Sunday Songbook Playlist

2008年01月06日 | Sunday Song Book

<01月06日プレイリスト>
[新春放談(ゲスト:大瀧詠一)]
ROCK'N'ROLL お年玉 (81年バージョン~BGM)/大瀧詠一
"ナイアガラ・カレンダー '81" '81
ROCK'N'ROLL お年玉 (78年バージョン)/大瀧詠一
"ナイアガラ・カレンダー '78" '77
BLUE VALENTINE'S DAY (78年バージョン)/大瀧詠一
"ナイアガラ・カレンダー '78" '77
お花見メレンゲ (78年バージョン)/大瀧詠一
"ナイアガラ・カレンダー '78" '77
BASEBALL-CRAZY (78年バージョン)/大瀧詠一
"ナイアガラ・カレンダー '78" '77
五月雨 (78年バージョン)/大瀧詠一
"ナイアガラ・カレンダー '78" '77
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■内容の一部を抜粋
・15周年
「Sunday Songbook」は2008年で丸15周年、足掛け16年目に突入した。

・新春放談
お正月は大瀧詠一さんをゲストに迎えておなじみの「新春放談」。NHKでやっていたレギュラー番組で'83年からなのでもう四半世紀やっている(ひょっとしたら'84年かもしれない)。

・ナイアガラ・カレンダー
ここのところナイアガラ・レーベル30周年のアーカイヴ・ヴァージョンが毎年出ている。今年は3月に『ナイアガラ・カレンダー』の30周年ヴァージョンがリリースされる。もともとは1977年の暮れに『ナイアガラ・カレンダー '78』として発売された作品。大瀧詠一さん20代最後の作品。「これを最後のアルバムにしたかった」と大瀧さん。

・驚愕の新事実
今出てる『ナイアガラ・カレンダー』は'81年ミックス。1978年のオリジナルはまだ一度もデジタル・リマスタリングされてなかったが、今回はついに1978年のオリジナルをデジタル・リマスタリングした。30年ぶりに2チャン・マスターを回したそうだ。それで大瀧さんは驚愕の新事実に驚いたという。
大瀧さん「今日はね、ついにその秘密を明らかにしなければいけない時が来てしまった。30周年記念というのをやらなければ一生わからなかった驚愕の新事実。左右が逆だった」
タツローさん「へぇ~。ははははは。あっ、そう(笑)。じゃあ、それLP聴いてもそうなんですか?」
大瀧さん「LPがそうなってた。マスター・テープもL-Rが逆だった」
タツローさん「それがL-Rが逆だったということは大瀧さんのバランスの好みがあって...」
大瀧さん「うん。これはね、証拠がある」

もともとFUSSA STUDIOのミックス・ルームは奥の部屋にあったが、そこを潰して'77年にピアノを入れたのだという。それで入り口にあった、以前待合室に使っていた6畳間をミックス・ルームにしたとか。それをやって最初のミックスが『ナイアガラ・カレンダー '78』だった。FUSSA STUDIOにはエコー・マシンがなかったのでオリジナルはライヴ・サウンドになってる。たまに鳴ってるエコーはトイレのエコーだという。
大瀧さん「あのときは(FUSSA STUDIOの)表にナイアガラの事務所の人が、クルマのエンジンをかけて待っていた。ミックスが終わるのを今か今かと。『多羅尾(伴内)』の1(枚目)が翌年にずれていたら、もう少しスケジュールは楽だから、L-Rのあれを聴いてわかったはずなんだけれども。とにかく、そのL-Rが逆に繋がっていたというのを気がつかなかったわけ。だからモニターではちゃんと聞こえたんですよ。卓アウトのL-Rが逆に繋がっていたんだよ。それを30年目にしてはじめて気がついた。これが驚愕した、驚いた新事実」

・ROCK'N'ROLL お年玉
冒頭、スタジオに入ってきた大瀧さんがスリッパの音を高く鳴らせて右から左に歩いてカレンダーを破ってゴミ箱に捨てて、振り返り「みなさん、あけましておめでとうございます」というシーンがある。『ナイアガラ・カレンダー '78』では逆になっていた。「上手から下手というのが芸能の基本だから」と大瀧さん。
'81年ミックスはオリジナルを聴かずに自分の中にある感覚でやっている、と大瀧さんは振り返る。今回のリマスターでL-Rを戻したという。『ナイアガラ・カレンダー '78』と『ナイアガラ・カレンダー』'81年ミックスには受け取る側に大きな溝があるので気がついた人は少ないのではないかと大瀧さん。
大瀧さん「(オリジナルが)もうひとつ評価が悪かったのはL-Rを逆にしてしまったせいもあったかもしれないなぁ」
タツローさん「あははは」

