Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

外国人の衛生観念

2010年05月28日 | 異文化

海外と日本を比較して、私が日本が一番優れていると思うものは『衛生観念』です。

前回、シャルトルの小さいお店で食事をしたのですが、その時お店の女の子が棚の上にあったコーヒーカップを床に落としました。しかし、それを拾うと洗いもせずにそのまま元の棚に戻していたのを目撃。

床に落ちたものでも手で埃を払って食べたりする人もいる国です。私達のコーヒーカップにコーヒーを注いであったと思ったので、関係ないだろうとばかり、これは見なかったことにしました。

ところが、この後すぐ運ばれてきたコーヒーを一口飲んだ私は、飲んだほうと反対側のコーヒーカップの縁が少し欠け、外側にヒビが入っているのを発見。

「このカップは前にも今みたいに落として、洗うことなく元に戻したものか。それとも実は今床に落としたカップか?」と確信が持てぬままどうするべきか思案していた私でしたが、「ヒビが入っているのがもう少し前に分っていたら、自分のコーヒーと変えてあげたのに。どこだって見てないところでは何やられているのかわからない。気がつくか、つかないかの違いだよ。」という夫の言葉を聞いて、夫のカップに残りのコーヒーを移し変えました。

(普段からまったくこういうことを気にしないにしても、コーヒーを二杯も飲む気がなかった夫、仕方なしにそれも全部飲み干しました。)

しかしこうして空になったカップを良くみるとヒビは案外酷い。

「床に落としたカップを使うのには無頓着でも、ひょっとしたら彼女はヒビにまでは気がついていないのでは?」とも思えたので、女の子がカップをさげに来たときに、「カップの縁が欠けているし、大きなヒビが入っているので危ないわよ。」とやんわりと伝えてみました。が、彼女はにっこり笑うだけ。たぶん後数回落としてカップが粉々になるまで、この頑丈そうな陶器のカップを使うことでしょう。

さて、フランスに限らず海外において、つり銭を触った手でパンをじかに取る店員や、コーヒーポットやミルクの使いまわし、オープンカフェの砂埃の食器やテーブルと椅子等は、そんなに稀なことではないと思います。しかし、日本人でこれらを嫌がる人は多いでしょう。

こうした日本人の人一倍強い衛生観念はどうしてできたのでしょう。一つには住環境-畳文化-による習慣の違いのせいもあるのかもしれない、と私は考えています。

開国をしてから、西欧文化を取り入れてきた日本ですが、たとえば家をどんなに西洋風(すべて洋間)にしようとも、欧州人のように家でも靴を履いたままでいる日本人はほとんどいないと思います。

「室内で靴を脱ぐ習慣」自体は、実は日本だけのものではなく、アジアのいくつかの国や、フィンランドなどでも昔からあるようですし、欧米でも、家で靴を履かない人達も増えているようです。

ただし、そうした人達でも、「自分達は家で靴を脱いでも、お客様には強制できない。」「パーティの時は例外」と言う人などもいて、日本人感覚で言うと、「それって、かえって不衛生では?」と思えてしまったりします。

しかし、彼らのなかには、「裸足やソックスのまま家に中を歩きまわられたら、バクテリアをばらまかれる」「素足はくさい」という意見もあるので、「ひょっとして、日本人の考える『汚いもの』の感覚が、他と違うだけなのだろうか・・・」とも、ちらりと思ったりもします。

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