駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

患者の感覚医者の間隔

2014年10月26日 | 診療

くふ              

 十月に入り受診する患者さんの数が増えてきた。午前中四十人を超え五十人に達する日もある。診察が終わると少々疲れを感ずるようになった。

 高血圧症や糖尿病で定期的に通院される患者さんの間に風邪で久し振りに受診される患者さんが混じる。医者の方としては二年振り四回目の受診程度だと久しぶりな感じでよく憶えていないこともあるのだが、患者さんの方はそうではなく、いつもの掛かり付けの医者と思っておられるようだ。この前のお薬が効きましたといわれて調べると三年前だったりする。確かに丈夫な人はそうしょっちゅう医者に掛かるわけではなく、何度か診て貰えば掛かり付けと思われるようだ。

 昨日、診察が終わって待合室に行くと立派な菊の花が置いてある。どうしたのと受付に聞くとMさんがどうぞと置いて行かれましたという。Mさんと聞いてもぴんと来ない。カルテを見ると最後に受診されたのは二年前だ。今年は菊のできが良い、そうだこの菊をS先生の所に届けてあげようと急に思いつかれたのだろう。ありがたいことだ。写真を取ったらブログにアップさせて貰おう。

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日本のことも解説してほしい

2014年10月25日 | 政治経済

               

 きのうのBS放送プライムニュースで中国「4中総会」の分析が放送されていた。悪い癖できちんと全部見たわけではないが(追突と二股)、 興梠一郎さんという方の中国権力闘争や香港デモの解説を聞いてなるほどと得心が行った。今に本当の共産主義が台頭してくるかもしれないという皮肉にも聞こえる指摘には笑ってしまった。

 興梠先生に今の日本政治についても解説をお願いできないだろうかと考えた。先生が差し障りがあってと辞退されるようなら、外国の日本特派員に日本政治を解説してもらうのが良い方法と思う。日本の政治評論家は井戸端会議や床屋談義を出ない人が多く、目を開かれるような解説は少ないからだ。尤も、興梠先生の解説にもそんな単純乱暴なことかねと思うところがあり、底流に理性を越えた生存競争の蠢きがある政治は理路整然とはいかない部分があるのは確かだ。

 そうとしても欧米とアジアでは同じ日本担当記者でも、一味違った解説が聞けるだろう。外からは意外に当事者が気が付かないことが見えるものだ。反町さん、企画してくれませんか。

 

 なんだか大規模なフレアで巨大な黒点が出現しているらしい。磁気嵐は大丈夫だろうか、心配だ。

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其処に漂うつましさ

2014年10月24日 | 小験

             

 月に三十数軒の往診に行く。長いお宅には十年十五年と毎月往診してきた。その時だけの一二回で終わる往診もある。そうして二十五年で往診してきたお宅は五百軒を下らないと思う。そこで否応も無く見聞きするものは、その患者さんと家族の生活実態だ。それは診察室では絶対に窺い知ることのできない紛れもない事実だ。

 診察室でお会いする患者さんと患者さんの生活状況は思い浮かぶ想像と一致しない事も多い。開業当初は顔には出せず心の中で秘かに驚くことがあった。今はどんなお宅でも驚くことはない。なんでもありと思い知ったからだ。

 テレビには出て来ない貧困が未だ厳然とある。流石に赤貧洗うが如しの困窮は希だけれども、本当に往診料を戴いていいのだろうかと思うお宅もある。中には、貧しいだけでなく、心の何かが折れて誇りが埃に負けてしまったようなお宅もある。

 そうして余裕の無い感じが漂うお宅は一握りというわけでなく、私の医院の立地条件にもよるのだろうが、大げさでなく半数に近い。日本が豊かになったのは本当だろうが、本当だろうかとも感ずる。

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等閑視できない異常気象

2014年10月23日 | 自然

                   

 三日続けての本降りで今日はズボンの裾を濡らして出てきた。何という天気なのだろう。患者さんには農業や漁業の方もおられ、天気の話題になると「こんな年はない」、とか「今年は特別、比べられない」と言われる。それだけ並外れた気候なのだ。この十年くらいなんだか変だなあと思っては来たが、地球温暖化が早まったのか、季節感が失われてしまった。

 北国は温暖化で宮沢賢治の心配ももはや杞憂、北海道の七つ星はコシヒカリを押しのけそうな勢いである。良いことばかりではなく、極地の氷が溶けて水位が上がり、国土が失われそうな南太平洋のキリバスやツバルは真っ青である。

 気候相手ではどうしようもないようでも、対策を建てることは出来る。直接の被害者は居らず、天気が相手じゃと騒ぐ人が居ないからと等閑視してはなるまい。最重要課題だと思う。税金が増えるのに抵抗すると同じように、否それ以上に税金の使い道を問題にしたい。観劇うちわ問題もいいが、それよりも税金が妥当に使われているかを問題にしたい。

 市民オンブスマンがスポンサーになって、民放で税金の使われ方を説明する番組をやれないものか。納税者は税金の使い道に無関心すぎると感じる。予知できない地震予算よりも、予知できる崖崩れや水害対策をと思う。

 

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不易の薬

2014年10月22日 | 医療

              

 医院というのは一つの社交の場で、鉢合わせた知り合いとエールの交換がされる。特に八十代の女性の場合は「こんにちわ、久しぶり。元気?」では終わらず、数分医者が待たされることもある。出歩くことも少なくなった彼女達の貴重な再会の場合もあるので、それもありかなと思う。若い時のように苛々せず、聞こえてくる彼女達の会話にしばし耳を傾ける。

 中にとても柔らかい言葉遣いをされる方が居られる。ギャルのため口と違い、端で聞いていても気持ちが良い。そうして挨拶が終わり、診察室に入ってこられるといつもより顔が生き生きとして、動きも滑らかなことが多い。

 不易の薬それは食べ物、運動そしておしゃべりと見付けた。

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