思えば、昨年の6月から作り始めて、途中で投げ出してもう完成はしないんだろうか?と思う時もありましたが、完璧なものを作ろうと頑張るのを止めて完成すればいいや、って気持ちで再開しましたら、多少の失敗も気にすることもなく進められて、ようやく完成へ漕ぎ着けました。
実車は、ガスタービン・エンジンを搭載しアメリカのインディなどで一応の成功を収めたロータス56をF1向けに改造したマシンで、ノンタイトル戦を含め数レースに投入されましたがF1特有のコーナーの多いレースには不向きだったようで、目立った成果は上げられずこの年のみで消えていきF1マシンとしては失敗作だったと言える車です。
ただ、F1界へ次々と新しいアイデアを持ち込んだロータスの生みの親、コーリン・チャップマンの意欲作として様々な名車と並んで語り継がれる存在でもあります。
また、F1にはアイデアだけではなかなかチャレンジできない敷居の高さもあって決勝レースまで走った珍車は意外と少ないもの。その中でティレルの6輪車、ブラバムのファン・カーに次ぐ珍しいマシンと言えるんじゃないでしょうか?
模型として見ても、レシプロ以外のエンジンを積んだF1マシンはほかにないだけに、エンジンまで再現して作るにはもってこいの素材。ウェッジの効いたノーズ、4輪駆動のため4本とも同サイズのタイヤ、ラジエターが不要のためF1特有の張り出しのないボディーなど外観にも特徴があり面白いんですが、やはりこのマシンを作るならエンジンですよ。
普段はスキルの問題もあってフルディティール・モデルは作らない私ですが、タメオからこのキットが発売されたので初めての挑戦となりました。
フルディティールは作らないと書きましたが、F1にはエンジンむき出しのマシンもたくさんあって、そうゆうのは作ったことがあるのでそれほど苦労もしないだろう…とたかをくくっていましたが、タメオのフル・ディティールはパーツの細かさなどが一段違います。正直言って自分のスキルでは全てのパーツを生かすことは出来ませんでした。
それでもやれるところまではやって、出来ないところは放置して進めても模型は完成します。
完璧ということは絶対にないはずだし、同じように全然ダメということも、絶対にないのです。
作っている途中は、自分にはフル・ディティールは向かない、もう作らない!なんて思い始めてましたが、今完成してみて、また作ってみたいと思えるようになりました。
人間、苦労した記憶は忘れてしまうものなんですかね。
目指したのはエンジンなどの内蔵物の精密さを表現しながらも、カウルを閉めたら隙間もキッチリ、スタイルばっちりの完成品でしたが、残念ながらノーズは常に調整して隙間が開かないように気をつけたつもりでしたが、最終的には隙間が出来てしまいました。
ボディー・カウルも最初は合っていたと思ったんだけど、メーターやエア・ダクトなどを取り付けて閉めてみると合わなくなりました。調整にも限界があるので、あくまでもオープン状態が完成形だと思い直すことにして、閉めた状態での美しさは諦めました…。
画像撮影の時はなるべく隙間が目立たないようにしておきましたが、放っておくとだんだんズレてきます…ピンなどを使って、ズレないような工夫をすべきだったかも知れませんね。
それも、高いスキルが要求されそうな作業なんですが…。
エンジンには特にディティール・アップはしていません。そもそもがシンプルな外観のエンジンなもので、それほどすることもないんです。
メーター裏の配線などは、実車はかなりゴチャゴチャしてますから正確に再現しようとするとこのサイズではうるさくなり過ぎだし無理もあるので、正確さは二の次で「それなり」に見えるように適当に線を這わせてます。
フロント・セクションはディテール・アップを途中で諦めました。フレームが邪魔して、作業しずらいもんでww
実は、まだエンジンを1基作れるだけのパーツが残っていて、降ろしたエンジンだけを展示できるようになっているんですが、今回は作りませんでした。
でも、もったいないのでそのうち作ってやろうと思ってます。
今回、自然光でも撮影してみました。板の上で撮ってるのがそうです。
普段は蛍光灯で撮ってるので、ちょっと雰囲気変えてみようと思いまして。
でも陰影が強くなり過ぎるので良し悪しですね。どうでしょうか?