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安倍晋三の目に余る拉致被害者政治利用

安倍晋三の

目に余る拉致被害者の政治利用

日刊ゲンダイ・11・20

一事が万事・口先冷血政権の場当たりとゴマカシ

またしても、国会の所信表明で拉致被害者を出してきたが、圧力一辺倒でどうやって取り戻すのか。はっきりしているのは、この政権が続く限り、北は絶対に交渉に応じないことだ。

 特別国会の召集から17日。安倍首相がようやく所信表明演説を行った。演説の原稿は約3500字と前回2016年9月の約7300字から半分以下に減り、安倍内閣では最も短い。内閣支持率が急落してから繰り返してきた『丁寧な説明』や

 『謙虚さ』の言葉もなく、従来の叙情的なエピソードの挿入もない。やる気ゼロのあっさり演説からも“もり・かけ疑惑”の追及から逃げたがり、よっぽど国会を開きたくないのだな、と安倍の心情がひしひしと伝わってきた。

 それでも安倍が忘れなかったのは、先のトランプ米大統領来日時における拉致被害者家族との面会アピールだ。『トランプ大統領は、ご家族の思いのこもった訴えに熱心に耳を傾けてくれました。ご家族もご高齢となる中で、拉致被害者の方々が再び故郷の土を踏み、ご家族と抱き合うその日まで、私の使命は終わりません』安倍は得意げに語ったが、北朝鮮への圧力一辺倒でどうやって拉致被害者を取り戻すのか。

  安倍は9月の国連演説で、「対話による北朝鮮問題解決の試みは一再ならず無に帰した』と言い切った。世界各国の代表を前に『北との対話は無駄』と、堂々と言い張る人物が、北と真剣に交渉する気があるとは思えない。

本気で解決するつもりがないのなら、被害者家族をトランプに引き会わせたのも『拉致の安倍』を強調する為のプロパガンダに過ぎない。そもそも被害者家族をトランプに会わせることで、拉致問題が解決するのか。安倍はトコトン拉致問題を人気取りに利用しているだけなのだ。

 「対話による解決」を求める切実な思い

さすがに横田夫妻も安倍の薄汚い魂胆には気づいているのだろう。めぐみさんが拉致されて40年目を迎えた15日の会見で、母親の早紀江さんは、次のように複雑な思いを吐露していた。

 「政府の方々は必死で国家の為に働いていると信じるが、解決にこれだけ時間がかかると、『本当に信じて良かったのか』という思いが家族の中にも有ります」

「被害者には元気でいてほしいので、安倍総理とトランプ大統領が何とか戦争が起きないように考えていただき、ギリギリのところで良い知恵が与えられて解決に向かってほしい」

慎重に言葉を選びながらも北との戦争に結びつきかねない『圧力一辺倒』ではなく『対話による解決』を願う切実な気持ちが感じ取れるではないか。続く

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