ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

できそこない

2011年05月10日 | ノンジャンル
アル中たるもの、三度の飯より酒好きで、
朝から飲んで、仕事などどうでもよく、誰を泣かそうが、
誰に迷惑をかけようが、知った話でなく、
「酒や酒や、酒買うて来い!」と怒鳴っては、春団治気取りで
家族や、世間や、金や、地位や、名誉など歯牙にもかけず、
己の命さえ要らぬ覚悟で飲まねばならない。

仮にそれで死んだとて、それがアル中の本望である。

それが、あろうことか、いざ命が現実に危ないとなると、
途端に命を惜しんで、断酒して生き延びようなんざ、
ちゃんちゃら可笑しい、アル中の風上にも置けないような
できそこないである。

お酒に未練たらたらで、少し身体を治してはまた飲み、
飲んではまた身体を壊しと繰り返すなら、細く長く
飲み続けようということであるから、まあ、アル中の
末席ぐらいには置いてやってもよい。

ということで、アル中の風上にも、末席にも置けない私は、
アル中のなかのできそこないの部類である。

これほどのできそこないである以上、せめてアル中以外の
世界では、少しはまともに生きたいものである。

お酒と共に死ぬこともできなかった中途半端な人間である。
だからこそ、もう中途半端に生きるのもやめにしたい。
自分ですらないまま死ぬのが恐ろしくて、生きることに
したのである。
自分らしく、精一杯で、今を生きていくしかないのである。