SOUND AVENUE 905 Motoharu Radio Show #23

2016年03月09日 | Motoharu Radio Show

2016/03/08 OnAir - 2nd. Week - 「ザ・バーン」特集
01.Counting Crows:Daylight Fading
02.The Wallflowers:6th Avenue Heartache
03.Uncle Tupelo:The Long Cut
04.Wilco:Far, Far Away
05.Son Volt:Cemetery Savior
06.佐野元春 and The Hobo King Band:風の手のひらの上
07.佐野元春 and The Hobo King Band:誰も気にしちゃいない
08.佐野元春 and The Hobo King Band:ヤング・フォーエバー
09.佐野元春 and The Hobo King Band:ヘイ・ラ・ラ
10.佐野元春 and The Hobo King Band:ロックンロール・ハート
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。今週もやってきましたMotoharu Radio Show。待っていてくれたみなさん、どうもありがとう。番組前半はオルタナティヴ・カントリーの名曲集。そしてシリーズ「佐野元春'90年代アルバム特集」。今夜は1997年に出したアルバム『THE BARN』からの曲を最新リマスタリングで紹介します。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。

・Daylight Fading
番組前半はオルタナティヴ・カントリーの名曲集。1曲目はカウンティング・クロウズ、1996年のレコード「Daylight Fading」。

・6th Avenue Heartache
ボブ・ディランの息子ジェイコブ・ディランのバンド、ウォール・フラワーズの1996年のレコド「6th Avenue Heartache」。

佐野元春 : カントリー・ミュージックというと日本ではあまり馴染みがありません。しかし米国ではカントリー・ミュージックというと自分たちの音楽だという、そんな思いがあると思います。日々の生活に根ざした歌ですね。アメリカ人がいちばんよく聴いてる音楽。それがカントリー・ミュージックです。そのカントリー・ミュージックは歴史の中でロック、ポップ、ジャズ、そしてブルースといった他のいろいろなジャンルの音楽と混ざり合って、今でも発展しています。中でもオルタナティヴ・カントリーと呼ばれたジャンル。'70年代のカントリー・ロック、そして'80年代のパンク・ロックを通ってきた新しい世代のカントリー・ミュージックが'90年代に出てきました。今夜のMotoharu Radio Show、番組前半はそんなオルタナティヴ・カントリーの名曲を聴いてみます。オルタナティヴ・カントリーというとまず聴いてみたいのはこのバンドですね。アンクル・テュペロ。後にサン・ボルトというバンドを組むジェイ・ファラー、そして後にウィルコを結成するジェフ・トゥイーディー。この二人がいたバンドです。ではそのアンクル・テュペロの曲、さっそく聴いてみたいと思います。1993年のレコードから曲は「The Long Cut」。

・The Long Cut

佐野元春 : Motoharu Radio Show、番組前半はオルタナティヴ・カントリーの名曲を集めています。今聴いたアンクル・テュペロ。オルタナティヴ・カントリーというかたちを最初に見せたバンドだと言われています。そしてこのアンクル・テュペロからはふたつのバンドが生まれます。ひとつはジェイ・ファラーが作ったサン・ボルト。そしてもうひとつはジェフ・トゥイーディーが作ったウィルコです。どちらも演奏力の高い素晴らしいバンドです。特にウィルコ。個人的にはソングライターのジェフ・トゥイーディーの曲が好きですね。ブライアン・ウィルソンやジョン・レノンから影響を受けたということ。実験的なサウンドの中にもポップなひらめきがあって聴いていてとても楽しいです。ではここでバンド、アンクル・テュペロから別れたふたつのバンド、ウィルコ、そしてサン・ボルト。それぞれのレコードを聴いてみます。ウィルコ、「Far, Far Away」。そしてサン・ボルト「Cemetery Savior」。2曲続きます。

・Far, Far Away
・Cemetery Savior

佐野元春 : さて番組ではここのところ毎週シリーズで僕のアルバムを特集させてもらっています。題して「佐野元春'90年代レコード特集」。自分の場合、代表的は何かと言われれば'80年代の「SOMEDAY」それから「アンジェリーナ」になると思います。しかしソングライターとして充実してきたなと自分が思うのはやはり'90年代の曲にあります。振り返って僕が'90年代に出したスタジオ・アルバムは全部で6枚。『TIME OUT!』、『sweet16』、『THE CIRCLE』、『FRUITS』、『THE BARN』、そして『Stones and Eggs』。番組では毎週、それぞれ一枚のアルバムを取り上げて、当時のことを振り返りながら、アルバムの曲を聴いていただいています。「佐野元春'90年代レコード特集」。今夜は僕が1997年に出したアルバム『THE BARN』。このアルバムを特集しています。まずはこの曲からアルバムの代表曲といっていいと思います。「風の手のひらの上」。

