カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

Obama delivers acceptance speech

2008-08-29 15:27:17 | Weblog
reutersHPより
http://jp.reuters.com/news/video

 ***

Obama delivers acceptance speech
(02:26) Rough Cut
Aug. 28 - Declaring "we are a better country than this," Barack Obama launched a sharp assault on Republican presidential rival John McCain, promising to reverse economic failures of the past eight years and restore America's reputation in the world.
The Democratic presidential nominee delivered his acceptance speech before a packed stadium in Denver, Colorado.

 ***

 アメリカの政権が共和党から民主党にかわった場合、対日政策は日本にとって厳しいものになるだろうと言われていますが、民主党の大統領候補のオバマさんの演説を聴いていると感動で心が揺さぶられる感じがしてきます。オバマさんのことばには、日本人の私の心をも感動させる何かがあります。未来への明るい希望を抱かせる何かがあります。不思議です。
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松下眞一氏とペンデレツキ

2008-08-29 14:31:42 | Weblog
 メモです。。。

ポーランドの現代音楽(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)より
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E6%A5%BD%E6%B4%BE

(前略)
クシシュトフ・ペンデレツキは、1950年代末の作曲コンクール入賞独占をきっかけに、ポーランド作曲界のスターとなる。彼はクラスター内の音運動を全廃し、黒色の長方形で描かれる独特の記譜法が有名である。「広島の犠牲者に捧げる哀歌」は松下眞一の助言でこの題名を付け、ペンデレツキの代表作として再演が重ねられた。その後彼の作品は宗教的な色合いを強めてゆき、前衛の時代には避けられた三和音やオクターブを積極的に取り入れ、「ルカ受難曲」で頂点を迎えた後は次第に典型化してゆく。
(後略)

 *****

神戸阪神地域芸術文化情報ブログより
http://tetsuwanco.exblog.jp/

「戦争とクラシック(1)ペンデレツキ:「広島の犠牲者に捧げるための哀歌」」
http://tetsuwanco.exblog.jp/3249061

(以下、引用させて頂きます)
 8月6日の原爆記念日に因んだクラシック音楽といえば、なにはともわれ、ペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げるための哀歌」でありましょう。 ペンデレツキの出世作のひとつであります「広島の犠牲者に捧げる哀歌」は、ナチのポーランド侵攻を知るペンデレツキが広島の被爆の惨状に思いをはせて書いたもの。52本の弦楽器が特殊な奏法により打楽器のような音色を奏でるもので、当時のものとしては、きわめて前衛的な作品であったのでありましょう。
 ところで、私がこの曲を最初に聴きましたのは、映画「エクソシスト」でして、おそらく不安や緊張をあおるような効果を彼自身の音楽が有しているからだと思うのですが、当時は、その曲が、「広島の犠牲者に捧げる哀歌」であったことは知る由もなく、それが、ホラー映画の効果音ぽく使用されていることに、何かしら複雑な心境になったものであります。
 なお、また最近になって、この曲がもともと「広島の犠牲者に捧げる哀歌」として作曲したものではないことを知り、さらに複雑な心境となってしまいました。原題は、「8分37秒」という非表題的な、広島の原爆とは何の縁もない作品なのであります。ペンデレツキはこの曲こそ、広島の惨状を知った後、犠牲となった人々に捧げるに相応しいと思い至り、「広島の犠牲者に捧げる哀歌」と名づけたそうであります。
 確かに、この曲に耳を傾けてみても、良くわからないのであります。被爆の惨状を描写するようなところは見当たり(聴き当たり)ませんし、特段、被爆者に哀悼を示すようなところもないように思われます。意地悪な言い方をすれば、広島でなくても「長崎」や「アウシュビッツ」と書き換えても、かまわないのではないかと・・・。
 ところで、この「犠牲者に捧げる哀歌」、通常の祈りやレクイエムといった宗教曲と同一視するとこの曲を見誤ってしまうような気がいたします。ペンデレツキ自身の言葉を使うと「破壊と死滅の荒廃を直視し、そのなかから人間をとりもどす営みにこそ、犠牲の真意がある」とのことであります。
 確かに、わかるような、わからないような。(了)
(以上で引用終わります)

