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てらまち・ねっと



 12月15日ブログで、「消防団」は今年は各地で問題が問われている、として幾つかを整理して記録した(下記にリンク、項目を再掲)。
 それ以外にも、社会問題として整理が進められている。とても貴重な報道、調査ばかりなのできちっと記録しておくことにする。

●幽霊消防団員 内部告発で活動禁止や嫌がらせの報復受けたケースも/毎日 2018年12月17日
 
●伊賀市消防団 個人口座を不適切管理/伊賀 2018年7月15日
●県が29市町に注意喚起 伊賀市消防団 個人口座の不適切管理問題/伊賀 2018年8月10日

●消防団運営“火の車” 団員報酬「受け取ったことない」証言も 「飲み会、旅行費用に」の声も/西日本 2018年09月25日
●消防団員への報酬 24市町村が分団一括支給 消防庁「本人へ」/上毛 2018/09/27

●消防団員 無活動1548人、報償7900万円 県都で/毎日 2018年11月11日
●<道府県庁所在地>消防団報酬支給4割違反 分団口座に一括/毎日 11/13

なお、昨日12月26日の私のブログへのネットのアクセス情報は「閲覧数3,742 訪問者数1,167」。

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12月15日ブログで ◆消防団員の報酬、分団が全額徴収 総務省が警告/報酬全額徴収を廃止(神戸)/活動実績ない団員に報酬/分団長、330万円着服/支給品を私物化
●消防団員の報酬、分団が全額徴収 総務省が警告 神戸/神戸 2018/4/25

●活動実績ない消防団員に報酬 岡山市が348人に1460万円/サンスポ  2018年05月13日
●岡山市消防団が分団実態調査公表 7割が通知に反し報酬一括管理/サンスポ 2018年05月23日

●消防分団長、330万円着服 活動費流用 中央市と山梨県、懲戒免職に/産経 2017.6.24
●どうなってるの?消防団報酬 兵庫県内外から批判続々/神戸 2018/5/25
●支給品を私物化 消防局職員2人を懲戒免職 1人は自殺/神戸 2018/9/13
●神戸市消防団 全225分団で報酬全額徴収を廃止/神戸 2018/10/3

●幽霊消防団員 内部告発で活動禁止や嫌がらせの報復受けたケースも 
          毎日 2018年12月17日
「報酬は飲み代や風俗遊び、宴会にコンパニオンを呼ぶ費用」?

 消火活動の実績がない消防団員に道府県庁所在地の7割の自治体が報酬(最大年5万円)を支払うなどしていた問題で、全国各地の消防団で報酬が遊興費などに流用されている実態が浮かび上がった。毎日新聞の一連の報道後、多くの現役消防団員から「告発」の電話やメールが寄せられた。一方で、「幽霊団員」や水増し請求の問題を内部告発したが、うやむやにされた上、活動禁止や嫌がらせの報復措置を受けたケースもあった。

 「飲み会の資金が減るから、幽霊団員を放置している。公金の意識が全くない」。毎日新聞にメールを寄せた東京都大田区の自営業の男性(70)はそう憤る。

 大田区の消防団の分団で班長をしている。14年前から消防団員だが、長年疑問に感じることがあった。辞めたはずの団員が名簿に載っていることだ。一方、都から報酬や手当が振り込まれる団員の個人口座は分団が一括管理し、飲み会や旅行の費用に使われてきた。

 毎日新聞が今年5月、長期間活動していない消防団員が岡山市に多数いることを報じると、男性は所属分団(約40人)の調査を始めた。出勤名簿や団員の証言から、3年以上活動していない団員が3人いることを突き止めた。うち1人は10年以上無活動だった。分団や東京消防庁に質問状を提出した。

 ところが、逆に分団から一般団員への降格を言い渡され、反省文の提出と自主退団を求められた。分団長は取材に対し、処分理由について「消防団は階級社会。勝手に動いてメンツを潰したから」と話した。活動していない消防団員には出動を促しているとし、「団員数が定員の8割を切るのはまずいので、ずるずるきてしまった」と弁明した。ただ、取材後に降格処分は撤回され、男性は年度内の活動禁止と来年度から別の団に移ることを言い渡された。

