日本共産党 前玉野市議会議員 松田たつおのブログ ニュース

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玉野市臨時議会━━6会計決算に反対

2017年11月17日 | 市議会

 11月14日(火)午前10時より玉野市議会臨時議会(決算議会)が開会された。

各常任委員会委員長による決算審査報告がなされた後、委員長報告への質疑を行った。

その後、6会計決算の認定に反対する討論に立った。

 反対討論の要旨は

日本共産党市議団を代表して、平成28年度各会計決算のうち、6会計決算の認定に反対し、討論を行います。

 認定第1号 総合病院玉野市立玉野市民病院事業会計決算についてであります。市長は民営化すれば全てうまくいくと言って、民営化路線に舵を切り、市民の意向を無視して強行したものの、指定管理者の撤退で失敗し、その混乱と迷走のもとで市民病院の経営は、さらに大きく悪化しました。平成28年度決算は、その最悪の事態に陥っていた平成27年度決算に比べれば一定の改善がはかられましたが、「公設公営では限界」と判断した平成25年度決算実績よりも、まだ悪い状況です。比較的に健全経営であった市民病院は、黒田市政になってから、公営企業法の全部適用とした平成19年度ころから赤字幅が増大し、経営悪化がすすみました。これは経営分析の数値を見れば明瞭です。また、市長の「限界」説は、人まかせ、病院まかせで、しかも、経営改善計画を推進すべき副市長を委員長とする経営改善委員会は、年に1回程度の開催という状況からも明らかなように、指導力、経営力、努力不足を棚上げにした身勝手な判断でしかありません。県内自治体病院をはじめ圧倒的多数の公立病院は、市長を先頭に厳しい医療環境のもとでも経営改善、改革をすすめ、公設公営で運営している事実をみれば、その限界説の誤りとともに、公立病院の民営化路線の困難性は明瞭であります。以上の理由から本会計に反対するものです。

 次に認定第3号 下水道事業会計決算について、
 三井造船の下水道未接続における不透明な運営問題。また、今後の事業推進においても少子高齢、人口減少社会を踏まえた、より適切な事業計画への見直しが必要です。本会計の平成28年度末の企業債未償還残高は181億6千万円、一般会計からの下水道会計負担金7億円の会計規模であります。平成31年度以降においても市民に負担を押しつける下水道料金の値上げを見込むことなく、料金の現状維持を続けるため、住民目線での一層の行財政改革が強く求められており、この点から決算認定に反対するものです。

次に認定第4号 一般会計決算については、平成28年3月議会の一般会計予算の反対討論でも述べていますので、簡潔に要点のみの討論とします。
まず、議会費における議員の個人視察費は、年間一人20万円の予算は県内類似都市などと比較しても多すぎます。議会改革の一環として、削減し見直すよう求めます。
「たまの創生総合戦略」、中心市街地活性化対策事業など、アベノミクスのローカル版として、問題点も多くあり、玉野市の実情に即した効果的な計画に見直しすることが必要です。玉野版シーシーアルシー構想についても、民間が所有する中核エリアの開発事業への支援が中心であり、市内の全中小企業・小規事業者への支援策ではありません。さらに、中心部に偏った活性化ではなく、市内全地域を視野に入れた地域振興を展開すべきであり、これら事業は問題点が多く、賛成できません。また、中心市街地活性化事業として国から約1億円の補助金を受けた飲食企業の倒産など、解明すべき問題が残されています。
 また、瀬戸内国際芸術祭関連費として、全体で約1億円が支出されていますが、費用対効果の低い事業へ、財政難といいながら各駅のアート製作費などにムダづかいすることは許されません。
 教育費では、図書館・中央公民館のメルカ2階への整備移転に約6億円を支出しています。総務文教委員会での決算審査の際に設計監理委託料が高すぎことを指摘しましたが、この疑問点について十分な説明が得られていません。また、商業施設・メルカ建築物の耐震性、安全性について、本会議で指摘した1階南側の床にある数十か所にも及ぶ亀裂の原因について、明らかにされておらず、高潮による建物への浸水被害の影響はいまだに、一級建築士等の証明もなく、さらに、本年9月議会で要請していますが、耐震診断よりも安くつく、百万円程度でできる塩分調査の実施など、市民の安全性の確保に向けた重要な課題が残されています。
また、図書館等への入場者、来館者数が大きく増えたことを強調されていますが、その入場者カウントの問題点、音楽発表等に提供する研修室の音響効果の悪さなど、多くの苦情意見が出されており、サービスの質の低下、劣化は看過できない問題があります。引き続き、市民、市議会による評価、チェック体制の強化が求められます。
 何よりも玉野市総合計画の10年間の最終年である平成28年度末において、市政運営の根幹ともいえる財政運営は、経常収支比率の計画目標が改善どころか、県内都市のなかで最悪状況にあります。市財政運営における失政、失敗は明らかです。これは市民病院の経営改善計画を途中で投げ出し、民営化に舵を切ったように、市民病院の経営改善策の失政、失敗と同様に、黒田市政が初心に立ち返り、反省、検証すべき重大な問題であると言わざるを得ません。玉野市総合計画の検証、総括を早期に示されるよう求めておきます。