 *****

 『ウィキペディア(Wikipedia)』などを見ると、ペンデレツキが(「8分37秒」という[ジョン・ケージの有名な作品を連想させるような]非表題的な、広島の原爆とは何の縁もない作品のタイトルを)「広島の犠牲者に捧げるための哀歌」に変更したのは、松下眞一氏からの助言があったからだった、と読めます。

 はたして真実は如何だったのか、気になります。
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ドでなくミで終わる歌

2008-08-28 23:15:51 | Weblog
 最近つよく興味を引かれていることはいろいろありますが、とくに音楽に関していえば、素晴らしい作品を残されたにもかかわらずその作品がまだ正当に評価されるところまで行っていない(まだ研究が進んでいない?忘れられている?)ように見える、菅野光亮、松下眞一というふたりの故人の作曲家のなさった仕事について深く知りたいということがあります。どなたか音楽学者の方にぜひ、きちんとおふたりの仕事を取り上げて検証した研究書を書いて頂きたいものですが、残念ながらまだそういうものはないようです。。
 そんなわけで、最近ぱらぱら読んでいる松下眞一氏の最晩年のエッセイをまとめた『天地有楽』(音楽之友社、1991年)について、少し書いてみたいと思います。

 まず、その164ページから、以下引用させて頂きます。

(前略)
 スコットランドやアイルランドは、ドイツ中部や南部と並んで世界の美しい民謡の宝庫であるが(これにイタリアを加えてもよい)、スコットランドやアイルランドの民謡はほとんどと言って好いくらい、普通の歌の終りと同様に「ド」で終わる。イタリア民謡もそうである。もっともドイツ民謡だからといって、すべてが「ミ」で終わるのではなくむしろ数から言えば「ド」で終わる歌の方が多いであろう。でもすぐれたドイツ民謡、特にシュヴァーベン地方の民謡は不思議と「ミ」で終わるのが多いのである。
(後略)

 一読、「ミ」で終わる歌はドイツ民謡であると思ってほぼ間違いない、という松下眞一氏の指摘が、すごく面白いと思いました。松下氏の挙げられているのは、例えば、童謡「蝶々」、「つぐみの歌う緑の森の中で」、「別れの歌」、「五月はやって来た」などなど。そういえば私事になりますが、昔昔、私が初めて作曲した「クリスマスイブ」という歌も、「ミレミ」で始まって「ファミレドファミレド…」とつづき、さいご「ミミミミ」で終わる曲でした。別にこれは「ミ」で終わるドイツ民謡を意識したわけではなくて、大好きなテレビ番組「ママと遊ぼう!ピンポンパン」の酒井ゆきえお姉さん(当時)がしばしば歌っていた、バーリンの「ホワイトクリスマス」の最初の4小節の中の半音進行に憧れて、頭の中で鳴らしつつピアノでいうところの黒鍵のない小さな木琴を叩いて音を確認してメロディを作っているうちにそこに落ち着いただけのことでした。だから、私の(恥ずかしながらの)作品1の場合は、偶然そこに着地しました…、というのが正しいかもしれません。

 それはそうとしまして、繰り返しになりますが、

「ミ」で終わる歌はドイツ民謡であると思ってほぼ間違いない。

というのは面白い指摘だと思います。民謡のなかでほかにどういう曲があてはまるのか、はなはだ興味深いです。時間のあるときに調べてみたいです。
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広瀬美紀子さんのCD「砂の器~おぼろ月夜~」「砂の器II」

2008-08-28 11:17:21 | Weblog
 メモです。。。

八王子音楽院のHPより
http://www.hachioji-music.com/info/info.html

(以下、引用させて頂きます)

広瀬院長のCD「砂の器~おぼろ月夜~」「砂の器II」発売中!!

当音楽院院長広瀬美紀子が、ご好評いただいた「砂の器」の第2弾CDをリリースしました。
前作「砂の器」は着メロ売り上げベスト10に入る程、多くの方に御愛聴いただきました。今作もきっとあなたの心のやすらぎに一役になりえると思います。
ご購入希望の方は下記URLをクリック!
http://www.hachioji-music.com/reference.html

お問い合わせ・・・TEL&FAX 042-656-0312 八王子音楽院

3rdアルバム
「砂の器II~星に願いを~」

1.アウ゛ェ・マリア(カッチー二)
2.ノクターンOP15-2(ショパン)
3.ノクターン嬰ハ短調遺作(ショパン)
4.ウ゛オカリーズOP34-14(ラフマニノフ)
5.トロイメライOP15-7(シューマン)
6.月の光(ドビュッシー)
7.即興曲第13番(プーランク)
8.即興曲第15番ーエディット・ピアフに捧ぐー(プーランク)
9.さらばリラ(ピアソラ)
10.粋な娘の踊り(ヒナステラ)
11.ワルツ「しのびやかな愛」(ナザレー)
12.星に願いを(ハーレイン)
13.「砂の器」より「宿命」(TBSテレビ 千住明)
14.「砂の器」より「宿命」(松竹映画 菅野光亮 )

純クラシックからヒーリング、ジャズ風・・・とジャンル、古今東西を問わない本当の癒しのメロディーを奏でる広瀬美紀子の世界!!広瀬さんの「砂の器」は、かつての作曲家菅野さんの演奏を彷彿とさせるだけでなく、彼女の明るく透明感のあるピアノの音色はむしろ、悲しい中に仄かな光から未来への希望を見いだす力を我々に与えてくれるのだ。
ー北條直彦(CDライナーノーツより抜粋)ー

 *****

2ndアルバム
「砂の器~おぼろ月夜~」

1.幻想曲「さくら さくら」 平井康三郎
2.「赤とんぼ」変奏曲 三宅榛名
3.からたちの花 山田耕筰
4.コキリコの歌 三枝成彰
5.木曽節 三枝成彰
6.こもりうた 助川敏弥
7.城が島の雨 梁田貞
8.間奏曲 菅野真衣
9.鎌倉 文部省唱歌
10.おぼろ月夜 岡野貞一
11.宵待草 多忠亮
12.お正月 滝廉太郎
13.海~我は海の子 井上武士~文部省唱歌
14.砂の器「宿命」 菅野光亮
15.砂の器「翳(かげ)」 菅野光亮

日本人の心の底には共通の歌がある。このCDにはそうした日本人の心の歌が収められている。「さくらさくら」「赤とんぼ」「からたちの花」をはじめ、この中にある歌は、忘れかけていた何かを呼び戻し、自分の中で何かがよみがえる。ここにあるのはそんな歌である。広瀬美紀子は、ピアノの音でそれらを歌う。時には声よりもひそやかに、時には華やかで優美な日本舞踊の展開のように。
ー助川敏弥(CDライナーノーツより抜粋)ー
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築地とときち新宿三丁目店

2008-08-27 12:17:39 | Weblog
 新聞記事からメモ。。。

 すごく美味しそうです。

 *****

朝日新聞〈教えてランチ〉
http://www.asahi.com/komimi/TKY200805220311.html

(以下、引用させて頂きます)

魚、魚、魚・・・魚づくしの定食をほおばる~東京都新宿区新宿 築地とときち新宿三丁目店
(2008年06月05日・朝日新聞記事)

 読者からの情報をもとに取材、紹介する「教えてランチ」です。(アサヒ・コム編集部 藤田剛記者)

 魚が無性に食べたくなったらこのお店にきます。定食は魚だけで、種類が多く安いのでおすすめです。(東京都・まこさん)