 東京消防庁は「1年以上活動していない団員は退団を促すこともあり、分団に適宜指導している」とコメントした。
 三重県四日市市の60代団員は5年ほど前、消火活動などに参加する団員数を分団が水増ししていることを知り、告発した。出動が多ければ、多くの手当が支給される。市は調査に入り、水増しの事実を確認。報酬の振り込みを従来の分団口座から個人口座に切り替えた。

 ところが告発後、分団幹部に足を踏まれるなどの嫌がらせが始まった。この分団では、今も団員の個人口座の管理を続けている。この団員は「消防団はあまりにも低レベルで、行政は事なかれ主義。何も解決していない」と語気を強めた。【高橋祐貴】

寄せられた他の意見・感想
 職場の上司から「名前だけでいい」と誘われて入団した。報酬や手当が振り込まれる口座を作ったが、通帳やカードを団に取り上げられた。報酬は飲み代や風俗遊び、宴会にコンパニオンを呼ぶ費用に使われていると聞き、嫌な思いをしている。=神奈川県大和市の30代男性
 
 数年前に入団し、報酬が振り込まれる口座の通帳と印鑑を分団に預けさせられた。幽霊団員は団の3分の1くらいいて、報酬や手当は消防団の遊び代や飲み代になっている。退団を申し出たが、3年くらい認めてもらえなかった。消防団は一部の既得権益になっていて、社会的意義を感じられない。=東京都中央区の40代元団員

 退団すると地域や職場で「村八分」にされる恐れがあり、辞めたい人は「幽霊団員」にならざるを得ない。年配の消防団員が甘い蜜を吸い続けている。公務員が団員を務めている例も多く、相談する場所がない。=栃木県大田原市の男性

 うちの消防団にも活動に参加せず、勤続年数だけが伸びる「ペーパー消防団員」がいる。報酬はプールされて飲み代に使われ、多く飲んだ者が得をするゆがんだ状況。仕事やプライベートよりも訓練を優先しなければならないことも多く、消防団の活動の在り方に疑問を抱いている。=山形県遊佐町の団員

 阪神大震災がきっかけで消防団に入り2年間活動したが、飲み会ばかり。消防団に所属する議員の政策を訴えるはがきが届いたこともあった。後援会に問い合わせると、消防団の名簿が使われていた。=相模原市の50代男性

●伊賀市消防団 個人口座を不適切管理
    伊賀 2018年7月15日
団員報酬まとめて出金 把握後も本部黙認
 伊賀市消防団の一部で、団員報酬や出動手当として市から振り込まれる個人の預金口座を別の団員がまとめて管理し、通帳などから現金を引き出していることがわかった。各金融機関では犯罪行為など不正利用を防止するため、開設時の本人確認を厳正に行っており、原則として第三者による通帳やキャッシュカードの利用を認めていない。集めた金はそれぞれでプールし、活動費などに充てていた。
団本部は昨年11月の時点で不適切な活動費の徴収を把握していたが、「個人口座への入金後は関知できない」とし、黙認
している。

団員1115人の3割
 団員は市内居住の18歳以上が対象。4月1日現在で、女性部団(員)と支援団員を除く人数は10分団35部131班で計1115人。報酬は今年度から一部改正され、年額が団員1万5千円、班長2万4千円、部長2万8千円、最高額の団長9万円。出動時などの手当は1回または1日千円から4千円。YOUの調べで、そのうち報酬と手当の全額が通帳管理という対象者は少なくとも250人以上にのぼり、報酬分だけの大山田分団を含めると、350人に達する。

 内部資料によると、全額を通帳管理していたのは昭和の合併以前の旧村が概ね単位になる「部」が上野西、上野北、上野南、島ケ原の4分団に所属する6部。人数は1つの「部」で13人から53人。区が単位の「班」では伊賀と上野中の両分団に所属する4班で、各10人前後だった。徴収金額は人数の多い団体で年間100万円近くに及ぶ。

 問題発覚は、昨年の市議会9月定例会で報酬や手当を受け取ったことがないという団員の話が取り上げられたのがきっかけだった。奥伸也団長(59)は取材に対し「通帳管理について団本部として何も言えない。各部や各班の話」と答えた。

