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てらまち・ねっと



 「婚外子差別は違憲」と最高裁大法廷で決定。
 過去に合憲としていたことを最高裁自ら、見直す決定。
 要因は時代の流れ。

 以前も問題を指摘していた最高裁、しかし、国会が法改正をしなかったことで今に継続。
 判決全文を見ると、すぐに改正されない場合のことも考えてか、妙にくどく説明してある。

 (東京新聞)⇒  決定によって、進行中の相続紛争なら、婚外子も同等に遺産相続できることになる。
   最高裁の調査によると、全国の家裁で継続中の調停や審判のうち、婚外子に関わるのは昨年末現在、全体の1・6%の百七十六件。


 ともかく、政府は、速やかな改正を表明。
 でも、運動している人たちは、まだ残る差別を指摘する。
 ・・・ということで、判決全文にリンクし、他の意見も記録。

 ところで、昨日午後、名古屋高裁であった住民訴訟のラウンドテーブル。
 岐阜地裁は、こちらの証拠調べの手続きの申し立てを一切認めず、「必要性なし」として2度も却下した、被告側は「岐阜県」の事件。

 こちらは控訴し、高裁でも、まったく同様の申し立てをしていた。

  昨日、高裁の裁判長は、「積極的に考えている。ついては、返還請求と直接関係のない相手方は不要なので、整理を急いでくれ。」(そしたら、命令しましょう、の意味)の旨を明らかにした。

    「やった、ね!!」   ・・・・面白くなってきた。

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 最高裁判所         最高裁判例
平成24(ク)984 遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件  
平成25年09月04日 最高裁判所大法廷 決定 破棄差戻し 東京高等裁判所

事件番号 平成24(ク)984
事件名 遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
裁判年月日 平成25年09月04日
法廷名 最高裁判所大法廷 裁判種別 決定
結果 破棄差戻し 判例集等巻・号・頁 
原審裁判所名 東京高等裁判所 原審事件番号 平成24(ラ)955 原審裁判年月日 平成24年06月22日

判示事項  裁判要旨 1 民法900条4号ただし書前段の規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していた

2 本決定の違憲判断は,平成13年7月当時から本決定までの間に開始された他の相続につき,
民法900条4号ただし書前段の規定を前提としてされた遺産分割審判等の裁判,遺産分割協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼさない

   全文

主 文
原決定を破棄する。
本件を東京高等裁判所に差し戻す。

・・・・
そして,法律婚という制度自体は我が国に定着しているとして
も,上記のような認識の変化に伴い,上記制度の下で父母が婚姻関係になかったと
いう,子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に
不利益を及ぼすことは許されず,子を個人として尊重し,その権利を保障すべきで
あるという考えが確立されてきているものということができる。

以上を総合すれば,遅くともAの相続が開始した平成13年7月当時において
は,立法府の裁量権を考慮しても,嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する
合理的な根拠は失われていたというべきである。


したがって,本件規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1
項に違反していたものというべきである。

・・・

裁判官・・の補足意見・・・・

以上の観点からすると,既に関係者間において裁判,合意等により確定的なもの
となったといえる法律関係までをも現時点で覆すことは相当ではないが,関係者間
の法律関係がそのような段階に至っていない事案であれば,本決定により違憲無効
とされた本件規定の適用を排除した上で法律関係を確定的なものとするのが相当で
あるといえる。

相続の開始により直ちに本件規定の定める相続分割合による分割がされたもの
として法律関係が確定的なものとなったとみることは相当ではなく
,その後の関係
者間での裁判の終局,明示又は黙示の合意の成立等により上記規定を改めて適用す
る必要がない状態となったといえる場合に初めて,法律関係が確定的なものとなっ
たとみるのが相当である。

,最高裁判所
の違憲判断といえども,違憲とされた規定を一般的に無効とする効力がないから,
立法により当該規定が削除ないし改正されない限り,他の事件を担当する裁判所
は,当該規定の存在を前提として,改めて憲法判断をしなければならない。
個別的
効力説における違憲判断は,他の事件に対しては,先例としての事実上の拘束性し
か有しないのである。

