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祈念公園に・・・

祈念公園に・・・

千名余の芳名を刻む

 東松島市が・野蒜(のびる)のJR駅周辺で整備を進める『東日本・大震災復興祈念公園』の祈念広場に建立した震災慰霊碑の完成式典が『津波防災の日』の5日、現地で開かれた。

 遺族・来賓・関係者・一般市民を含む約600名が出席。犠牲者の冥福を祈るとともに、故郷の復興に向けて決意を新たにした。

 遺族ら関係者12人による慰霊碑の序幕につづいて渥美 巌市長が『公園は遺族の心のよりどころ、復興の象徴となる。震災を風化させることなく、次の世代にも伝えるという思いが込められている』とあいさつした。

 大曲浜に住んでいた母親、兄夫婦、おいの4人を亡くしたシンガー・ソングライター石森文也さん(52)=仙台市青葉区=が遺族を代表し

 『故郷復興の希望を感じている。犠牲者の皆さんは少しでも穏やかに安らかになるよう、心からお祈り申し上げたい』と述べた。

  出席者は献花後、芳名板に刻まれた祖父母や両親、子供、友人らの名を確認、指でなぞったり、写真に収めたりして故人をしのんだ。

遺族は「建立してくれて本当にありがたい」

「ここに来れば会えるような気持ちになる」などと話していた。

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 慰霊碑は、震災で亡くなった市民1109人行方不明者24人に加え、市とゆかりのある人を含む1250人前後の芳名板スペースを確保。

現在1099人の名が刻まれている。

 御影石を使用した幅13メートルで、高さ1、4メートル波模様を施した中央のモニュメントの頂点は津波到達高の3、7メートルになっている。慰霊碑の正面2か所に設置する芳名板格納部の扉はスライド式で左右に開く仕組み。

 維持管理といたずら防止をかねて鍵を付けた。

 開帳は12日までのほか、毎月11日の月命日(3月は除く)3月8日から14日、お盆、お彼岸など。時間は午前9時半から午後4時半まで。

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 祈念公園は約1,6ヘクタールの敷地内に昨年12月に先行開館した

○旧・奥松島観光情報センター・旧野蒜駅舎の震災復興伝承館(803平方メートル)

○旧野蒜駅プラットホームの震災遺構(1575平方メートル)

○集団移転元地を活用した祈念広場(7600平方メートル)

○駐車場などの付帯施設(6018平方メートル)備える。

総事業費は約2億6800万円。

 復興交付金と寄付(企業版ふるさと納税)を活用する。すべての工事が終了するのは2018年3月の予定となっている。

 1099人の魂の名が刻まれたこの祈念公園には遺族や関係者を含めれば数万に及ぶ人生模様も深く刻まれていることになる。 続く

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