 デパートなどの買い物客でにぎわう新宿。店は、東京メトロ丸ノ内線の新宿三丁目駅C3出口から歩いてすぐ、寄席で有名な末広亭の並びにある。
 ランチの営業時間がまもなく終わろうとする15時、魚定食をほおばる客が、店内の半分を埋めるにぎわいだ。
 ランチメニューはすべて魚料理で、焼き物、煮物、刺し身、丼物といった定食が17種類も並ぶ。納豆、生卵、明太子のサイドメニューもあり、店長の浅岡明さんは「トッピングみたいで好評なんですよ」
 開店して間もない頃からある「まぐろねぎま焼」と店頭のサンプルで存在感をアピールしていた「づけまぐろウニ丼」を同僚と2人でさっそく注文した。
 「まぐろねぎま焼」は、焼いたまぐろの赤身とネギがごま油、醤油などで和風に味つけられている。大きくて肉厚なまぐろは、表面は柔らかく、食べ応え十分。タレはあっさりとしていて、まぐろのうまさを素直に味わえる。なるほど、定番メニューの通り、何度でも食べたくなる味だ。
 「づけまぐろウニ丼」は、醤油ダレにつけられたマグロが丼いっぱいに盛りつけられている。さらに、その上にはウニがたっぷり。あっさりとしたづけまぐろと濃厚なウニを一緒に味わえる。ぜいたくで満足のいくどんぶりだ。
 すでにお腹はいっぱいだが、店頭に置かれていた「はらす焼」が気になっていた。メニューには、「はらす焼き定食」と「はらす焼特盛定食」とある。特盛りは普通の2倍、320グラムもの鮭のはらすが盛られているという。店長の浅岡さんは「世の中の特盛りブームが始まる前からやっている」という。たまらず、特盛を注文。大きなはらすが6本、山になって盛られてきた。2人でわけて食べたが、3本でお腹がいっぱい。「女性には普通盛りをおすすめしています」というほど量は多い。はらすは、かむと身がすんなりとはがれ、鮭の脂がじゅわーっとあふれ出てくる。「鮮度がよくないと皮からきれいにはがれない」というはらすは、塩だけのシンプルな味付けだが、とにかくおいしい。
 店長の浅岡さんは、オーナーが築地にルートを持っているため、安くておいしい魚を仕入れられるという。昼の定食は当初、それほど種類はなかったが、お客さんの要望に応えているうちに今のメニューになった。メニューにないのはフライくらいで、「手が回らないので今はやめている」という。定食は600円から、高い定食でも900円と千円でおつりが来る。新宿に開店したのは5年前、今では口コミでお客さんはかなり増えたという。
 とことん魚にこだわっている。当然のことながら、肉はいっさいおいていない。

【メニュー】まぐろねぎま焼定食(800円)、づけまぐろウニ丼定食(900円)、はらす焼特盛定食(850円)、ほっけ焼定食(600円)、刺身定食(800円)、あぶりとろ丼定食(650円)、納豆、生卵(各100円)、明太子(200円)など。すべての定食にみそ汁、小鉢、漬物が付く。ごはんの大盛りは無料サービス
【お店情報】住所=東京都新宿区新宿3―6―1石井ビル1階、電話=03―3341―7666。営業時間=ランチ11時半~15時(日曜のみ休)。夜(月曜~土曜)17時30分~23時(LO22:00)、(日曜・祝日)17時30分~22時(LO21:00)、年末年始以外は無休。喫煙=可(分煙なし)、ランチタイムの11時30分~13時30分は禁煙、席数=30席(テーブル15席)
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菅野光亮作品集「愛のバラ」

2008-08-26 16:48:04 | Weblog
菅野光亮氏に11年間師事されたジャズピアニスト竹内晴美さんのHPより
http://homepage2.nifty.com/cwo/index.html

竹内さんのご主人が綴られる「つぶやき」コーナーから引用させて頂きます。

***以下、引用部分です***

●菅野先生の国分寺にあるお宅に私たち二人で遊びに行ったら「今日は銀座で仕事だ」という訳で、銀座にあるライブハウス「サイセリア」まで連れていかれた。トリオだったがベースは青島信幸さんで晴美は数曲弾かされた。松竹と東映の人が来ていて「菅野さんは裏番組でもやってるんだからヒドイよ」「俺の所為じゃないよ」なんて言っている。当時火曜サスペンス、木曜サスペンスとか土曜ワイド劇場なんかで必ず菅野さんの名前がクレジットされていた、超売れていた頃である。前にも書いたが作曲することはストレスの溜まる作業なのである、美しい作品を残してくれたが命を縮めたのは確かなのである。そうまでして書いた曲だ、菅野節を聞くと泣けてきて当たり前なのかも知れない。
up date 2000.8.26

●菅野さんのお嬢さんの香里ちゃんが5年振りにフランスから帰国し電話で話した。「フランスはロックに毒されもうだめだ」と言っていた。あとはベルリンかニューヨークしか無いといっている。絵の世界でも駄目になって来ているそうだ。東京のほうがまだましだとも言っていた。彼女はロックの世代である、その彼女がそう思うのだ。世界中病んでいるのかも知れない、我々がシャンソンだタンゴだジャズだと言ってもラジオをつければロックしか流れてこない。30年前は考えられなかった、当時は色々のジャンルの音楽がそこそこで聞けた、だからリスナーは選択することが出来た。現代この状況でジャズの隆盛を叫んでみたところで焼け石に水だろう。此の世にはもっと素晴らしい音楽はいっぱい有るのに今の若者は可哀想だと思う。発信する人、それに携わっている側の責任かも知れない。昔の音楽ディレクターは良く知っていてポリシーを持っていた。この現状を悲しいと思うのはオジンの証拠だと言われるだろうが「何とでも言ってくれ」と開き直っているのである。
up date 2000.8.25

●私たちが菅野先生のレッスンを受けている時、「砂の器」を晴美がコピーしてきた。何とB♭マイナーと転調したところがC♯マイナーだった。菅野さんが譜面を見て「俺がこんな難しい曲書く訳ないだろう馬鹿」と言った。(オリジナルキーはAmとCmである)レコードプレーヤーの回転が早くて半音上で採ってしまったのだ。今はCDの時代だからそんな事はないだろうがあれにゃ参ったよ。カセットはいいかげんだからピッチが合わないことがある。機械を信用しちゃだめだよ。
up date 2000.8.16

●毎年8月15日が来ると悲しい思いがします。1983年8月15日、それは菅野光亮先生の命日だからです。私たちは11年の長きに渡って先生の指導を受けていました。というより仲の良い兄弟という間柄だった。彼の音楽を素晴らしいと思うのは勿論ですが人柄がとても好きでした。夜中によく電話が掛かってきました、八丈島からも掛かってきました。亡くなる数日前「今やってる仕事を片ずけたら、浜松へ行くからな」それが最後の会話でした。浦川へ虹鱒を釣りに行く約束をしてたのです、楽しい期待は早朝の電話連絡で暗転しました。折りしも台風が来ていてホームでしばらく待たされ新幹線に飛び乗ったのです。忘れたくても忘れられない思い出です。今年は7月の義兄の死に続き宮沢さんが亡くなりました、夏はあまり好きな季節に感じられなくなりました。「翳」という菅野先生のオリジナルを聞いて彼を偲びます。
up date 2000.8.15

