Sunday Song Book #1465

2020年11月08日 | Sunday Song Book

2020年11月08日プレイリスト「頭の拍が分からない曲で棚からひとつかみ」
1. HOT DOGGIN'/ THE ASTRONAUTS '63
2. LONELY BOY / ANDREW GOLD '77
3. SHADOWS ON THE GROUND / YELLOW MAGIC ORCHESTRA "SERVICE" '83
4. JESUS / CURTIS MAYFIELD "THERE'S NO PLACE LIKE AMERICA TODAY" '75
~頭のおかしい10連発メドレー~
5. BEETHOVEN SYMPHONY #5 / LORIN MAASEL WITH CLEVELAND ORCH. '77
6. YOU REALLY GOT ME / THE KINKS '64
7. I WANNA HOLD YOUR HAND / THE BEATLES '64
8. DRIVE MY CAR / THE BEATLES "RUBBER SOUL" '65
9. START ME UP / THE ROLLING STONES '81
10. PANAMA / VAN HALEN '84
11. HIGHWAY TO HELL / AC/DC '79
12. IT'S A MISTAKE / MEN AT WORK '83
13. KATE / BEN FOLDS FIVE '97
14. CAROLINE, NO / THE BEACH BOYS "PET SOUNDS" '66
15. WINDY LADY (LIVE) / 山下達郎 "16/04/09 沖縄市民会館"
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■内容の一部を抜粋
・近況
全国的にウイルスがまた勢いを増してきていて、特に北海道ですごく感染が増えてるという情報がある。達郎さんは一昨日、インフルエンザの予防接種をしてきたそうだ。「ちょっと遅いと医者に言われましたが。余計なお世話だ(笑)、本当に」と達郎さん。ここのところライヴのメンバーと会って、ちょっと音を出したりしたという。難波弘之さんはコンスタントにライヴを行ったり、学校の授業で頻繁に音出しはしているそうだが、ドラムの小笠原くんは「こんなに演奏してなかったのは生まれて初めてだ。感がなかなか戻らない」というようなことを言ってたという。のんびりと、でも少しずつやっていかなければなりません、と達郎さん。

・頭の拍が分からない曲で棚からひとつかみ
今週はリスナーから提案を受けた「頭の拍が分からない曲で棚からひとつかみ」。要するにイントロが1,2,3,4,とちゃんとしたカウントでやるとずっこける、とういうトリッキーなイントロがよくあって、それがだんだんエスカレートして途中まで全く頭がわからなく進んだりとか、最後までわからない曲もあるので、今日はそういうものを集めて特集する。サンソンぽい変態なプログラム。本当は「頭のおかしい曲」というタイトルにしようかと思っていたそうだが、そうすると語弊があるので柔らかい感じのタイトルに変えたという。昨日の明け方まで選曲していたとか。最初は企画倒れかと思っていたけれど、なかなか充実したプログラムだと自負しているそうだ。一曲でも多くかけたいので頭の一曲はなしでお知らせ挟んでスタート。

・HOT DOGGIN'
変拍子ではなく譜割りがおかしい曲を集めて。まずはアストロノーツの1963年の「HOT DOGGIN'」。達郎さんは中学生の頃には初めてこの曲を聴いたが未だにわからないという。譜面を書いて、確認して、どこが頭かわかるけれど、耳で聴くと追えないそうだ。アストロノーツはアリゾナ出身のサーフィン・ホットロッドのインストゥルメンタル・バンド。頭が取れないというのは例えばシンコペーションの頭を取ると裏ビートがわからなくなること。「HOT DOGGIN'」はドラムがルンバ・ビートで、ちゃんと2拍目と4拍目でバックビートを叩いてないのでわからなくなるとか。

・LONELY BOY
アンドリュー・ゴールドはウエスト・コーストのシンガー・ソングライター。1976年のアルバム『WHAT'S WRONG WITH THIS PICTURE』からのシングル・カット「LONELY BOY」は全米シングル・チャート7位。歌の途中でドラムが入ってくるまで頭がわからないという有名な曲。裏ビートの名曲。

「いわゆる変拍子もの、5拍子とかですね、途中で変拍子になるやつだとかは除きます。あくまで、今お聴きいただいた、ちゃんとしたビートなんですけれど、それがひじょうにトリッキーで、編曲的にトリックを使ってるという、そういうようなものをやっとりまして。従いまして、例えばレッド・ツェッペリンのBLACK DOGとかは途中で拍子わかんなくなりますが、あれ一拍、二拍足りなかったら増やしたりして辻褄合わせてる、そういう曲はやっておりません」と達郎さん。

・SHADOWS ON THE GROUND
超変態なのが1983年のイエロー・マジック・オーケストラのラスト・アルバム『SERVICE』に入ってる「SHADOWS ON THE GROUND」。「YMOはとにかくこういうの坂本くんも幸宏さんもですね、細野さんも大好きなので。『SOLID STATE SURVIVOR』にDAY TRIPPERのカヴァー、あれも変態でしたが、これその上行ってます。完全な騙し絵的なですね。途中まで全く頭がわからない。完全に意図した、編曲的な意図ですけれども、でも見事です」と達郎さん。
曲をかけ終えて。「16分音符食いのシンコペーションですけれども、それがサビになるまで種明かしがなくて、サビで頭打ちになりまして、そこで種明かしで(笑)。それで最初に戻ると16分食いだという種明かしですね。完全なもう(笑)、トリックであります。私なんかヴォーカリストなのでここまで極端にはやれませんね。どんなに16分食いだとか、僕、16分食いとか8分食いとかたくさんあるんですけれど、必ずバックビートでちゃんと頭を提示してやらないと、すごく不安になるっていう(笑)、そういうアレですけれども。これくらいの演奏力のある人はですね、平気でこういうことやりますね」と達郎さん。

