マッチポイント

2006年09月18日 | 映画

マッチポイント
梅田ガーデンシネマ
2006年9月3日 PM12時30分上映
整理番号106番

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★2006年ゴールデングローブ賞:主要4部門ノミネート(作品賞・監督賞・脚本賞・助演女優賞)
★第58回カンヌ国際映画祭:特別招待作品

愛に負けるか。欲に勝つか。
それでも人生は運が決める。

プロ・テニスプレイヤーを引退後、新しい人生を見出せないまま怠惰な暮らしを続けていたクリスは、トムとクロエという見るからに裕福な兄妹に出会う。そしてクロエと恋人関係になった彼は、夢にまで見た上流階級へ成り上がるチャンスを得る。 しかしトムの婚約者で官能的な女性・ノラを紹介された事から運命の歯車が狂い始める。女か、富か。青年は欲望と野心の間で苦悩し、破滅する…。ついにニューヨークを離れてロンドンに拠点を移したウディ・アレンの新たなる処女作。監督35作目にして切り拓いたその新境地に世界が驚愕し、絶賛をおくったスリリングなドラマ。

監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ジョナサン・リス=マイヤーズ、スカーレット・ヨハンソン、エミリー・モーティマー、 マシュー・グッド、 ブライアン・コックス、 ペネロープ・ウィルトン
配給:アスミック・エース
2006年/イギリス+アメリカ+ルクセンブルグ/124分
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どんなに才能に恵まれていても、どんなに努力しても最終的に「運」が人生を左右するのだと、この映画の中では描かれている。「運」のある男はテニス・プレーヤーに見切りをつけ成功する。一方、「運」のない女は女優への夢を捨てきれず玉の輿に乗れなかった。ふたりのあいだに不倫関係が結ばれる。「運」のある男は、妻には「愛情」を感じるが、女には「愛欲(LUST)」を感じるのだと、テニス・プレーヤー時代の友人に話す。女のお腹に新しい生命が宿る。男と妻のあいだには子どもが出来ない。女は男に妻と別れてくれと懇願するが、男には成功を捨てる勇気がない。女が邪魔になる。「運」のある男と付き合っても女には「運」が巡ってこなかった...

この映画にウディ・アレンは出演していない。ベタなタッチのコメディーではなく、どちらかというとシリアスなタッチの作品で、ウィットに富んだ笑いはあるものの、それはシニカルな印象を残していた。全体を通していうならばこれはサスペンス映画なのかもしれない。その展開からアラン・ドロンが主演した『太陽がいっぱい』のような感じがした。ハラハラドキドキと緊迫したシーンが続き、一気にクライマックスへとドラマはなだれ込んでゆく。結末の展開は全くの予想外。第一印象ではそのラストがあまり良い印象ではなかった。男の強運は彼の人生に幸福をもたらしたのか。そう考えてみると、映画のラストにウディ・アレンらしいアイロニーを感じた。
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