<06月12日プレイリスト>
[「棚からひとつかみ」]
2000tの雨/山下達郎 '03('78)
I SAY A LITTLE PRAYER/ARETHA FRANKLIN '68
LOVE(CAN MAKE YOU HAPPY)/MERCY '69
TEAR STAINED FACE/DON VARNER '67
DO I LOVE YOU/FRANK WILSON '65
IF I HAD (ONE GOLD PIECE)/THE PROPHETS '66
愛してるって言えなくたって/山下達郎 '11
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■内容の一部を抜粋
・近況
今週からニュー・アルバムのミックスダウン。いよいよ大詰めに入り、来週はマスタリングを行う予定。再来週の放送で「工場行きました」と報告できれば8月10日めでたく発売ということになるそうだ。6年ぶりのアルバムになるという。
・2000tの雨
来週は「山下家の雨の歌でリクエスト」。数はないもののすべてかけられないので前倒し。
1978年のアルバム『GO AHEAD!』収録曲だが、映画『恋愛寫眞 Collage of our Life』の主題歌に使われたために歌い直してリミックスを施し、2003年にシングル・カットされた。その後、2005年のアルバム『SONORITE』にも収録された。
・棚からひとつかみ
ニュー・アルバムのレコーディングで缶詰のため今週も引き続いて「棚からひとつかみ」。恒日頃から買ったシングル、CDをデジタル・プログレッシングしていて、こういうときのための素材のストックを持ってるそうだ。
・I SAY A LITTLE PRAYER
アレサ・フランクリンの1968年のベスト10ヒット。バート・バカラックの作品でディオンヌ・ワーウィックも歌っているが、アレサのヴァージョンのほうが圧倒的にソウルフル。邦題は「小さな願い」。
・LOVE(CAN MAKE YOU HAPPY)
マーシーはフロリダ出身の男女混成の6人組ヴォーカル・インストゥルメンタル・グループ。いわゆるワン・ヒット・ワンダー、一発屋の人たち。1969年、全米2位。ミリオンセラーの大ヒット。
・高額で購入したレコード
リスナーから「今まで購入されたレコードの中で一番高額なものはどなたの何というレコードですか? お値段はいくらだったのでしょうか?」という質問。
達郎さんはあんまり高いレコードには手を出さないようにしていて、オークションもほとんど手をつけないという。二十代の頃、ドルがまだ300円くらいの時代に高額とされたのは100ドル、3万円くらいだった。アルバムが2,500円くらいの時代にロネッツのアルバムとかが100ドル・アイテムだったそうだ。三十代の半ば頃にキャピトル・レコードがラジオ局用に作ったビーチボーイズのレコード、それをかければ番組が簡単に作れてしまうLP、ブライアン・ウィルソンがゲストで出たときのアルバムがあって、その中にビーチボーイズのアカペラによる「蛍の光」(オフィシャル・ヴァージョンはクリスマス・アルバムに収録されていて、曲の頭にデニス・ウィルソンのナレーションが入ってる)が、ナレーションなし、ブライアン・ウィルソンのインタビュー付きで入っていたとか。凄く高いアルバムだったが、仙台のレコード屋で7万6千円で見つけ、45分考えて買ったとか。それ以降一度もお目にしてないのでやはり特別のレコードたったという。未だにアルバムが1万円すると考えてしまうそうだ。
・TEAR STAINED FACE
ドン・バーナーの1967年の「TEAR STAINED FACE」は現在リストで3,000ポンドの値が付いてるという高額物件。ドン・バーナーは南部のソウル・シンガーで、マッスル・ショールズでたくさん作品を出している。マッスル・ショールズの「クイーンビー」というレーベルから出ているシングルはリストを見ると3,000ポンドだとか。ほとんどイギリスのコレクターが値を釣り上げているが、今ほとんどの曲はCDで聴くことができる。
・ヘッド・アレンジ
リスナーからの質問で「ヘッド・アレンジとはどういうものなんでしょうか?」。
譜面を使わないアレンジのことだとか。書き譜で指示するのがオーケストレーション。達郎さんは今でも基本的にヘッド・アレンジで行ってるとか。コード譜以外は全部口伝えなのだそうだ。村上"PONTA"秀一さんとか、松木恒秀さんとか、岡沢章さんとかスタジオ・ミュージシャンの人達はヘッド・アレンジを嫌がるので、そういう時代は譜面を書いてやってたとか。
・DO I LOVE YOU
高額物件の究極を調べてみたら8,000ポンドというのがあったそうだ。フランク・ウィルソンはモータウンのスタッフ・ライターでとても有名な人。モータウンのサブ・レーベル「ソウル」から1965年に出した「DO I LOVE YOU」が8,000ポンド。但し、10年くらい前のプライス・リストなので、今はもう少し下がってるかもしれないとのこと。逆に上がってるということも考えられるが、今の為替相場で換算すると100万円超える。今はCDになってるので手軽に買える。
このあいだヤフオクでデイヴィッド・ボウイのシングルが200万円というのを見て驚愕したと達郎さん。
・ニュー・アルバム
昨年発売を予定していたときのアルバム・タイトルは『WooHoo』。仕切りなおしということでタイトルを変更して『Ray Of Hope』というタイトルになったそうだ。「希望という名の光」に"A ray of hope for me, A ray of hope for you"というコーラスから引っ張ってきたとか。こういう時代なので真面目なタイトルにしたのだとか。8月10日発売だが、まだ曲順の最終決定が出てないそうだ。シングルで発表した曲で主だった曲は入るが、未発表の曲の中でそぐわないものは外して、違う曲をレコーディングしたり、詩を変えたりしてるそうだ。特設サイトがワーナーで開設されている。
http://wmg.jp/tatsuro/
・JOY 1.5
'90年代にシングルのカップリングで発表されたライヴ・テイクはほとんどが未アルバム化。今回新たにリマスタリングしてニュー・アルバム『Ray Of Hope』の初回限定盤ボーナス・ディスクにまとめて収録して『JOY 1.5』とするそうだ。
・ツアー
アルバムの発売後にツアーを始める。大規模ツアーになる予定で7月になればスケジュールが発表されるそうだ。
・IF I HAD (ONE GOLD PIECE)
ワシントンD.C.のソウル・レーベル「シュライン」から1966年にシングルが発売とされてるが現存しないかもしれない。もしあったら3,000ポンド。歌ってるのは6人組の黒人ヴォーカル・グループ、プロフェッツ。「シュライン」レーベルの全カタログもCD化されている。
・愛してるって言えなくたって
特製アナログ盤が完成したそうだ。来週プレゼント告知を行う予定。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
06月19日は、「山下家の雨の歌でリクエスト」
http://www.smile-co.co.jp/tats/