 団員は通帳管理をどう捉え、実態はどうなっているのか――。
 上野地区の幹部団員は所属する部で委任状を作成し、各団員に署名させた上で全員分の通帳を一括管理している。集めた活動費の一部について「火災発生や台風警戒時は長時間拘束される。個々で休憩時の食べ物や飲み物を買いに行くと困るので、まとめて購入している」と話す。

非常勤公務員の自覚 矛盾感じ葛藤も
 島ヶ原分団所属の元幹部団員は組織の再編時に通帳管理にするかどうか、皆で話し合って決めた。「各自で負担していた安全装備の費用全てを集めた活動費から充てるようにした。個人支給になる以前からの入団者も多いので、従来のように会計担当の団員に任せるほうがいいという意見が占めた」と説明した。

 伊賀分団所属の団員は同じ金融機関での口座開設を指定され、キャッシュカードの暗証番号が全員同じだと後から気付いた。活動の参加実績に応じて一部返金されたが、会計報告はなかったという。

 通帳管理以外にも、各団員から報酬や手当の一部を直接徴収するケースも多い。1万5千円から2万4千円の報酬分を活動費として毎年収めている上野地区の団員は「活動費から手袋などの安全装備や訓練時の飲料、慰労会費に使うことは納得している。通帳管理は非常識だと思う」。

振込通知書 渡されない人も
 取材を進める中、通帳管理をしている部に所属する団員のうち、口座への入金を知らせる市からの個人宛振込通知書を渡されていない人がいることもわかった。市は2007年4月から個人支給に切り替えている。

 この団員は上野地区の部に所属。地元地域で協力し合い守ってきた消防団活動に誇りを持って参加する一方、不適切な通帳管理を強いられることに矛盾を感じてきた。見直すべきだと思うが、先輩団員に面と向かって指摘できず、心の中で葛藤が続いている。

 所属する班では勧誘した新人団員に報酬や手当が支給されていること、部全体で管理し活動費として使っていることを説明するが、同じ部の別の班は説明していないという。「私は従来からの流れでこれが当たり前だと言い聞かせているが、非常勤公務員という自覚があり、新たに入団した人に通帳を預けろというのは心苦しい。違反行為という認識は持っている」と心の内を明かした。

 市出納室によると、団員報酬や手当の口座振込通知書は「慣例」で消防本部、消防団本部を通じて配られ、他は郵送と説明。会計管理者は通知書が届いていない団員の存在を知らなかった。市は経費削減で通知書の送付を17年度分で廃止し、現在の入金確認は通帳に担当課名を印字する方法に変更している。

●県が29市町に注意喚起 伊賀市消防団 個人口座の不適切管理問題
        伊賀 2018年8月10日
 伊賀市消防団の一部で、市から報酬や出動手当が振り込まれる個人の預金口座を別の団員がまとめて管理し、現金を引き出している問題で、県は県内29市町に適切な取り扱いの再徹底について注意喚起する文書を通知した。

 通知は県防災対策部消防・保安課長名で、7月24日付。消防団事務を担当する自治体や消防本部の担当課長に対し、報酬などが団員個人の勤務や職務遂行に対する給付であることを踏まえ、適切な対応を各分団に周知するよう求めている。

 伊賀市の消防団本部が不適切な活動費の徴収を把握したのが昨年11月。YOUの取材に対し、「個人口座への入金後は関知できない」と黙認を続けていたが、8月下旬の幹部会議で対応を協議する予定だという。

 名張市では、7月14日の記事掲載以降、消防本部が各分団長を通じて報酬や出動手当などの取り扱いを確認。市消防総務室によると、団員個人に振り込まれる口座の通帳を分団で管理するなど不適切な徴収はなかった。

 名張市消防団は9分団で455人(8月3日現在)。報酬は上下半期に分けて振り込まれ、年額が団員2万8500円、班長3万500円、部長3万1千円で最高額は団長の9万500円。出動手当は1回3300円。

