東征』の実際の演奏をいつかじっくり聴いてみたいものです。夕飯は、谷中のひみつ堂にて。煮りんごミルクのかき氷と、絶品なグラタン。まことに美味しかったです。
帰宅してから、ちょこっとメモ。
◆東京藝術大学附属図書館貴重資料展
東京音楽学校初演から75年:《海道東征》展
信時潔《海道東征》自筆楽譜などの展示
会 期:2015年11月17日(火)~12月14日(月)
開館時間:9:00~20:00(土曜は17:00まで)
会 場: 東京藝術大学附属図書館2階目録室
入場料:無料
※日曜祝日休館
※《海道東征》自筆楽譜は、演奏会当日のみ上記の場所ではなく、
奏楽堂ホワイエにて展示予定(ご観覧にはチケットが必要です)
問い合わせ TEL:050-5525-2420(附属図書館)
昔、FM東京の番組『若き音楽家たちの世界』で偶々聴いて、心をつかまれました。いまだにそのおおらかで美しい素晴らしい音楽を忘れることができません。淀みない音の流れから精神の高みを感じさせられて、本当に心が洗われました。当時、長崎の中学二年生の小松真理さん作曲の『ピアノ三重奏曲』。画像は、その耳コピーのメロディー譜です。なお、申し訳ありませんが、9小節目が間違っています。いまでも、時折その素晴らしい美しい音楽を思い出します。
ところで、毎年末恒例の澤和樹先生門下生フレッシュコンサートの日程が決まったようです。
日時・2015年12月24日(木)19時開演
会場・東京藝術大学音楽学部構内第6ホール
だそうです。たのしみです。
今宵のラジオから作曲家ロベルト・シューマンの晩年の作品のひとつ『ヴァイオリン協奏曲』が流れています。それを聞きながら、入野義朗氏がインタビュアの秋山邦晴氏に語ったという「高校生の頃に書いた『ヴァイオリン協奏曲』があるんですが、後年に初めてシューマンのヴァイオリン協奏曲を聴いたとき、その音楽が高校のときのヴァイオリン協奏曲とそっくりでびっくりしたことがあります。」の話を思い出しました。
雨はどうしても好きになれない。とくに、しごとのあとの雨は最悪である。こちらの気持ちはどよんと暗み翳りどこまでも際限なく深みへ転がり落ちていってしまう。まったく拾いようがない。
しごとのあと。雨降る夜道を愛車ペダル漕いで、池袋ジュンク堂へ。歌誌塔の納品で手違いあった由しごと中に電話が入ったためその対応。ご担当の方に会って対応を済ませ、帰宅。最近、困ったことに帰宅してから五線紙や原稿用紙を開く気力がなかなか湧いて来ない。漠然と此方の残り時間のことを考えると絶望的になってしまう。そのイライラを何かにぶつけるわけにも行かず、結局、ラジオ聴きながらふて寝するわけで、ちっとも生産的でないなあと反省頻り。
話を変える。そういえば、毎年末恒例の澤門下生フレッシュコンサートについて、先般ご担当の方に伺ってみた。開演時間もプログラムも未定ながら、12月24日、学内の第6ホールにて、は決定とのこと。楽しみです。
今朝の夢は、どこかの教室の隅で青ペンを使ってピアノのための譜面をサラサラと書いているところから始まりました。譜面を書き上げると教室を出、廊下の先の〈講師控え室〉で待機されているたくさんのピアノの先生のおひとりに〈よろしかったら演奏をお願いいたします〉と譜面をお渡しし、自分は演奏会場である小さなホールに行って客席に座っていました。客席は聴衆で結構埋まっていました。恐らく、どの人も皆、私と同じように自作品の演奏を待っている人たちだったのだと思います。暫くすると、件の先生が譜面を右手に掴んでホール後方のドアから入って来られました。先生は客席を抜けてステージに上がると、グランドピアノの前に座って私の曲を弾き始めました。テンポのゆったりした3拍子ワルツから始まり、徐々にテンポを速め音量を大きくしながら4拍子5拍子6拍子7拍子の連続する部分を抜けて、強音の激しい5拍子ワルツになりました。そのとき、鍵盤の上の先生の掌がステージ後方のスクリーンに大きく映し出されました。先生の掌はこれ以上ないほどに青褪めていました。。
昨日は、ジブリの無料配布冊子『熱風』2015年11月号が書店に並ぶ日だったので、しごとのあと、雨に降られながら神保町の三省堂書店へ。11月号の特集は〈オリジナルって何?〉。目次にはなかなか興味深いラインナップが並んでいます。そのあと、池袋のジュンク堂書店へも足を伸ばし、『永井陽子全歌集』(青幻舎)など。全歌集の最初には、永井さんの若き日の句歌集『葦牙(あしかび)』が収められています。永井さんの俳句作品から。
果樹におう太古の朝に濡れて立つ 永井陽子
死ぬかもしれず覗く鏡の底に野火 永井陽子
塔は祈りのように飛鳥に灯がともる 永井陽子
そして、永井さんの短歌作品。歌集『なよたけ拾遺』より。
時守りの氷の杖が地を突けばあまたの弔旗天に流るる 永井陽子
永井さんの言葉選び、抜群に上手いです。どの作品にも惹かれます。
ところで、永井さんの〈時守り(ときもり)〉という一語から、作曲家武満徹氏が好んでいたという〈時間(とき)の園丁〉の詩のことが思い出されます。
『時間(とき)の園丁』は、武満氏の没後に刊行された第六エッセイ集のタイトル。
以下は船山隆氏の『武満徹 響きの海へ』より:
「時間(とき)は生命(いのち)の木の葉/そして、私はその園丁だ。/時間は、緩(ゆ)っくりと、落ちてゆく。(Hours are leaves of life/and I am their gardener.../Each hour falls down slow)」
「武満はこの十一歳の少女の詩を特に好んでいたようで、『時間の園丁』というタイトルを、最晩年の『毎日新聞』の音楽時評のタイトル、そして病床で校正刷に目を通した最後の著書のタイトルとしても用いたのである。」