●菅野さんの音楽は多彩で「シャガールの絵のようだ」と称した頃があった。こんな言い方では解らないかも知れないが、解る人には解る。他の言い方より的確に言い得ていると思う。僕は絵が好きで高校生まで描いていたから少しは解る。菅野先生の母親は画家だった、お宅にお邪魔するとお母さんの何10号かの作品が壁に架けてあった。先生と話す時はレンブラント風とか印象派の誰それ風とかいう表現を使った。お嬢さんはフランスに渡ってもう長い、絵の勉強をしている。未亡人はもともとバイオリニストである、菅野先生の作品はバイオリンの使い方がすごくいい、「泣きのバイオリン」と我々は言っていた。ピアノは勿論本人が弾いていたが泣かせていたもんなあ。あれだけピアノを鳴らせる人はいなかった。スコアと劇伴のオープンテープはほとんど私たちの手許にある。
up date 2000.8.10

●メールで菅野光亮作品集「愛のバラ」の問い合わせがあった。その方は何年も前から「砂の器」の楽譜を探していたそうで、その曲集に載っているかとの問い合わせであった。菅野先生が亡くなって程なく未亡人の紀代さんがピアノ曲集を出版することを計画した。我々弟子たちはすでにアレンジャーとか演奏家になっていたが出版にあたってその編曲を担当することになった。「砂の器」を始め劇伴やLPで発表した曲から12曲を選び、それぞれがアレンジして一冊の曲集が出来上がった。表紙はお嬢さんの香里さんがデザインした。晴美が担当した5曲のうち「砂の器」は難しく書き過ぎて本人も上手く弾けないという難曲に仕上がり「翳」は校正ミスで嘘が書いてある。でも菅野節が感じられるとても良い曲集だと思う。ホームページに載せておいて良かった、こうして問い合わせがあるということは菅野光亮がみんなの心の中に生きているということだ。私たちは菅野さんの曲を演奏している、本当にロマンチックな曲で涙が出てくることがある、美しい曲を残してくれて感謝している。8月15日は菅野先生の命日である。
up date 2000.8.8

***以上で引用終わります***
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菅野光亮氏に関するデータのメモ

2008-08-25 10:27:04 | Weblog
菅野光亮氏に関するデータのメモです。。。

 ***

TSUTAYA online
http://www.tsutaya.co.jp/item/artist/view_a.zhtml?artid=A035695

菅野光亮(かんのみつあき)
1939年7月10日生~1983年8月15日没(享年44歳)
1939年宮城県生まれ。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。大学在学中の1966年、第35回毎日コンクール(1982年以降、日本音楽コンクールに改称)作曲部門室内楽入賞(第3位)。映画やTVドラマ音楽を多数手がけるが、特に映画「砂の器」(1974年)のテーマ「ピアノと管弦楽のための組曲・宿命」では毎日映画音楽作曲賞、モスクワ映画祭ソビエト作曲家同盟賞を受賞。

第35回毎日コンクール作曲部門入賞者一覧
http://oncon.mainichi-classic.jp/prize4.shtml

第1部(管弦楽曲)
1位 池辺 晋一郎
2位 中島 洋一
3位 金田 成就
入選 福井 崇乃

第2部(室内楽曲)
1位 七ツ矢 博資
2位 朴 賢二
3位 菅野 光亮
入選 村瀬 健太郎

 ***

海との約束 : 菅野光亮現代音楽作品集
http://opac.tohomusic.ac.jp/cgi-bin/exec_cgi/ibibdet.cgi?CGILANG=japanese&U_CHARSET=euc-jp&ID=BB00442233
(収録曲)
弦楽四重奏曲第6番 : 1978 / 山口裕之, 永峰高志 (ヴァイオリン) ; 菅沼準二 (ヴィオラ) ; 木越洋 (チェロ)
セロとピアノの為の三章 : 1979 / 木越洋 (チェロ) ; 菊池百合子 (ピアノ)
ヴィオラとセロの為の四章「海との約束」: 1980 / 菅沼準二 (ヴィオラ) ; 木越洋 (チェロ)
ヴァイオリンとピアノの為のソナタ : 1982 / 山口裕之 (ヴァイオリン) ; 菊池百合子 (ピアノ)

