安倍首相が、
「日本人の命すべからく国の最高責任者である私にあります」
と言ったとか。
(『4丁目のCan蛙』さんより
http://d.hatena.ne.jp/cangael/20150830/1440903026 )
ちょうどこの「すべからく」、昨日のブログ記事『日本語の誤用-NHK『まれ』より』
http://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/d8f21a6b83fa5692c80ca3e1c2caefaf
でご紹介したポストセブンの記事が取り上げています。
ポストセブン
わざわざ難しい言葉を得意げに誤用する似非インテリの日本語
http://www.news-postseven.com/archives/20140723_265566.html
抜粋:
私が持ちネタのようにしつこく糾弾している似非インテリの誤用が「すべからく」である。漢字で書けば「須く」、意味は「(ぜひ)~せよ」である。英語に翻訳するならoughtかshouldになる。「すべからず」が「禁止」、「すべからく」が「義務」である。
この言葉は、本来、漢文訓読の中で使われたため、いかにも教養ありげに見えるので、酸豆腐の似非インテリが得意気に誤用する。
産経新聞の校閲部長で後に論説委員にまで出世した塩原経央という男がいる。塩原は学生時代に詩集も出していた(自費出版で)文学通で、言葉には一家言ある。文語の美しさを紙面で強調し「言葉はすべからくそういうものだ」と酸豆腐を旨そうに食って見せた。同紙在職中から、美しい日本語についての講演もしばしば行なった。何と、日本語についての著作まである。
水村美苗の『日本語が亡びるとき』は、何かの文学賞を受賞したはずだが、イグ・ノーベル賞だったかもしれない。この本の中に、こんな一節がある。
「カンボジアのクメール・ルージュにいたっては読書人をすべからく虐殺した」
水村美苗は、読書人虐殺を義務だと思っているらしい。確かに、ある意味では正論のような気がする。
安倍首相も、「すべからく」を「すべての」という意味で使っているんですかね。
しかしまあ、誤用だろうが誤用じゃなかろうが、「国民の命を自分のものという人間」が国のリーダーですか?
北朝鮮の独裁者でさえ、(本音だとしても)公言しないでしょう。