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検証・民進分裂③

排除リスト・「踏み絵」案流出

疑心暗鬼一気に高まる

 野合とみられることを嫌った小池と、多くの民進党出身者を合流させることを目指した前原。思惑の違う二人の要求を満たす「しかけ」が政策協定書だった。

 小池色を全面に打ち出しつつ、民進の主張とも矛盾がない書面を民進党出身者らと交わすことで、双方の心配を一挙に解消する筈だった。

 ところが仕掛けが完成する前に事態は思わぬ方向に転がりはじまる。前原は希望への合流方針の了承を取り付けた9月28日の民進党の両院議員総会で、安全保障法制を『憲法違反』と確認。

『安倍政権を止めなければならない』『我々の理想の社会を実現する為大きなプラットホームを我々自身が作る』と説明していた。

 翌29日午前。前原と小池は東京新宿の京王プラザホテルで会談し、公認候補の調整と政策のすり合わせを進めることを確認した。

 最初に記者団の前に姿を見せた前原は、「民進党出身者を全員公認したいという思いは(小池に)伝わっている」と強調した。一方の小池は記者団に

『全員を受け入れることはサラサラない』と述べ前原の発言を一蹴した。

 両者の思惑は隔たったままなのに、政権交代可能な勢力としての希望の党への期待ばかりが高まっていた。小池の『排除』発言が飛び出したのはその日の午後。小池周辺は「前原の『抱き着き』に小池はイラ立っていた」と言う。

 さらに間をおかず、『三権の長』経験者に枝野幸男ら十数人の名を加えた「排除リスト」が永田町に出回った。前原も小池も感知して居ない出所不明の文書。前原は周辺に「フィクションだ」と怒りを露わにしたが、民進出身者たちは浮足立った。

 若狭が民進党との協議を経て完成させる手はずだった政策協定書のたたき台も流出した。民進党が一貫して反対してきた安保法について「基本的に容認する」と記されていたため、民進党に宗旨替えを迫る『踏み絵』との受け止めが広がった。

 排除と踏絵に反発した枝野幸男が新党立憲民主党を立ち上げた。無所属での立候補に踏みきる議員も相次いだ。排除どころではなくなり『踏み絵』も民進党側との協議を経て穏当な内容になったが分裂への流れは押しとどめようがなかった。

前原は、「『踏み絵』だとか『排除リスト』だとか我々が『本物ではない』と言い続けても、現実に物事が決まらない中で疑心暗鬼が高まってしまった」と振り返った。前原の決断を了とした連合会長の神津里季生は「政策と公認の『門』を狭めた小池さん周辺の罪は極めて重い」と述べた。

 小池は衆院選投開票日の10月22日、出張先のパリで、『政党たるもの、政策が一致するのは当然の話だと考えているが、言葉の選び方は注意するべきだった」と総括した。だがその後は多くを語らないまま、今月14日党の代表を辞し、自ら劇場の幕を引いた。続く

◎2008年6月15日投稿グー・ブログ「永人のひとごころ」誠司家・前原政治・をご参照ください。前原誠司氏の性格を詳しく分析しております。

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