 ***

ヴィオラとピアノのためのソナタ / 菅野光亮 = Sonata for viola and piano / Mitsuaki Kanno
http://opac.tohomusic.ac.jp/cgi-bin/exec_cgi/ibibdet.cgi?CGILANG=japanese&U_CHARSET=euc-jp&ID=BB00420615
(自筆譜の複製、音楽之友社発行雑誌「音楽芸術」第35巻第12号付録・1977年)

 ***

SOSEGON魂のブログ記事より
http://blog.livedoor.jp/sosegon226/archives/50690525.html

(以下、引用させて頂きます)

「寂光 / 菅野光亮」(2008年08月06日19:54投稿)
アルバム『詩仙堂の秋』
Solid CDSOL-1106 国内盤 
2005年(オリジナル1973年)
参考価格2,625円(税込)

録音に先駆けて公開された1972年のリサイタルでは、山本邦山の尺八で演奏された楽曲。CDでは稲森康利のフルートがリードをとります。
「寂光」とは、仏教用語で“安らかで静かな光”とか“理・智の二徳”といった意味があります。曲調は、タイトル通り《和》を表現したものになっていますが、ピアノもフルートもことさら和音階を使っているわけじゃありません。(ギターだけは明らかに、琴や三味線を意識していますが・・・。まぁそれで、全体のバランスを取っているのかもしれません。)
特に菅野光亮のピアノは、日本的であり、西洋的でもあり、懐古的であり、現代的でもあるといった風に、ひとつひとつの音の中に広い意味での《宇宙》を感じさせます。簡単にビル・エヴァンス風と言えない、深いニュアンスがあるんですよね。それは、意識して身に付けたものではなく、彼が生きてきた“日本”という風土の中で自然にはぐくまれたものでしょう。録音当時(1973年)の日本の音であり、もっと昔の音魂かもしれません。
ここで、菅野光亮のプロフィールを少しばかり。
最初に言いますが、彼は1983年8月15日に44歳という若さで亡くなっています。これだけの才能があったので、その後の活躍を見られなかったのは本当に残念です。このアルバム発表後は、『砂の器』(1974年)や『魔界転生』(1981年)などの映画音楽を多く手掛けたり、ブタペストの国際ジャズ・フェティバルで受賞歴があったりと様々な分野で活躍していたようです。
さて、「寂光」です。
何回も言いますが、よく外国人が演奏する表面的な《和》の曲ではありません。日本人でしか表現できない真の意味での“日本のジャズ”と言っていいでしょう。しかし、西洋を受け付けないというスタンスでないのは明らかです。楽器やその奏法は西洋そのものなんですから。
この頃の日本のジャズ界は、何かこぞって “日本のジャズ”(西洋を融合した形での独自性)を探求していたようなところがあります。菅野とも交流のあった山本邦山の『銀界』もそういった傑作のひとつです。このアルバムでおもしろいのは、ベースがゲイリー・ピーコックという外国人であること。ここに彼らのひとつのポリシーが垣間見られます。先ほど書いた“西洋を融合した形での独自性“ということです。1970年代の社会自体がそうだったのかもしれませんが・・・。
最後になりましたが、菅野光亮が44歳という若さで亡くなったのが、返す返すも残念でなりません。彼が存命であったなら、その後のジャズ界、音楽界の25年間が変わっていたような気がします。
菅野光亮はそんなことを思わせる傑作を残して逝ってしまいました。(了)

(以上、引用終わります)

 ***

HMV視聴コーナー(菅野光亮氏の音楽)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1240344#

 ***

菅野光亮氏の肉声(MP3)
http://homepage3.nifty.com/cwo/mp3/kanno.mp3


ピアノソロ版「宿命」(菅野光亮作曲、林 知行編曲)譜面
http://www.at-elise.com/JP/JPDPHA00001.html
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映画「天然コケッコー」

