晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

青空の中のISS

2021年02月12日 | ISS(国際宇宙ステーション)
2月とは思えない穏やかな青空が早朝から広がっています。

仙台の上空は見事に快晴です。

遠くの蔵王山もくっきり見える上に、季節に似合わず気流も良さそうです。(希望的観測ですが)
チャンス到来です! 以前から計画を練っていた昼間のISS拡大撮影にチャレンジしてみましょう。

ISSのMAX光度は計算上-5.6等級(近地点で100%反射の時)になります。実質光度はそこまで
いきませんが望遠鏡を使えば昼間の金星は楽に見えるのですから条件さえ整えば撮影は十分可能
なはずです。

本日のイベントデータ
最大仰角は79°で光度は-3.5等級です。条件的には十分です。


問題はどうやって青空の中のISSを追尾するかです。
ご覧のとおり、目印となる星は当然ですが空にはありません。

そこで今回の作戦は、最大仰角になる直前の真西のISSの位置に望遠鏡を向けて、ファイ
ンダーを覗きながら通過するISSを瞬時に捉えて手動で追尾する方法で撮影します。
(えーと、これは… 簡潔に言うと単なる待ち伏せ作戦ですね。シンプルis Best!)(^^ゞ

真西を通過する時間は8時54分42秒、仰角72°です。その後最大仰角の79°に向けてISSは
見かけ上、上昇していきます。今回のコースは最大仰角を過ぎると逆光になるので、
最大仰角までが勝負です。

ふう、まもなく、時間です。ノートパソコンでHeaven- Aboveのライブスカイビューを見て
上空を通過する衛星をリアルタイムでモニターしていますが、昼光で画面が見えません。

おっと、まもなくスマホが8時54分40秒を知らせま…… キター!!!!!

正立ファインダーの左端から小さな白い虫のようなモノがものすごいスピードで
飛び込んできました! ISSです! 日出から2時間以上が過ぎている昼間の青空でも
はっきり見えています! 見えるとは思っていましたが、青空の中のISSは感動です。

不意を突かれた感じで飛び込んで来たので、さすがに動揺してしまいました。ISSの手動
追尾は何度もやってきましたが、背景が青空だと何か勝手が違います。

うわ~、ファインダーからロストしてしまいました。急いで探すも…どこにも見えません。
夜なら、肉眼で確認して簡単に再導入できるのですが、それができません。むずかしい…。

導入からロストまでの撮影時間は12秒。ファインダーのセンターサークルに入れることが
なかなかできなかったので、こりゃ撃沈か…と思いましたが、

ラッキーなことに40ショット中の14ショットにISSが写り込んでいました。

では、ご覧ください。

本日のファーストショット
なんと一コマ目にいい形で理想的な角度の太陽光を浴びた姿が写っていました。

2021.2.16 08:54:40 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1250 1/1000


今回もステライメージ8で画像処理しています。トライ&エラーの連続ですが、これは
やや過剰処理となっています。

2021.2.16 08:54:41.82 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1250 1/1000


こちらもやや過剰処理ですがクルードラゴン「レジリエンス」がはっきり見えます。

2021.2.16 08:54:41.95 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1250 1/1000

こちらは上記と同じ写真ですが処理をやや抑えて自然な感じにしてあります。

2021.2.16 08:54:41.95 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1250 1/1000


今回のベストショットです。

2021.2.16 08:54:49.81 D300mm Powermate2× F10 D810A ISO1250 1/1000

今朝は金星が太陽のすぐそばにあるため直前のピン合わせができず、前回ISS撮影をした時の
ピン位置で撮影しました。直前または前夜にピンを追い込めば、もう少しシャープな写真が
撮れるのではと考えています。

今回の撮影で、ISSは昼間でも撮影できることが分かったので機会を見て再度チャレンジして
みることにしましょう。

最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
トレンドは惑星カメラ (晴れスター)
2021-02-16 20:10:55
サイエンス@千葉さん
 確かに海外の方の写真はどうやって撮影したの?と思ってしまうようなISS写真がたくさんあってビックリですよね。気流の違いはあると思いますが、気象条件の良い日を見極めてベストな画像処理ができれば日本でも十分可能だと思います。私も惑星カメラとPIPPを使っていますがイマイチ使いこなせてないのが現状です。言葉の壁が一番のネックですね…。
 掲示板にお誘いいただきありがとうございます。ぜひ参加させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
返信する
更に高精細なISS画像を求めて・・・ (サイエンス@千葉)
2021-02-15 19:31:29
晴れスター様のチャレンジを楽しみにしております。
こちらは海外の方が撮影されているスゴイ解像度のISS写真に挑戦したくて苦戦中・・・。天体用CMOSカメラではセンサーが小さく,フレームアウトが増えてしまいます。一眼で連写した画像をPIPPを使って,センタリング+動画化(その後スタッキング)をしたいのですが,英語のソフトでなかなか上手く動きません。言語の壁はキビシイですね・・・。
よろしければ,こちらの掲示板にもいらっしゃってください。
返信する
Daylight pass (晴れスター)
2021-02-14 23:39:30
サイエンスさん こんばんは
 当ブログにお寄りいただきありがとうございます。サイエンスさんのISS写真拝見しました。さすが40cmの解像度はすごいですね。昼間のISSもたくさん撮影されていて追尾精度の高さに驚きました。
 日没前のピン合わせ方法としてドローチューブの繰り出し長さを前もってデジタルノギスで測っておいて撮影したこともありましたがピント位置は毎回微妙に変わるのでうまくいったりいかなかったりでした。トライ&エラーの連続ですが今後も撮影記録をブログにあげていきますのでご教示と情報交換どうぞよろしくお願いします。
返信する
お見事です! (サイエンス@千葉)
2021-02-14 08:49:27
私も何度か日中のISSを拡大撮影したことがあります。ファインダーで見えたときは感動しますが、追尾はかなり困難ですね。
日の出後のパスを狙うときは、夜明け前にピントを追い込み、ステラナビを使って数時間後のISS通過ポイントに鏡筒を向けておきました。
問題は日没前や白昼のパスで、月や金星が出ていればいいのですが、ないとピントが合わせられません。(11日も16時過ぎのパスを狙って、ピンぼけを量産しました)
今後のチャレンジに期待しております。
返信する
グリニッジ標準時 (晴れスター)
2021-02-13 11:21:43
ichさん
 青空の中のISSを撮影しているときに、野口宇宙飛行士がこの時間に日本を撮影していたらいいなと思って調べたのですが、ISSの時計はUTで動いているようで日本時間の09時はISSでは0時になるのでお休みタイムでした。ISSの起床時刻06時は日本時間の15時になるので夕方からが活動タイムのようですね。
返信する
Unknown (ich)
2021-02-13 07:00:31
晴れスターさん
 昼間の青空の中にISSを見るなんて、まったく考えたことありませんでした。さすが何度もISSを撮影している方です。狙い目もバッチリ当たって、おかげで私も写真を見ることができました。ありがとうございます。ちゃんと昼間も働いているんだなぁ、と当たり前の感想を持ちました。中の野口さんも昼なら日本の形が分かりやすいでしょうから、400km隔ててお互いを見ていたのではないでしょうか。NASAやJAXAは日中も飛行監視するのでしょうかね。
返信する

コメントを投稿