・2イン1
今回リリースされる『ナイアガラ・カレンダー』30th Anniversary Editionは『ナイアガラ・カレンダー '78』と『ナイアガラ・カレンダー』'81年ミックスの2枚を1枚にしている。どらも42分あるので足すと84分。CDの容量に収まりきらない。78分16秒が最大収録時間なので目一杯入れたのだとか。
「カットはしてないけど短縮はしている」と大瀧さん。

・フロント・カバー
『ナイアガラ・カレンダー '78』と『ナイアガラ・カレンダー』'81年ミックスではフロント・カバーが違う。今回はオリジナルのカバーでリイシュー。『ナイアガラ・カレンダー』'81年ミックスのときは'81年のおしゃれな時代にあのカバーはあわないとひよったそうだ。オリジナルについていた福笑いやすごろくは今回付いてない。

・アルバム・コンセプト
エルヴィス・プレスリーのシングルのジャケットを見てカレンダーのアイディアを思いついたそうだ。

・BLUE VALENTINE'S DAY
ベースが二人いる。(フィル・)スペクター・サウンドのウッド・ベース2本というのをやりたかったそうだ。
クレジットされてないが、ハモンド・オルガンは井上艦さん。

・笛吹銅次
大瀧さんがミックスするときの名前。お得意の変名である。
レコーディングの話はレココレの特集よりサンレコのほうがいいとタツローさん。
誰も訊かないからと大瀧さん。

・マイクロフォン
ノイマンのマイクを使用している。コロムビア・レコードから譲り受けたマイクで、その昔、美空ひばりさんや小林旭さんが歌ったマイクだと思われる。いろいろと試して曲毎にマイクを変えている。マイクのチョイスは大瀧さんが行ってる。

・金正日(キム・ジョンイル)さんの国
大瀧さんによると金正日さんの国のテレビではノイマンのマイクを使ってるそうだ。
大瀧さん「普通ののど自慢でも2本、3本立ってるのみんなノイマンなんだよ。オーディオ・マニアなんではないかな」
タツローさん「そういうところ、お金惜しまないんじゃないですか(笑)。理系の人はそういうところに留学してるんじゃないですか(笑)」
大瀧さん「ロシア経由じゃないよね(笑)。東ドイツから入ったんじゃないのかなぁ、というね(笑)」

・お花見メレンゲ
キーボードのポリリズムがクロスするところはディレイだそうだ。
ヴォーカルが右左動いてるのは、桜の下で狂喜乱舞する人間が浮かれすぎて転ぶのを、やろうとしたそうだ。
「誰も訊いてくれないから(笑)。説明がいるものを音楽でやっちゃあ駄目なんだよ。ねぇ」と大瀧さん。

・BASEBALL-CRAZY
サブ・タイトルの「野球狂の詩」は水島新司さんの同名のマンガから。「読んでなかったけど(苦笑)」と大瀧さん。
ダブル・ベースは'60年代初期のエルヴィス・プレスリーのパターンをまねたからだとか。ウッド・ベースとピック・べースで弾いている。キーボードの上田雅人さんはホット・ランディングでメリーさんと呼ばれていた人。ホット・ランディングはムーンライダースの弟バンドということだそうだ。「ホット・ランディングということはウチのカミさんのバックをやってたんじゃないかな。たしかホット・ランディングだったはず」とタツローさん。

・メンバー
途中で上原"ユカリ"裕さんがいなくなって、鈴木慶一さん経由でかしぶち哲郎さんに頼んだ曲もある。

・五月雨
オリジナルの『ナイアガラ・カレンダー '78』には雨のS.E.が入ってる。
上原"ユカリ"裕さんがいなくてドラムが入ってない。'81年ミックスのときは上原"ユカリ"裕さんにタムを叩いてもらったとか。エコー・マシンがなかったのでダビングを重ねて厚みを出そうとしたとか。弦が入ってることで「古関裕而さんの世界になった」と大瀧さん。

・制作費
600万ぐらいだったんじゃないかと大瀧さん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
2008年01月06日・13日は、恒例「新春放談(ゲスト:大瀧詠一)」
コメント
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