2008-08-24 20:16:34 | Weblog
 映画「天然コケッコー」を見る。後世に残る傑作の一本だと思う。ロケーションが島根県浜田市というのにもびっくりしたけれども、ストーリーもせりふも映像も、どれにも非常に心が震えて感動した。
 私は昔から信じているのだが、映画には、観客を心の底から豊かで幸せな気持ちにしてくれる魔法映画というジャンルがあって、そういう映画は幸せな子供時代を経験した人でなければけっして撮れない。
 この映画には不思議な幸せな魔法がたくさん詰まっていた。エピソードのいくつかは、映画「スタンドバイミー」への明らかなオマージュであり、またたとえば父親の描き方などは、エリック・ロメール監督のフランス郊外の村の生活を描いた幸せな映画作品の何かを思い出させた。
 映画「天然コケッコー」の素敵な魔法に、今日、私はすっかりやられてしまった。
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菅野光亮氏のヴィオラソナタ

2008-08-22 17:39:53 | Weblog
 今日は休みの日でした。夕方開かれる本郷短歌会八月歌会までの間、役所の用事を済ませたり、上野の昇龍で餃子ライスを食べたり、神田の古本屋を覗いたりしていました。そんななか、神田の古賀書店で見つけた、菅野光亮(かんのみつあき)氏の『ヴィオラとピアノのためのソナタ』(1976年)の譜面。菅野光亮氏は、1939年7月10日に生まれ、1983年8月15日に惜しまれつつ逝去した、ジャズピアニスト、作曲家、アレンジャー。いまそのお名前は映画『砂の器』のテーマ曲「ピアノと管弦楽のための組曲・宿命」を作曲したことでつとに有名ですが、生前はジャズピアノの名手として活躍されていたそうです。その菅野氏の書かれたヴィオラソナタということで、すごく興味深いです。
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夏芙蓉

2008-08-21 10:43:01 | Weblog
 今朝、ラジオから流れてきた音楽はシューマンの交響曲第二番ハ長調でした。演奏は、ジュゼッペ・シノーポリ指揮のドレスデン国立管弦楽団。精緻で説得力に富むシノーポリのシューマン解釈もなかなか素晴らしいものだと思いますが、ただ、このシューマンの第二交響曲に限って言えば、昔テレビのバーンスタイン追悼番組で流れた、最晩年のレナード・バーンスタインが札幌のPMFのリハーサルで、オーケストラメンバーに第3楽章の愁いに満ちたメロディを、唸るように精一杯歌い聞かせながら指揮をしていた、あの光景が忘れられません。。。

 それ以来、シューマンの交響曲第二番の音楽が心のなかに深くふかく入ってくるようになりました。好きな曲のひとつです。

 *****

 日高堯子先生の第六歌集『睡蓮記』(短歌研究社、2008年)から、メモさせて頂きます。

時間ふと薄わらひすることありてわれは川底の小石をひろふ  日高堯子

夏芙蓉を吸ひゐる永し きらめける時の震へのごとき蝶の翅  日高堯子

あしうらに騒ぐ死者たち踏みしめて子規庵にくる蜻蛉みてをり  日高堯子

 ***

 夏芙蓉は、中上健次作品の中にしばしば描かれますが、架空の花だそうです――。

 中上健次『千年の愉楽』の一節より。。。

 明け方になって急に家の裏口から夏芙蓉の甘いにおいが入り込んできたので息苦しく、まるで花のにおいに息をとめられるように思ってオリュウノオバは眼をさまし、仏壇の横にしつらえた台に乗せた夫の礼如さんの額に入った写真が微かに白く闇の中に浮きあがっているのをみて、尊い仏様のような人だった礼如さんと夫婦だったことが有り得ない幻だったような気がした。体をよこたえたままその礼如さんの写真を見て手を組んでオリュウノオバは「おおきに、有難うございます」と声にならない声でつぶやき、あらためて家に入ってくる夏芙蓉のにおいをかぎ、自分にも夏芙蓉のような白粉のにおいを立てていた若い時分があったのだと思って一人微笑んだ。(後略)
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