日々の感じた事をつづる
永人のひとごころ
今年の研修旅行③
今年の研修旅行
③
「姓名学」実証確認の旅でもあった
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石巻高校時代の還暦の同窓会を松島のホテルで開催したのは12年前であったが、それ以前に奥さまを亡くしていた大友貞孝(おおとも・さだよし)君には、病弱短命の要素が絡むからと、その時も別な文字の“さだよし”を考えたらどうかと進言したが、真剣に受け止めてはいない様子だった。
その後まもなく彼の娘が離婚した。そうして4年前、大友貞孝医師そのものも亡くなってしまったという。
今日の研修旅行で高橋洋一君から伺った話ではあるが、この事は大友君とまたいとこの私の家内も全く知らないことであった。
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6時半から宴会が始まる。6時20分に5人の同部屋の方々と会場へ入った。
会場の座敷に座ったが、私の右隣から舞台まで5つほど空席になっていた。間もなく女性達がそれらの席を埋め尽くした。
「宜しくお願い致します」とすぐ隣に座った40代前半ぐらいと思われる女性からそう声掛けされたので、
『こちらこそ』と返事した。
次つぎに舞台に人が上がった。歌がある。踊りも出る。
やがて『次は吉野永人(よしの・ながと)さんが歌います。落葉しぐれです。吉野永人様あ~・どうぞお――っ』
「はいっ!!」と元気よく(のつもり・・・)右手を挙げて出て行った。舞台に立った。イントロが奏でられる。マイクを握った。
『♪
旅の落葉が しぐれに濡(ぬ)れて
流れ果てない ギター弾き
望みも夢も はかなく消えて
歌も涙の 渡り鳥
♪♪
酒にやつれて 未練に痩せて
男流れの ギター弾き
あの日も君も 帰らぬものを
呼ぶな他国の 夜の風
♪♪♪
暗い路地裏 酒場の隅が
せめてねぐらの ギター弾き
灯影もさみし 蛍光灯の
陰でしみじみ 一人哭(な)く
***
歌い手の三浦洸一のつもりになって不動の姿勢で歌おうと思ったが35年ぶりに人前で歌う所為(せい)か、思う様にいかない。しかし何とかかんとか歌い終わった。これに自分で点数を付けるなら30点ぐらいだろう。
席に戻ると、「初めて聞いた歌ですけど上手ですね」と隣の女性が言う。
『何せ64年も前の歌ですからね。この会場には知っている人は少ないでしょう』
「失礼ですけど、どんな仕事をなさっているんですか?」
『人の名前と運勢の関係を20歳のころから研究しています』
「私・水産関係の仕事をしているんですけど、木の屋石巻水産の社長さん兄弟が名の字をかえてから事業がうんと伸びたと直(じ)かに聞いたことが有りますけど」
『25年ぐらい前だったかな、いろいろあって説得し、あの木村ご兄弟の名の字を替(か)えたのは、私です』
「えーっ!!そうだったんですか」
『社長は木村長門(ながと)から長努(ながと)へ弟の副社長は木村孝行(たかゆき)から隆之(たかゆき)へ替えました』 続く