43マイクロワールド

1/43スケールのカーモデルキットの製作を中心に、模型の話・レースの話・クルマの話・なぜかサッカーや映画の話題など。

シトロエンDS19

2008-01-12 | CITROEN DS19

ネットイベントの「年越し・作り初めモデリング」で、1週間で作ったシトロエンDSです。実質製作時間は10時間ぐらいでしょうか?
出来はそれなりですけど、せっかくなので画像晒しときます。
(イベント参加時の製作記は、こちら。

実車は1955年に発表された時、「未来から来たクルマ」と形容されるほど斬新なスタイリングとメカニズムで注目されました。
発表と同時に大人気となり、派生型も含めて20年にわたって生産され続けた、20世紀を代表するクルマのひとつだと思います。


全長5メートル近い、流れるようなボディーラインは宇宙船に例えられたりしました。


メカニズムも斬新で、金属の代わりに空気をバネにしたハイドロマチック・サスペンションという足回りを装備していました。今でこそエア・サスペンションは珍しくありませんが、当時としては画期的システム。
コントロールによって反発力を変えたり、車体を常に水平に保つ機能も備えていたらしいです。

こーんなイメージで宣伝してましたw


前輪駆動方式、パワーステアリング、サーボ・ブレーキなんかも、当時としては斬新だったんでしょうね。

カテゴリーとしては乗り心地重視の高級車という事になり、歴代フランス大統領にも愛用されたクルマなんですが、意外にもモータースポーツにも進出していて、59年のモンテカルロ・ラリーで優勝しているほかラリーを中心に長年活躍したようです。

また、古いフランス映画には当たり前のように登場しますし、今となってはレトロ感たっぷりのスタイリングはアート感覚でデザインに取り入れられたりして、誰にでも親しみのあるクルマなんじゃないでしょうか。

さて、エレールのキットですが残念ながらあまりおススメできるアイテムではないですね…
DSの最大の魅力であるスタイリングがイマイチ控えめ過ぎるんですね。
フロントフェンダーからドアにかけてのラインなんか、もっとグラマラスでもいいような気がするし、リアの落ち込み具合もちょっと足りない。後半部分もボリューム不足なのかな…正確なのかも知れないけど、自分のDSのイメージとはちょっと違う感じでした。


特にリアウィンドー、実車はトランクのラインから連続してルーフに潜り込むような感じなんですが、キットは逆でルーフとの段差が少なくトランク前端に深く入る感じ。これだとウインドーも立ち気味になって雰囲気が違うしクリアパーツの厚みのせいもあって、ウインドーが飛び出してるようにすら見えてしまいます。

仕方がないのでヒートプレスで自作しつつフィッティングして行きましたが今回は時間をかけない作り方が前提だったので徹底できず、塗装後合わせてみたら隙間ができる始末で、トランク前端にモールを貼って隙間を埋めたりしました。

また、ホイールカバーやバンパーやルーフ周囲のモールなど、メッキパーツにしておいてくれたほうが良かったと思えます。
カーモデラーには、パーティングラインの処理などのせいでメッキパーツは人気ないですけどエレールの43はエントリークラスのキットだと言うことを考えると、メッキ表現は施工済みのほうがありがたいですよね。
私も、メッキ表現できる塗料なんて持ってないので、缶スプレーで済ませました。

あと、Cピラーの波板模様がなかったり、ウインカーがデカール表現なのも残念。
ウインカーは自作してみましたが、実はセンターピラーに何やらランプがついていて、本来これがウインカーの役目を果たすのかなと…
フェンダーにつくウインカーはデザイナーの意に反する、妥協の結果のような気がしたので、あえて付けませんでした。
ドアノブはモールドですが、本来なら削り取って自作なんですが、今回は時間節約のため塗り分け。でも、ここは時間かけても自作後付けにすべきでした。仕上がり後の目立ち方が大き過ぎました。

フロントやサイドのウインドーも分厚すぎるし合いも良くないので作り直しましたが、サイドは透明シートをペタッと貼っただけなので、気が付いたら隙間いっぱい開いてたw
逆にフロントウインドーはボンネットと少し隙間がないといけないのですが、接着剤が隙間を埋めてしまいました。
ワイパーは簡単なエッチングパーツを持ってきて貼ってます。本来、あんまり見えない筈なんですが隙間がなくて隠せませんでした!



タイヤハウス内側のバルクヘッドがなくて、向こうが丸見えなのはエレールのお約束。幸いリアタイヤはフェンダーに覆われているので、前輪側のみの処理で済みましたが、組んでみたらまだ足りなくてフェンダーの内側から室内が見えますorz
トレッドがびっくりするくらい狭いですけど、当時はこれが普通だったんですよん。

色に関しては、今回は遊び心を強く持って、普段使わないような変わった色にしてみたかったのと、塗装を速く済ませるためにメタリック系にしたかったのでこうゆう色になりました。


半埋め込み式のヘッドライト、この頃は純粋なレーシングカーぐらいしか採用していなかったので、これも斬新ですよね。フェラーリですら、50年代にはまだこんなスマートなノーズじゃなかったのだ!
上から見ると丸いノーズ。なんでも、縦列駐車で前方に障害物があっても後退することなく脱出できるそうな。ホントかな?
ノーズのデカールは貼っておいたら知らないうちに剥がれて紛失、ジャンクから文字を拾ってきて貼り直しましたw

そんなこんなで、イベント参加の早作りでしたがどうにか完成してホッとしてます。正直、こんなに手が掛かるとは思ってなかったですよ、最近はエレールの良いキットに当たってましたから…
それでも、ちゃんと研ぎ出ししてピカピカに出来たのが良かったです。
研ぎ出しが苦手な自分ですが、デカールがない分ラクだったかも知れません。

DSは、普段作っているレーシングカーなどとは違う次元で好きなクルマだったんですが、今回作ってみてまた好きになりましたね。
本当は後期型の釣り目のDSのほうが好きなんで、また機会があったら作りたいです。どっかからいいキット出てないですかね?






(写真:エレール1/43 シトロエンDS19 1959)