駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

わからなくなった竜王戦

2008年12月06日 | 趣味
 空前の七永世称号かと放映を準備した報道ステーションも肩すかしを食らった。渡辺竜王が勝ってしまったのだ。私も戦前予想で羽生名人の四勝一敗としていたのだが、第四局の勝ち方で予想が外れる予感があった。第四局で全然位負けしていなかったからだ。第五局にも渡辺竜王が勝って俄然竜王戦の行方が混沌としてきた。
 今まで時に羽生名人も人の子などという批評を目にしたが、それはいずれも圧倒的な強さを彩るための表現だったと思う。実際の所は多少の動揺も想定内で、直ぐ立ち直ってきた。ところが今回はちょっと違う。あれおかしいと羽生名人自身が感じているようだ。土俵際に追いつめたはずだったのが立ち会いから一気に持ってゆかれ、土俵際の粘り腰も浴びせ倒されてしまった。
 私の棋力では将棋の技術的な解説はできないのだが、勝負の綾はいくらか分かる。深浦王位は何事にも驚かない肝っ玉で羽生名人に勝った。渡辺竜王は何事も恐れない肝っ玉で羽生名人に勝つかもしれない。飛車取りなんぞ怖くない、挟撃で皮一枚を残す、無謀とは違う剛胆力。どうも勝負には切れ味だけでなく肝っ玉も大切なようだ。
 
コメント
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