カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

毒吐き蟲。

2017-04-30 19:53:14 | Weblog

毒吐き蟲が天に向かって毒を吐いたあと、どういうわけか数秒間天を仰いだままその場所から逃げなかったのは、じつは、天が一瞬目映く美しく光ったからだ。毒は墜ちてきて毒吐き蟲は自らその毒をざんぶり被り、いまは毒液にまみれてもがき苦しんでいる。昨晩不用意に自分の吐いた毒の言葉が、いまの私に降って来て私の心を苦しめている。つくづく毒は吐くものではないと思う。毒は誰も幸せにしない。

 

ところで。

 

 

漫画雑誌『モーニング』(講談社)連載のあらゐけいいち氏の『CITY』が頗る面白い。ああいう独特な世界観や台詞回しを短歌の作品にさりげなく巧く持ち込めたらいいなあといつも思う。

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漢辞海第四版。

2017-04-29 07:34:02 | Weblog
昨日は、東京駅前、丸ノ内側の丸善の辞書コーナーで、新潮社の『新潮国語辞典ー現代語・古語』を探すもやはりなし。内容、肌触り、引き心地の素晴らしい辞書で是非とも欲しくてあちらこちらで探しているのだが、もしかしたら残念ながらもう絶版なのかもしれない。いろいろ手にとった中で漢字説明記述の内容、文体が気に入った三省堂書店の『漢辞海第四版』を購入。
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日本橋由来記。

2017-04-28 17:24:48 | Weblog

今日は自転車で日本橋を通ったとき、橋の袂に佇む〈日本橋由来記〉碑に立ち寄りました。この碑、どこを覗いても誰がその文字を書いたか記されていない碑なのですけれども。。

亡父は学生の頃、豊道春海さんの許で〈まるで実子同然の、緩い内弟子〉のような立場を許されて書道連盟の事務所に起居したことがあったらしい。あちらこちらから呼ばれる春海さんと日本全国を廻っては当地のさまざまな美味しい料理を堪能したという。春海さんがどのように書の作品を書いていたかの話もしばしばしていた。〈日本橋由来記を綴っている文字も豊道先生によるものだよ〉と、そういえば父がむかし語っていたのを思い出す。

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今朝のメモから。

2017-04-28 07:24:11 | Weblog

今朝のメモから。。


朝の港に赤き衣の案山子は立つ かなしみはいつも空の果たてに


〈アダージェット〉の弦に目覚めて顔洗ひぬ けふも空を迷彩色の機影

 

〈アダージェット〉の節を思ひ出だし箸を振る はま食堂の五色の丼

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あれこれいろいろ。

2017-04-26 18:36:19 | Weblog

しごとのあと。


加古陽治氏の『一首のものがたり 短歌(うた)が生まれるとき』(東京新聞、2016年4月刊)の中澤系氏の項の156頁より。

(前略)ある日、ラーメンを食べようとしたら、どうやって食べたらいいのかわからなかった。(中略)02年春、東京都内の大学病院でMRI 検査を受け、遺伝性の難病である副腎白質ジストロフィー(ALD)と判明した。中枢神経がやられ、症状が進行すると、言語・歩行障害が起きる。根本的な治療法がなく、多くは5~10年で死に至る。中澤も少しずつ症状が進行し、ついにあれほど豊かに育んできた言葉を失った。(後略)
〈以上、引用おわり〉


中澤さんの病気進行の記述を読みながら、作曲家モーリス・ラヴェルの最晩年の病気進行のことを思い出しました。作曲家として全盛期のラヴェルは、乗っていたタクシーが追突事故を起こして頭部を打った頃をきっかけとして、従来通り豊かに〈音楽〉が頭のなかで鳴っているにも関わらず徐々に作曲ができなくなり、やがて全く譜面を書けなくなってしまいます。それはまるで、中澤さんの病気の場合と同じようです。ラヴェルの場合は、音楽を具体的に〈譜面化〉する言語中枢神経をやられてしまったのかもしれません。ただ、当時そういう病気のことはまったく知られていませんでした。作曲家なのに作曲できなくなったラヴェルは、やがて周囲から勧められて開頭手術を受けそのまま麻酔から覚醒することなく亡くなりました。。