・風の手のひらの上

佐野元春 : このアルバムでヴァッキングを務めてくれたのはザ・ホーボーキングバンド。ギター : 佐橋佳幸、ピアノ : Dr.kyOn、ベース : 井上富雄、ドラムス : 小田原豊、そしてオルガン : 西本明。当時の僕にとって最強のヴァッキング・バンドでした。その彼らを連れて僕らは米国のウッドストックに行きます。そこで待っていてくれたのはプロデューサー、ジョン・サイモンです。知ってる方もいると思います。'60年代にザ・バンド、ジャニス・ジョップリン、そうしたアーティストをプロデュースした米国の名プロデューサーですね。彼のプロデュースのもとレコーディングしようということで僕らは米国に向かいました。ニューヨークから北にクルマで約3時間ぐらいのところでしたね。ベアズヴィルという街でした。そこで僕らは約一ヶ月間ぐらい滞在してレコーディングしました。1997年の夏のことでしたね。そこで作ったこのアルバム『THE BARN』。"THE BARN"というのは日本語でいうと「納屋」という意味だと思います。ちょうどレコーディングしていたスタジオが納屋を改造して作ったという話を聞いて、アルバム・タイトルはそのまんま"THE BARN"にしました。振り返ってみてこのレコーディングは本当に僕にとっていい経験になりました。レコーディングにはザ・バンドのガース・ハドソン、ラヴィン・スプーンフルのジョン・セバスチャンが参加してくれて楽しくセッションをしました。では音楽に戻って次に聴いていただきたいこの曲。ペダル・スチール・ギターをフィーチャーしたレコードなんですけれども、ミュージシャンはエリック・ワイズバーグですね。これまで多くのカントリー・ロックのセッションに参加しています。僕とホーボーキングバンドのレコード、アルバム『THE BARN』から曲は「誰も気にしちゃいない」。

・誰も気にしちゃいない

佐野元春 : ホーボーキングバンド、レコーディングしたこのとき、なんとバンドを結成してまだ一年目でしたけれども、今聴くとすでにバンドの方向性はしっかりと定まっていたんだなという感じですね。当時、自分が思っていたのはとにかくリアルなバンド・サウンドを奏でたいということでした。コンピューターやサンプリングされた音ではなく、バンドのよい演奏をみんなに楽しんでもらいたい、そんなふうに思っていました。打ち込み系の音楽が幅を利かせていた時代にあえてルーツ音楽に向かったという、若干天邪鬼な性格が出ちゃったかもしれません。とにかくこのアルバム『THE BARN』。ホーボーキングバンドがその後、ジャム・バンドへと発展していく、そのきっかけとなった大事なアルバムだといえます。ここで2曲聴いてください。「ヤング・フォーエバー」そして「ヘイ・ラ・ラ」。

・ヤング・フォーエバー
・ヘイ・ラ・ラ

佐野元春 : どうでしたか? 佐野元春'90年代レコード特集。その第五回目、今夜はアルバム『THE BARN』を特集しました。気に入っていただけるとうれしいです。今夜番組でかけたのは最新リマスタリングの音で聴いていただきました。マスタリング・エンジニアはテッド・ジャンセン。ここ十年来一緒にやっている信頼できるマスタリング・エンジニアです。今夜は僕が1997年に出したアルバム『THE BARN』を特集しましたけれども、大体このアルバムのリリックはウッドストックで書いたものが多いです。朝早く起きてウッドストックの森の中で書き上げたものが何曲かあります。今夜最後に聴いていただきたいこの曲もそんなふうにして作りました。実をいうとウッドストックに行く直前にとても悲しい出来事があったんですけれども、ウッドストックの森の中で少しずつ心が癒やされていったそんな経験もしました。この曲ではラヴィン・スプーンフルのジョン・セバスチャンがハーモニカと歌で参加してくれました。彼の素晴らしいハーモニカ・ソロに耳を澄ましてください。「ロックンロール・ハート」。今夜はこの曲を聴いてお別れです。

・ロックンロール・ハート

佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? 番組で紹介している佐野元春'90年代リマスタリング・シリーズ。今月、ソニー・ミュージックから販売されるということです。かなりいい音になってるので、みなさんにも是非、僕の'90年代レコードのリマスタリング・アルバム、手に取っていただけたらと思います。そして35周年アニバサリー・ツアーですね。いよいよ残すところ大阪と東京のみということ。チケットを持ってる方、是非、楽しみに待っていてくださいね。DJ、佐野元春、ではまた来週。

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