●消防団運営“火の車” 団員報酬「受け取ったことない」証言も 「飲み会、旅行費用に」の声も
        西日本 2018年09月25日
 会社員や自営業など本業の傍ら、災害発生時に消火や救助活動を担う消防団。団員は非常勤特別職の地方公務員という立場で、自治体から報酬や出動手当が支払われる。ところが、福岡県内の複数の消防団員から「報酬を受け取ったことがない」という声が特命取材班に届いた。「団の飲み会や旅行に使われている」という証言もある。調べてみると-。

 「報酬は分団が全てプールしていて、何回出動しても、自分は一度も受け取っていない。誰が管理しているのかも知らされていません」。福岡都市圏の消防団分団に所属する団員は、無料通信アプリLINE(ライン)でそう訴えた。

 詳しく話を聞くと、飲み会や、2年に1回ほど海外に出かける「研修旅行」の代金は分団のプール金から。消火活動や器具の定期点検には参加しないのに、飲み会や旅行にだけ顔を出す団員もいるという。「報酬は元をたどれば税金なのに、地元の仲間と好き放題やっている」

 辞めたくても「代わりの人が入らないとダメ」と言われるという。「新しい人が入っても、退団は先延ばしにされている。辞められたら1人分の報酬が減ってしまうからでしょうね」

 別の地域の消防団員もメールを寄せ、「報酬が支払われないのは珍しくない。代々引き継がれたやり方で『金のことは言うな』という雰囲気さえあります」と打ち明けた。

 団員への報酬はそれぞれの市町村条例で規定。福岡市の場合、団員個人の口座に直接振り込む。一般的な団員の場合、年額3万6500円。出動ごとに原則7千円の手当が出る。入団する際に口座振替依頼書を記入し、各地域の分団を通じて市に提出する仕組みだ。

 福岡市消防局消防団課の木原秀樹課長は「団員個人の連絡先や勤務先と一緒に、口座番号もシステムに入力している。個人に支給されないということはありえない」と話す。

 実態はどうか。特命取材班は、福岡市の63の消防団分団にアンケートを行った。回答があった34分団のうち28分団では、団員個人に振り込まれた報酬・手当の全額もしくは一部を、分団がわざわざ徴収していた。

 理由は「分団の運営費用を賄えないから」という。どういうことか-。

消防団運営“火の車” 個人報酬徴収し「経費」に
 消防団員個人の口座に振り込まれる報酬の扱いを巡り、特命取材班が福岡市の63の消防団分団に行ったアンケートによると、「一部徴収して運営費に充てる」が最も多く、回答した34分団のうち19分団。全額徴収しているのは9分団あり、うち6分団は「余った分は返金する」、3分団は「返金はしない」と回答した。

 つまり、個人に支払われた報酬を何らかの形でプールしているのは、34分団の8割ほどに当たる28分団に上る。

祭り、自主訓練…手当なく
 記者が取材した東消防団西戸崎分団(団員約60人)では、団員の了承を得た上で個人の報酬・手当の全額をいったん集金し、訓練時のスポーツドリンクや、夜間の訓練時に使用する照明器具などの備品を購入する代金に充てている。その上で、本来より減額されることになるが、団員個人への報酬を出動回数と時間に応じて計算し、改めて渡しているという。

 大井手清美分団長(60)は言う。「手当の対象外である地域活動や自主的な訓練が多くなると、運営費が足りなくなるんです」

 分団の収入は、市から支給される年間一律約41万円の交付金が軸。消火器具や作業服の修繕費も出るほか、校区自治会からの助成金が得られる場合もある。

 それでも、全ての経費は賄えない。消防技術を競う操法大会に参加する際は訓練が増え、競技用手袋や靴の購入費用も膨らみ、飲み物代もかかる。地域の夏祭りや運動会の警備を依頼されることも多いが、市から必要経費や手当は出ない。

 大井手分団長は、過去の出納帳も見せてくれた。出動回数や各出費の状況を細かく記録しているようだ。「行政の決めたルール通りでは回らない。分団の実情に合うやり方で個人に還元するよう努力しています」

 本紙アンケートでも「手当の出ない夏祭りや運動会の警備に伴う運営費が必要」「分団員数が多くなると費用がかさむ」「地域の防災教室などにも参加すると、とても交付金のみでは運営できない」など、やりくりに苦労しているという記述が目立った。