そういえば、ジョージ・ガーシュインも病気治療のために開頭手術を受けて覚醒することなく亡くなっています。そのガーシュイン、若き日に高名なラヴェルの許で作曲を勉強したくて弟子入り志願でラヴェルを訪ねますが、ラヴェルから「あなたはもうすでに一流のガーシュインです。二流のラヴェルになる必要なんてどこにあるでしょう」と弟子入りをやんわり断られたそうです。ラヴェルとガーシュインにまつわる、音楽史上有名なエピソードの一つです。。


しごとのあと、昔のひとに関するあれこれいろいろな妄想はなかなか止みません。。

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昨日。

2017-04-25 20:48:57 | Weblog
昨日4月24日が病気のために30代の若さで亡くなった歌人中澤系氏の9回忌だったことを知った今宵。

3番線快速電車が通過します 理解できない人は下がって  中澤系
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ファビオさんとラナさん。

2017-04-24 07:15:43 | Weblog
今朝は、しごとに出掛ける前、先週金曜日夜のラジオで予約録音した〈ファビオ・ルイージさん指揮NHK交響楽団定期演奏会〉の模様をたっぷりじっくり楽しみました。演奏曲目はまず、ベアトリス・ラナさんをピアノ独奏に迎えてのベートーヴェンの〈ピアノ協奏曲第1番〉。ラナさんの小曲アンコール演奏に続いて、ブラームスの〈交響曲第4番〉。ファビオさん指揮による演奏の印象は、先日のNHK交響楽団とのマーラー〈交響曲第1番「巨人」〉での名演がとにかく強烈で深いのですが、今回もその期待に違わぬ素晴らしい名演。ラナさんのピアノも素晴らしかったです。こころにすっと入ってきて、こころが洗われました。
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ささやかなことだけれども。

2017-04-23 07:55:51 | Weblog

そういえば昔、ラジオ番組で永さんが「〈死にざま〉という言葉はありますが、〈生きざま〉という言葉はありません。」と言われていたことを思い出した昨夜。昨日も朝から夕方までしごと。しごとのあと、昼間予約録音しておいた久米宏さんのラジオ番組を再生した。ラジオは言葉の一つ一つに自然と耳を澄ますので、語彙の豊富なパーソナリティーの番組を聴くことは言葉好きには楽しくて仕方がない。番組のなかで久米さんは〈生き様(いきよう)〉と言われた。そうそう、そうなのだ、と嬉しくなった。ささやかなことだけれども。言葉はひとを幸せにもするし、不幸にもする。一つの言葉が一つの国家や一つの民族を滅ぼしてしまうこともある。大事なこと。

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一昨日。

2017-04-22 18:05:58 | Weblog

一昨日は、評判の地魚料理を頂ける食堂に行くべく、宇佐美に初めて降り立った。宇佐美は、じつは、20有余年前の学校時代に非常にお世話になった恩師がたしかお住まいの土地。恩師は私が卒業して間もなく病を患われて教職を退かれ、療養されながらさまざな英米文学作品やフィンドホーン関連書籍の翻訳をなさっていた。絶品の地魚料理の食事の後、電話帳からご住所を調べ、駅を越えて山の方への道を少しだけのぼり、ご住所をお訪ねするも、そこには伸び放題の草の生い茂ったお宅が一軒。表札は懐かしい先生のお名前だったが、どなたかが最近もこちらにお住まいのようにはとても見えなかった。。考えてみたら、いま先生は八十代中盤ぐらいになられているはず。もしかしたら病院か施設にでも入られているのかもしれない。あれこれ寂しく思いながら、駅に戻るべく、ゆっくり山道を下った。

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インテルメッツォ。

2017-04-20 09:06:35 | Weblog

音楽がしきりに胸のなかで鳴るとき。頭頂の開いたチャクラから音楽が流れ込んで来ている場合もあるけれども、魂に付いた傷痕が鳴っている場合もあるようだ。

 

昨晩、しごとのあと、駅へ。電車に揺られて、いつもの海端のなじみの湯宿に非常に久し振りに投宿。優しくて深い、素晴らしい湯に癒される。今日はいちにち休日。朝から部屋で『Intermezzo 』のラフスケッチ。このあと、宿を出たら、せっかく近くまで来たので、何駅か先のずっと気になっている美味しい地魚料理を食べさせてくれるという食堂へ寄ろうかどうか思案している。

 


に。

さん。

よん。

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