とはいえ,遅くとも本件の相続開始当時には本件規定は憲法
14条1項に違反するに至っていた旨の判断が最高裁判所においてされた以上,法
の平等な適用という観点からは,それ以降の相続開始に係る他の事件を担当する裁
判所は,同判断に従って本件規定を違憲と判断するのが相当であることになる。

その意味において,本決定の違憲判断の効果は,遡及するのが原則である。
・・・

●婚外子相続差別は違憲 最高裁初判断 家族の多様化考慮
            (東京新聞)2013年9月5日 07時12分
 結婚していない男女間に生まれた婚外子の遺産相続が、結婚した夫婦の子の半分とした民法規定が憲法に反するかどうかが争われた裁判の特別抗告審の決定で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允(ひろのぶ)長官)は四日、「憲法一四条が保障する法の下の平等に反する」として、規定を違憲とする初判断を示した。

 最高裁が法律の規定を違憲と判断したのは、婚外子の国籍取得をめぐる二〇〇八年六月の国籍法判決以来、戦後九件目で、民法では初めて。明治時代から百十五年続く民法の規定は改正を迫られる。

 決定を受け、政府は早ければ秋の臨時国会で民法改正を目指す。

 決定は、十四裁判官による全員一致の意見。法務省民事局長を務めた経験がある寺田逸郎(いつろう)判事は加わらなかった。

 大法廷は決定理由で、「家族形態の多様化や国民意識の変化などを考慮すると、子にとって選択の余地がない理由で、不利益を及ぼすことは許されない」との判断を示した。

 その上で、今回決定を出した二件の裁判のうち、先に死亡した東京都の男性の相続開始時である〇一年七月には遅くとも、規定が憲法に違反していたと認定した。

 決定によって、進行中の相続紛争なら、婚外子も同等に遺産相続できることになる。
最高裁の調査によると、全国の家裁で継続中の調停や審判のうち、婚外子に関わるのは昨年末現在、全体の1・6%の百七十六件。


 一方、〇一年七月以降で既に解決した遺産相続について、法的安定性に配慮し、今回の違憲判断は影響せず、相続内容を覆すことは相当でないとした。

 今回争われたのは、〇一年七月に死亡した東京都の男性と、同年十一月に死亡した和歌山県の男性の遺産分割をめぐる家事審判。各一、二審は規定を合憲とし、婚外子側が最高裁に特別抗告した。

 最高裁は今年二月、二件を第一小法廷から大法廷に移す「回付」を決定。大法廷は判例変更の場合などに開かれるため、違憲判断の可能性が高いとみられていた。今回の決定で、審理は東京、大阪両高裁に差し戻される。

 大法廷は一九九五年、賛成十人、反対五人で規定を合憲と判断していた。

 <婚外子> 事実婚など法律上の結婚をしていない男女の子ども。民法は結婚している夫婦の子どもを嫡出子(ちゃくしゅつし)と規定し、婚外子は非嫡出子とも呼ばれる。婚外子は1990年の1万3000人から2011年は2万3000人に増加。出生数に占める割合も1・1%から2・2%に上昇した。相続については民法900条4号ただし書きで「嫡出でない子の相続分は嫡出子の2分の1とする」と規定。親が遺言を残した場合は、遺言の内容が優先される。

●家族観の変化重視、「個人の尊厳」優先 婚外子差別は違憲
         日経 2013/9/5 1:32
115年続いた婚外子(非嫡出子)の相続差別がようやく解消された。最高裁は4日、国民の家族観が多様化している現状を重視し、格差を定めた民法の規定を違憲と判断した。
先進各国が「個人の尊厳」を優先して、結婚や家族を巡る諸制度の見直しを進める中、日本でも同様の議論が盛り上がる可能性もある。

 厚生労働省の人口動態統計によると、全出生数に婚外子が占める割合は1995年の1.2%から2011年は2.2%まで増加。最近では毎年2万人以上が婚外子として生まれている。

■95年には合憲
 最高裁は4日の決定で「婚外子の増加のほか、晩婚化や非婚化、少子化、子を持つ夫婦の離婚の増加などで、結婚や家族の在り方、それに対する国民の意識が大きく多様化した」と指摘。社会の変化の一つ一つは違憲の決定打にならなくても、総合的に判断すれば「家族という共同体の中で、個人の尊重が明確に認識されてきたのは明らかだ」と明言した。

