goo

検証・民進分裂

検証・民進分裂

朝日新聞・11・19

排除生んだ密談の帝国ホテルの夜

「護憲遠慮願う」と小池百合子

『民進党を解党したい。民進の衆議院議員は、希望に合流させます』

「それで行きましょう」

東京内幸町の帝国ホテル。民進党代表の前原誠司の提案に、東京都知事の小池百合子が同意した。

 傍らには連合会長の神津律季生(りきお)や小池に近いネットメディア会社代表の上杉 もいた。9月26日深夜のことだ。前日の25日には、首相の安倍晋三が記者会見し、28日召集の臨時国会冒頭で衆議院を解散すると表明。

 小池も会見し、新党「希望の党」を立ち上げて、自ら代表に就くと発表していた。

 解散まで48時間を切る中、新党との合流協議を急ぐ前原が上杉の携帯電話を鳴らし、急きょ設定された秘密会談。前原は民進の100億円超の資金や党職員の提供を申し出たが小池は断った。そして注文を付けた。

「全員の合流は困る。私は、憲法と安全保障は絶対に譲れません」憲法改正と安保政策は小池の保守政治家としての生命線だ。

護憲の方は遠慮願いたいという小池に前原は応じた。

それは当り前、うちにも護憲派なんているかどうか・・・

小池は民進の体質が新党に継承されることを懸念していた。

 民進はこれまでも、自民から旧社会党出身者まで抱える『寄り合い所帯』振りが、党の一体感を損なってきた。護憲政党ではないが、いざ党内で議論をはじめれば、対立が表面化しかねない。

 小池の思いを推し量った上杉が旧民主党の『排除の論理』を例に出した。鳩山友紀夫(由紀夫から撰名)と菅 直人が1996年に民主党を結党した際、看板のかけ替えという批判を受けないために一部のメンバーの参加を拒んだ。

上杉は「『三権の長』経験者を排除するのはどうですか?」と話したという。

政権交代可能な政治の一翼を目指してきた野党第一党を分裂させた小池の『排除』発言の原点は、この夜の密談にあった。

 民進党を離党し、希望の党結党メンバーになった元環境相の細野豪志が同28日夜、記者団に

「三権の長経験者は民進党で中核的な役割を果たしてきた方なので、ご遠慮いただくのがいい」と言った。

そして翌29日、小池百合子は都庁での記者会見で、改憲や安保で政策が一致しない民進出身者への対応を問われ『排除いたします』と明言した。

続く

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )