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サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)その2

2014年11月08日 | 彗星
Spacewerther.comにC/2013 A1関連の記事が載っていたので要約してみました。

「MARTIAN METEOR SHOWER(火星上の流星雨)」: Friday, Nov. 7, 2014
「NASAはサイディングスプリング彗星が火星に最接近した時に火星上でに何が起こったかについて記者会見を行いました。

各国の火星探査機は様々なカメラ、レーダーおよび各種のセンサーを使用して観測を行い多くの発見がありましたが、その中で特筆すべき事象は、NASAのMAVEN宇宙船によって検知された「壮観な流星雨」です。MAVENは、彗星が最接近したときに火星の影に避難していたので実際の火星の大気で光の筋を観測していませんが、表側に移動した際、惑星の地表150km上空にMgイオン(隕石煙の要素)の強烈な層が浮かんでいるのを見つけました。

これらのスモークは崩壊する流星物体によって流されたイオン化マグネシウムおよび他の金属で作られていました。「データは数トンのコメット・ダストが火星大気中に堆積したことを示しています。」コロラド州ボルダーの大学でMavenのイメージング紫外線分光を行っているニック・シュナイダーが述べています。「もし火星上に人間がいたならば、流星嵐といわれる一時間あたり数千もの流星が見られたかもしれません。」さらに「今回の流星はナトリウムイオンが豊富だったので、流星群が火星の空に黄色の残光を生み出したであろう」と彼は推測しています。

NASA惑星科学部長官ジムグリーンは「探査機が観測をしていない最接近時には科学者が予想している以上のコメットダストがヒットしていたはずです。」と述べています。ESAのマーズエクスプレスが搭載しているレーダーおよびNASAのマーズリコネサンスもまた流星関連のイオンを検出しています。メイブンを含む各種の探査機は今もデータ収集を継続しています。今後のアップデートをお待ちください。」

ふ~むふむ、やはり火星上で流星雨が起きていたのですね。今回は彗星の尾の中を火星が通過していたのでひょっとしたらと思ってはいましたが、1時間あたり数千という数は、2001年のしし座流星群の1500個/hをはるかに超えています。さぞ壮観な眺めだったことでしょう。なんでもナトリウムイオンが豊富だったため黄色の残光が残ったとのこと…、ということは、昼間の空→赤色、夕焼け→青色、薄暮→黄色、と変わったのでしょうか? まるで信号機のようです…。

今回の観測では、Mavenが直接サンプリングに成功して、火星の大気中に降った彗星塵のいくつかの組成を決定することができたそうです。探査機の中性ガスとイオン質量分析によって、彗星塵から、ナトリウム、マグネシウム、鉄などの8つの異なるタイプの金属イオンが検出されたということです。これは人類が初めてオールト雲彗星のダスト組成物の直接分析に成功したことを意味しています。

各種の探査機は今もデータ収集を継続しているということなので、今後のさらなる発表を待つことにしましょう。