・JESUS
達郎さんが人生で聴いた、こうしたトリッキーなアレンジの中で、いちばん変態だなと思ったのが、カーティス・メイフィールドの1975年のアルバム『THERE'S NO PLACE LIKE AMERICA TODAY』のアナログB面の一曲目に入ってる「JESUS」。「ジーザス、イエスについての歌なんですけれども。頭が全くないんですね。で、弾きはじめの、専門的なことを申し上げますと、4拍子なんですけれども、一拍目の裏にベースのポイントが入ってるんですね。で、頭が何もない。誰も弾いてない。それで(笑)、最後まで、フックが来るまで明かされないという。しかも語りで延々はじまって、一体どこが頭かわからないというですね。そういう曲です。心してお聴きください」と達郎さん。

・souvenir the movie 〜MARIYA TAKEUCHI Theater Live〜 Special Edition
2018年11月に劇場公開されたライヴ・ドキュメンタリー映画『souvenir the movie 〜MARIYA TAKEUCHI Theater Live〜』が、いよいよ来週11月18日(水)にBlu-ray及びDVDが発売される。達郎さんとまりやさんの最新スペシャル対談を掲載した80ページのブックレット付き。豪華二枚組で初回盤にはさらにスペシャル特典のマジックカードが封入されている。詳しくは竹内まりやオフィシャルサイトにて。
https://www.mariyat.co.jp

・『POCKET MUSIC』と『僕の中の少年』の2020年リマスター盤
1986年のアルバム『POCKET MUSIC』と1988年のアルバム『僕の中の少年』の2020年リマスター盤が完成。11月25日に二枚同時発売。

・「POCKET MUSIC」「僕の中の少年」「SOUVENIR THE MOVIE」まとめて特集
来週15日と再来週22日は『souvenir the movie』と『POCKET MUSIC』と『僕の中の少年』の紹介を兼ねたプログラム。

・頭のおかしい10連発メドレー
イントロのトリックはたくさんあり、それぞれシンコペーションではじまるのが頭に入るので歌に入ると「あれあれ」と戸惑うことになる。たくさんあるのでイントロだけ集めてエディットしたきたそうだ。題して「頭のおかしい10連発メドレー」。
歴史上いちばん有名な音楽はベートーベンの「運命」。頭の部分に実は休符があり、オーケストラはひじょうにその演奏能力が問われる。最初は「ベートベン交響曲第5番」はロリン・マゼール指揮、クリーブランド交響楽団の1977年のレコーディングからスタートして、キンクスの1964年の「YOU REALLY GOT ME」、ビートルズのいちばん有名な1964年の「I WANNA HOLD YOUR HAND」(邦題は「抱きしめたい」)、そして1965年のアルバム『RUBBER SOUL』に入ってる「DRIVE MY CAR」、ローリング・ストーンズの1981年の「START ME UP」、ヴァン・ヘイレンの1984年のアルバム『1984』からシングル・カットした「PANAMA」、AC/DCの1979年の「HIGHWAY TO HELL」、1983年のメン・アット・ワークのセカンド・アルバム『CARGO』に入ってるシングル・カットされた「IT'S A MISTAKE」、1997年のベン・フォールズ・ファイブのアルバム『WHATEVER AND EVER AMEN』からシングル・カットされた「KATE」、そして最後にビーチボーイズの『PET SOUNDS』に入っていて、後にブライアン・ウィルソンのソロ・シングルになる「CAROLINE, NO」。
キンクスの1964年の「YOU REALLY GOT ME」はかなりの熟練のプレーヤーでも持っていかれる曰く付きの曲。
ビートルズの「I WANNA HOLD YOUR HAND」は「意地悪いですねよね(笑)、本当にね」と達郎さん。『RUBBER SOUL』の「DRIVE MY CAR」はイントロのギターを弾いて、後から貼ってるんじゃないかと思われる。頭が8分音符ずれて、二つ目の音が頭だけど、そうすると頭のレガートの演奏が不自然なので、後で貼ったんじゃないかと言われている。
ローリング・ストーンズの「START ME UP」はイントロで一拍目にスネアをわざと入れてる。そこでちょっとトリッキーにしている。
ヴァン・ヘイレンの「PANAMA」もギター・リフ。大体ギター・リフが多い。
AC/DCの「HIGHWAY TO HELL」もお馴染みでドラムが入ると「あぁ、そうなのか」。
メン・アット・ワークの「IT'S A MISTAKE」は頭ではじまったのがスカ風、レゲエ風になる。
ベン・フォールズ・ファイブの「KATE」はワンコーラス終わるまでよくわからない。でもヴォーカルが入ると、このヴォーカルの人はうまいので縦の線がきちっとわかるので「頭はこっちなんだな」と取り戻していく。
「CAROLINE, NO」は有名で一拍ずれる騙し絵。

・WINDY LADY (LIVE)
達郎さん自身の曲でも例えば「SOLID SLIDER」、「LET'S KISS THE SUN」。達郎さんは頭を外すのが好きで「SPARKLE」なんかもそう。そんな中から今日はシュガーベイブ時代のレパートリー「WINDY LADY」。この曲も頭が提示されるのは全曲の中で3回か4回くらいしかない。後はずっとひたすら8分音符で食いまくるという曲。ときどき頭がわからないという文句言われることがあったそうだ。しばらくやれてなかったが、2000年代にライヴを再開してから割とコンスタントにできるようになったという。今日は2016年4月9日、沖縄市民会館でのライヴから。



■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/

2020年11月15日は、「POCKET MUSIC」「僕の中の少年」
「SOUVENIR THE MOVIE」まとめて特集
http://www.tatsuro.co.jp
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