「不透明と言われても仕方ない」
 消防庁は団員個人に報酬を支払うよう、各市町村の消防団に再三通知を出している。2013年の消防団等充実強化法の成立を機に、全市町村を対象に、条例で定める消防団員の年額報酬を調べたが、一部の自治体には条例すら存在しなかった。15年度中に全ての自治体で条例化されたという。

 とはいえ、報酬が団員個人に本当に支給されているかどうかは確認できていない。足りない運営費の穴埋めに、各団で報酬を徴収してプールしている実態は見過ごされている。「不透明と言われても仕方ない。流用など不正の温床になる懸念もある」と、福岡都市圏のある分団長は話す。

 同庁地域防災室の担当者は「消防団は自治的な組織なので、団員が了解した上で適切に管理してもらうしかない」と歯切れが悪い。

「封建的な慣習」に警鐘も
 「福岡市だけではなく、全国的な問題だ」と指摘するのは、関西大学社会安全学部の永田尚三准教授(消防行政)。「市町村が消防団を都合のいい労働力とみなしている側面もある。経費が支払われないまま、祭りの見回りなど本来業務を超えた仕事も慣習的に行われている」とし、団員報酬を運営費に充てることを単純に批判できないという。

 近年、豪雨や地震など災害が相次ぎ、地域の消防団の存在感は増しているが、高齢化などによる人手不足は深刻。特に若者離れが目立つ。永田准教授は「報酬の問題を含め、昔ながらの封建的な慣習が引き継がれていることが多く、若い人はそれを嫌う傾向が強い。時代に適応した仕組みに変えていかないと組織の維持ができなくなる」と警鐘を鳴らした。

●消防団員への報酬 24市町村が分団一括支給 消防庁「本人へ」
      上毛 2018/09/27
消防団員への報酬の支払い形式
 群馬県内24市町村が消防団員への報酬を本人に直接支払わず、分団に一括支給していることが26日、上毛新聞のまとめで分かった。消防庁は団員の待遇改善のため、本人に支払うよう求めているが、「事務負担の軽減」などを理由に一括支給している自治体が多い。報酬が団員の手に渡らず、分団が直接管理して懇親会費に使われているケースもあり、公費の使い道に透明性が求められそうだ。

◎懇親会費に使用「おかしい」/「事務負担の軽減」「慣例」…
 東毛地域のある消防団では、分団が年間計約200万円の団員報酬を一括管理し、多くが懇親会費や活動時の飲食代などに充てられているという。入団時に報酬の管理に関する委任状を書かされた30代の男性団員は、「酒の飲めない人や仕事で懇親会に出られない人もいるのに、おかしい」と疑問視する。

 高崎や藤岡など報酬を分団に一括支給する24市町村は、「分団からの要望」「事務負担の軽減」「過去からの慣例」などを理由に挙げる。報酬の管理を分団に任せるとの委任状の提出を各団員から受けている自治体もあった。

 沼田市のように分団から団員へと適切に報酬が支給されたか確認するため、全員分の受領印の提出を求めている例もあるが、使途を把握していない自治体も多いのが実態だ。

 ある自治体の担当者は「備品の購入や研修会の費用に充てられているようで、団員からの要望もあり、こちら側が事細かに管理するわけにもいかない」と打ち明ける。

 一方、消防団員の報酬を個人口座に直接振り込んでいるのは前橋、桐生、伊勢崎、渋川、富岡、みどりの6市のみ。桐生市の担当者は「分団にまとめて支払うと紛失リスクも高まる。確実に個人に支給できる形を取っている」と説明する。

 館林市と板倉、明和、千代田、邑楽の4町の消防団を管理する館林地区消防組合は、管轄の消防署で行う年2回の会議で団員に直接手渡ししているという。

 分団長に一括して支払っていた太田市は、今年12月の支払い分から、個人口座への支給に切り替える。

 消防庁は今年1月、全国の市町村に消防団員の確保に向けた重点取り組み事項を通知した。団員の処遇改善も求めており、報酬については「本人に支給されるべきもの」として適切な対応を呼び掛けている。

