駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ほどほどがありがたい

2008年12月23日 | 小験
 今日は連休の合間でたくさん患者さんが来た。百十五名といつもの倍である。しかも初診の患者さんが十名くらい混じっていた。若い時にはさほどでなかったが、今は本当に疲れてしまう。ええ、まだ居るのという感じになる。腕立て伏せや腹筋を何回かやると限界になって、休まないとできなくなるのと同じで診察もある数を超えると、勘弁して欲しいと言いたくなる。経験上こういう時に間違いが起こりやすいのを知っているので、疲れると必要以上に神経を使う。
 それこそ二十代の頃は救急車が楽しみなくらいでほとんど眠らなくても働けた(医者の場合、当直の翌日が休みにはならない!)。三十代になると、徹夜が大変になる。四十代になると徹夜が出来なくなる。五十代になると当直が耐えられなくなる。大雑把に言えばこんな感じだ。
 それと何時呼ばれるか分からないのは、やっぱりストレスだ。勤務医の頃は週一回は深夜に起こされた。今は入院患者は居ないので、緊急の呼び出しはないが、自宅の看取りで真夜中に出かけることが年に数回ある。高齢で家族も覚悟が出来ているので緊迫感はないが、あと数日という時は遠出ができないし携帯や電話に敏感になる。
 病気の症状ではない訴え、悩みや愚痴、が多い、これに効く薬はほとんどなく、話を聞くしかないのだが、疲れている時に聞くのはなかなかつらいものだ。病気の治療に必要だから薬を出し検査をするのに、なぜか素直に応じてくれない人達が居る。何で私と隣のおばさんの意見を天秤に掛けるのだ?。隣のおばさんは医者じゃないだろ、何の責任も取らないだろと心の中で思いながら説明するのだが、そう言うことをおっしゃる方は理屈が理解できるとは限らない。
 いい年をして愚痴めいたことを書いた。患者さんが来てくださるのは有り難いが、ほどほどでないと。
コメント (2)
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