日本人の場合、異世代、異業種(、異文化)の集まりは、出席者にある程度共通項がないとうまくいかない場合が海外にくらべてありそうですし、そもそもパーティー文化のない日本には、参加者をコーディネートする人が間にいたほうが良いのではないかと思います。が、面白そうですね。
(大学の新入生向けにこんなサイトがあれば、地方出身の学生さんたちは心強いかもしれません。)
JBpress (2013年1月31日)
フランスで大ブーム、「お昼をご一緒に」サイト
コーランチングに続いて、コーダイニング、コーワイニングも人気
By 鈴木春恵氏
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37024
コーランチング(COlunching)」という言葉を耳にされたことがあるだろうか?
「共同」「同時」などを意味する接頭語coと、「昼食を食べる」の現在進行形lunchingをつないだこの造語。パリに暮らすフランス人女性、ソニア・ザナード(Sonia Zannad)さんが生み出したソーシャル・ネットワーキング・サービスの名称で、流布しだしてから2年半ほどになる。
インターネットを媒体に、見知らぬ人とランチを共にする
ソニアさんがこのネーミングに込めたアイデアは、読んで字のごとく、「一緒にランチをする」というもの。インターネットが告知媒体になって、ある日ある時刻、指定されたレストランに希望者たちが集う。
レストランそのものに興味があって参加するケースもあれば、新しい人脈を作りたいと思う人もあるだろうし、ただ単に、日常のちょっとした刺激にと、参加する目的はさまざまだ。
三々五々参加者が訪れ、一緒にテーブルを囲むのだが、たいていはそれぞれが好みのものを食べ、お会計も別々。レストランの費用を払うだけで、参加費のようなものはかからない。
「学校を卒業してから、メディアに記事を書いたり、イベントのオーガナイズをしたり、フリーで仕事をしていると、どうしても食事がおろそかになりがち。コンピューターの前でサンドイッチをほおばってランチを済ませてしまったりするのが嫌になって・・・」
そんな、世界中のかなりの数の人が思い当たりそうなささやかな不満。ソニアさんのアイデアもまずそこからスタートした。さらに、美味しいもの好き、好奇心旺盛な都会暮らしとなれば、新しいアドレスもいろいろと開拓してみたいもの。
そこで一計を案じ、友達を誘ってお昼を食べるレベルからさらに枠を広げて、ネットを使ってランチ仲間を募るという試みを始めたのである。それが2010年5月のこと。
(中略)
ともあれ、それからさらに2年が経った。「アイデアはむしろ分かち合ったほうがいいものだと思っているから、ランチをオーガナイズするのは私に限らず、サイトに登録した人がだれでも呼びかけていいし、私が知らないところでもコーランチングの機会がどんどん繰り広げられることでしょう」
ソニアさんが初めから描いていたそんなイメージはどんどん広がりを見せ、今ではサイト画面を開くと、パリだけでなくフランスの地方、さらにはニューヨークやシドニーなど世界の街での今日、明日、さらにひと月先のお知らせまでがたくさん並び、メンバー登録をしている人は約1万人を数えるという。
また、「コーダイニング(COdining)」、つまり夕食を一緒にするというのも増え、ソニアさんによれば、最近では昼よりも夕食の会のほうが時間に余裕があるせいか人気が高い傾向にある。
1月のパリ。凱旋門から歩いて5分ほどのとあるブティックホテルでコーワイニングがあるというので、わたしも久しぶりに参加することにした。
「ビジネスエンジェルとスタートアップ(Business Angels&Start-ups)」というテーマが掲げられていて、申込時点で会費を払うというものだから、いつものコーランチングとはちょっと目先が変わっている。
(中略)
とはいえ、今回の参加者のお目当ては人脈作り。ほぼ全員が初対面のようだが、どんなビジネスをしているのか、あるいは企画しようとしているのか、いきなり本題の会話があちらこちらで繰り広げられている。
わたしが名刺交換した参加者には、インターネットの動画サイト、しかもエコロジーに特化した番組を作って配信するプロジェクトを立ち上げつつある女性、キャンピングカーのレンタルシステムを運営している男性、外国からのツーリスト向けにフランスならではの食体験ができるホームステイやアパルトマンの斡旋をしているカップルなどがいた。
彼らがスタートアップ(start-ups)のほうに類する参加者とすれば、ビジネスエンジェルス(Business Angels)的な存在としては、新しい企画を探して出資者を募る、あるいは出資グループを作ることを生業としている人も複数。
なるほど、世の中にはいろんな商売があるもの、と、初めから蚊帳の外を決めて参加したものの、結果としてはなかなか興味深い会ではあった。
ところで、こういった会から何が生まれるのかは、まったく未知数だ。すでにソニアさんやフレデリックさんの知らないところでの開催数の方が圧倒的に多いから、彼らが知る「その後」はごく一部。
とはいえ、コーランチングでの縁が仕事に結びついた例は大小様々あるようだし、結婚したカップルもいるという。あるいは「その後」など期待せずに、ただただ一期一会を楽しめばよいとも言える。
ちなみに、東京ではごく最近コーランチングがひとつあったらしい。これが彼らが把握している日本での唯一の例だそうである