「『負担軽減』 通用しない」…高崎経済大の岩崎忠教授(地方自治論)の話
 消防団員の報酬に公費を充てる以上、事務負担の軽減や運営上の都合で、分団が報酬を管理するローカルルールは通用しない。報酬の行き先が不透明なら、自治体側も住民への説明責任を果たせていないことになる。報酬は報酬として、団員の個人口座に直接振り込み、確実に支給されるよう見直すべきだ。

 《消防団員への報酬》 非常勤特別職の地方公務員として災害発生時に消火や救助活動に当たる消防団員の報酬は、各市町村の条例で定められ、一般的な団員の場合、年間1~7万円ほど支給されている。このほか出動や訓練ごとに1回数千円の手当を支給している市町村もある。

●消防団員 無活動1548人、報償7900万円 県都で
     毎日 2018年11月11日
 東京都と大阪府を除く道府県庁所在地の45市のうち34市で2015~16年度、火災出動や訓練の活動実績がないのに報酬が支給された消防団員が、1548人いることが毎日新聞のアンケートで分かった。支払われた報酬総額は約7900万円。活動しないのに消防団に籍を置いている「幽霊団員」の可能性があり、専門家は実態把握の必要性を指摘する。

 アンケートは今年6~9月、消防団を置いていない大阪市を除き、道府県庁所在地45市の消防局・消防本部…

●<道府県庁所在地>消防団報酬支給4割違反 分団口座に一括
        毎日 11/13
 東京都と大阪府を除く道府県庁所在地の45市のうち18市が、消防庁の通知に反し、消防団員への報酬や手当を分団や分団長らの口座に一括で振り込んでいたことが毎日新聞のアンケートで分かった。近年、分団幹部が団員の報酬をプールして私的流用する事案が相次ぎ、消防庁は流用防止のため通知を発令していたが、各地で防止策が徹底されていない実態が浮き彫りになった。

 ◇不正流用の温床
 消防団員は特別職の地方公務員。活動実績に関わらず支給される報酬のほか、火災現場などへの出動に応じた手当も支払われる。金額は自治体が条例でそれぞれ定めている。

 従来、多くの自治体では消防団員に直接支給するのではなく、所属する分団や分団長にまとめて渡していた。しかし、実際には各消防団員に行き渡らず、分団の旅行や親睦会の費用に充てられるケースが少なくなく、中には分団幹部による私的流用も起きた。このため消防庁は2005~18年、報酬や手当を消防団員の口座に振り込むよう5回にわたり全国に通知を出した。通知に強制力はない。

 通知の順守状況について、毎日新聞は今年6~9月、消防団がない大阪市を除き、全国の道府県庁所在地45市の消防局・消防本部・一部事務組合などに尋ねたところ、盛岡、水戸、富山、甲府、津、鳥取、高松、佐賀などの18市の消防が通知に反し、分団や分団長らの口座に一括で振り込んでいた。

 これらの各消防は、報酬・手当の受領を分団に任せるとの委任状を消防団員から受け取っている▽各消防団員には分団などが個別に支給している--などと説明しているが、実際に各消防団員へ報酬や手当が渡ったかを確認している消防は少ない。

 通知を守っていなかった水戸市消防本部の担当者は「各消防団員には分団などから支給されており、各消防団員から受領印をもらって確認もしている。消防団側には『(一括振り込みでも)自分たちは不正をしない』という意識が強く、振込先の切り替えに理解が得られない」と話す。

 消防庁は「報酬や手当は、消防団員個人に支給するもの。委任状や受領印があったとしても、通知に沿って本人に支払うのが望ましい」としている。【高橋祐貴】

 ◆消防団で起きた報酬などの私的流用◆
処分年月    場所             概要
2012年6月 岐阜県大垣市  団員の報酬などを管理していた分団長が現金約186万円を私的流用。パチンコなどに使っていたといい、免職となった。

2013年9月 長崎県佐世保市 会計責任者だった副団長が、団員の報酬などを管理していた口座から現金約2230万円を横領し、懲戒免職。

2013年12月 北海道白老町  団員の手当が振り込まれる通帳を管理していた分団長が現金約380万円を使い込み、懲戒免職になった。

2017年6月 山梨県中央市  分団長が団員の報酬など現金約330万円を着服し、懲戒免職に。競輪などの借金返済に充てていた。


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