 95年に大法廷が合憲と判断して以降、最高裁は小法廷でも合憲の判例を積み重ねてきた。ただ毎回反対意見が付き、4日の決定は「(最近は)合憲の結論をかろうじて維持していた」「相続制度の合理性は時代とともに変遷する」と指摘。社会の変化が歴史的な判例変更を後押ししたとの見方を示した。

 もともと1898年施行の明治民法で婚外子差別が導入されたのは、法律婚を重視する家族制度が根底にあったためだ。欧米でも宗教上の理由で、かつては婚外子への根強い差別があった。

■他制度に影響も
 その後欧米では事実婚の増加などから、60年代以降に差別撤廃が進んだ。韓国や社会主義の中国にも区別はなく、主要先進国で規定が残るのは日本だけ。国連はこれまでに計10回、日本に是正を求める勧告をしており、いわば外堀も埋められた形になっていた。

 家族制度を巡っては近年、夫婦別姓制度や同性婚の是非、女性に限って離婚後180日間の再婚を禁じた規定の合理性などが議論になっている。いずれも賛否両論の対立が解けておらず、制度改正に向けた手続きは膠着したままだ。

 最高裁が今回、日本社会で個人の尊重が進んでいると明確に指摘し、社会情勢や国民感情の変化と照らして法律の合理性を吟味したことは、こうした状況に一石を投じる可能性がある。個の尊重と旧来の社会制度との折り合いをどうつけるのか、改めて議論が活発になりそうだ。

●残る「差別」 出生届けにチェック欄 寡婦控除は適用除外
            
2013.9.4 23:45 (1/2ページ)
 婚外子については、相続のほかに住民票や戸籍の記載など、多くの場面で「嫡出子か否か」という区別が行われてきた。「差別にあたる」という訴えを受け、一部で是正も進んでいる。

 かつては、住民票では嫡出子が「長男」などと記載されるのに対し、婚外子は「子」と記載。戸籍では嫡出子が「長男」、婚外子が「男」と記載されていた。いずれも記載の撤廃を求める裁判などを契機に、住民票は平成7年に「子」に、戸籍は16年に「長男」などに記載が統一。一方、出生届では今も「嫡出子」「嫡出でない子」というチェック欄が設けられている。

 訴訟の元原告、田中須美子さんは「民法が相続分に差を設けていることを理由に、こうした差別的記載による区別が正当化されてきた」と振り返る。

 一方、同じ母子家庭でも、婚姻歴の有無で経済的負担に大きな差が生じるのが「寡(か)婦(ふ)控除」だ。もともとは戦争で夫を失った母子家庭を支える趣旨で導入された制度で、所得から27万円か35万円を控除するというものだが、母に結婚歴がない場合は適用されない。

 適用がなければ、所得税だけでなく、国民健康保険料や保育料も負担が重くなり、年収200万円で年間約20万円の負担増になるケースもあるという。

母子世帯のうち「離婚」が80・8%を占める一方、「未婚」の割合は7・8%で、「死別」の7・5%を上回った。
また、平均年間就労収入をみると、未婚世帯は160万円と、死別世帯の256万円、離婚世帯の176万円を下回る。


 NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子理事長は「統計的にも収入の少ない非婚の母に寡婦控除を適用しないことでさらに不利な状況に追い込んでいる」と指摘する。

 日本弁護士連合会は今年1月、非婚の母にも寡婦控除を「みなし適用」するよう求める要望書を東京都などに提出。千葉市や那覇市など「みなし適用」を導入する自治体はあるが、まだ一部だ。赤石理事長は「負担が増えてギリギリの生活になれば子供が育つ環境も劣悪になりかねない。子供の視点に立って平等な扱いをすべきだ」としている。

 NPO法人「民法改正情報ネットワーク」の坂本洋子理事長は「婚外子差別の象徴的問題である相続格差がなくなることで、出生届や寡婦控除などの現状も変わっていってほしい」と期待を込める。

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