 次に認定第5号 国民健康保険事業特別会計決算
国保被保険者の状況は世帯数で9580世帯、15,356人の市民が加入する、国民皆保険のもとでの社会保障としての医療保険制度であります。法定軽減の2割から7割軽減の対象となる世帯が全体の6割を占め、加入世帯の年所得100万円未満までの世帯が、全世帯の62%という、低所得者層が多く、生活保護世帯並みの所得でも高い国保料が課せられています。それだけに、玉野市として高すぎる国保料に対して、可能な限り市民の負担を軽減する努力が求められます。しかし、国保会計は28年度決算で6億7千万円の黒字・繰越金と基金1千8百万円を合わせ、約6億9千6百万円ものお金を貯め込んでいます。市民からもらいすぎている国保料を1世帯当たり1万円引き下げても、9千5百万円の取り崩しで済み、それでも繰越金・基金は6億円を有することになります。国保料の軽減を求め、本会計決算に反対するものです。

認定第9号 介護保険事業特別会計決算について
平成28年度は介護給付費準備基金に1億6千万円が積み立てられた上に、黒字額2億9千5百万円を計上し、28年度末の基金は4億2千9百万円となっています。さらに、平成29年度に入って最終的に清算措置した後の余剰金を、9月議会の補正予算において、2億3千3百万円が基金に積み立てられ、現在の基金残高は実に6億6千3百万円となっています。第5期計画の終了時の平成26年度末の基金残高は2億5千6百万円ですから、第6期計画の2年間で4億円も基金をため込んだことになります。65歳以上の第1号被保険者数に対する要支援・要介護の認定数、認定率は、平成26年の4803人、認定率22.6%をピークに、減少し続け、平成29年9月末時点で認定者数は455人も減少し、認定率は19.7%と2.9ポイントも減少しています。高齢者数はこの3年間で751人増加しているにもかかわらず、認定者数は大きく減少している異常な状況です。また、27年度、28年度の保険給付費は計画数値から大幅に減少し、その差額は14億円にものぼっています。介護認定調査のおける課題・問題点、保険給付費見込みの問題点は明らかです。第7期介護保険事業計画策定に向けて、市民、利用者の立場に立った事業推進へ、適正に是正されるよう求めるものです。

認定第10号 後期高齢者医療事業特別会計決算
 75才以上の被保険者数10,752人、1人当たりの保険料は年68,954円になります。28年度から保険料が引き上げられ、2年ごとの値上げ検討の仕組み上来年度、平成30年度から、また、値上げされることになります。低所得層を中心に後期高齢者医療保険の保険料負担は、市民の負担限度を超えるものと考えます。75才以上の高齢者を別枠に囲い込み、高齢者を差別する医療制度のもとで、高い保険料負担を強いる制度には反対するものです。
以上、6会計決算に反対する討論を終わります。