一昨日は父方祖父の74回忌だった。遠方にある父方墓へのお参りは叶わぬので、ご先祖様たちへ手を合わせるということで青山の母方曾祖父母たちの墓に参って墓前に合掌しお経をあげた。昨日も今日も明日もしごと。今朝は、プーランクが弾いたサティの〈ジムノペディ第一番〉の演奏を聴いてから仕事場へ。
『鈴木六林男句集』を開いてぱらぱら見ていました。鈴木氏の詳しいプロフィールはわかりませんが、惹かれる作品が多いです。
西日なか百年手を挙げ銅像立つ 鈴木六林男
未黒野のイエスの裔として吃る 鈴木六林男
墓の前オートバイ立て行方知れず 鈴木六林男
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笹さんの第一歌集『念力家族』からメモです。惹かれます。初句の「あ(a)が(ga)な(na)」の-a音が一首全体に効いていると思います。
購(あがな)いし骨董品の手鏡に憂(うれ)いの姫が映る気がして 笹公人
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ケルトの詩人イェイツが自身の神秘主義思想を著した『幻想録』(ちくま学芸文庫)p39からメモです。
(前略)息子が生まれたとき薔薇の匂いが家中にたちこめ、そこに居合わせた医師も私たち夫婦もそれを感じ取ったし、尋ねてはみなかったが、看護婦や召使も嗅ぎ分けたに相違ないと思う。このような匂いが妻や私を見舞うのは、戸口を通り抜けるときとか、狭い場所に閉じこもっているときがいちばん多かったが、ときには私のポケットや掌にさえ生じることもあった。グラストンベリに向かう途中、私がポケットから手を出すと花の香りが強く匂うので、その手を差し伸べて妻に嗅いでもらうと、「五月に咲く花で、グラストンベリの野薔薇でしょう」と彼女は言った。(後略)
昨晩は、しごとのあと、愛車のペダルぎこぎこ漕いで渋谷のさくらホールへ出掛け、都立新宿高校音楽部第9回定期演奏会を聴かせて頂きました。高校時代の恩師の小峰先生が教えられている生徒さんたちです。どの演奏も、天上の歌声はかくや、と思わせるほどに、ただただ美しくて力強くて素晴らしかったです。こころが洗われました。先生、みなさま、ありがとうございました!
上の画像は、今回初めて聞いた西村朗さんの合唱曲『髪』のロマンチシズムに満ちた旋律美。ノックアウトされました。
プログラム。
父は生前、〈学生時代以来ずっと藤堂明保先生からご指導を受け大きな学恩を賜ったというのもあるけれども、白川学説vs藤堂学説の漢字起源学説論争、藤堂先生がやはり正しいと思っている。〉と語っていた。私は、個人的には〈折衷説が真実に近いのではないだろうか〉と思うけれども、父の戸籍上の誕生日である今日、しごとに出掛ける前の朝、あらためて〈白川学説vs藤堂学説〉論争のことを思い返している。
存在は最終的になくなるために束の間あるのだ、と思った。ずっと生きてきて、ほんの何秒か前には在ったことがもう失われていることの胸の痛みにはとうに馴れたはずだったが、その昼間に展覧会で心に兆したもやもやとした胸の痛みは一向に萎まなかった。本から目を上げると、さきほどまでたしかに在ったように思った春の明るい青空は消えて、急速に夕闇に包まれていく吐息のような暗さがあった。上島珈琲店の窓辺に座って通行人の顔も判別できぬほどに暗澹たる街を眺めながら、心のもやもやを祓う儀式道具と決めて頼んだジンジャーミルク紅茶の熱い一杯を啜った。近くに声高に会話を楽しんでいる初老の一団がいくつかあって、店内の低いジャズのBGMとそのひとたちの談笑が時折重なりあって聞こえた。
休日。今朝の川面など。
門前仲町の京橋千疋屋製造直売所で販売されているという格安絶品な〈ケーキ切り落とし〉を期待して店に出掛けたら、最近の切り落とし購入希望客の急増で切り落とし販売が取り止めになった由を伝える張り紙が入り口にあって少々がっかり。しかし、ショーケースの一角にはお安い〈サービス品〉もいろいろたくさんあって、なかなかお得なお店。
京橋千疋屋製造直売所。
今読み進めているこの本。さまざまなエピソードがブルネグロや王党派〈メロン〉のストーリー作りのヒントにすごく役立ちそうな予感。
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どういうわけか、今朝は、とある聴衆で満席の大ホールで行われた某作曲コンクール入賞曲発表演奏会に出掛けた夢を見た。入賞曲は、三管編成オーケストラ曲、ピアノ伴奏付き合唱組曲、ピアノ組曲、弦楽合奏曲、、と実にさまざまな8曲で、そのうちのピアノ組曲が、なんと私の作品らしい。パンフレットを開いたら、それぞれの作曲者によるプロフィール紹介ならびに作品解説、審査委員の先生方による作品講評が掲載されていた。自分の名前のところを恐る恐る見ると、プロフィール欄に初めて目にする音楽や文芸に関するいくつかの受賞歴が並んでいて、その日演奏されるピアノ組曲が譜例付きで解説されていた。演奏は、最初にオーケストラ曲、続いて合唱曲で、いよいよ自分の作品がピアニストの先生の手により演奏される番になった。客席にいる私の心臓はこれ以上にないくらいにドキドキしている。。パンフレット解説によると、ピアノ組曲は、三曲から成るらしい。一曲目が始まった。思いがけないひどい不協和音の連続に、〈あれ、こんな曲を書いたか??〉と冷や汗をたっぷりかいた。二曲目は、スクリャービン風の美しい曲だった。少しホッとして客席にいた。いよいよ三曲目。。と思ったところで、突然目が覚めた。残念ながら、はっきりしっかり覚醒。そのまま起きた。