ボブ☆ディランの頭のなか

2006年01月09日 | Bob Dylan

昨夜、DVDで1965年に開催された「ニューポート・フォーク・フェスティバル」のドキュメンタリー映画『FESTIVAL!』を観ました。

昼の部でギターの弾き語りをしたボブ・ディランが、夜の部では一転してポール・バターフィールド・ブルース・バンドを従え「マギーズ・ファーム」を歌うシーンが収録された映画です。

昼の部が終ったところで、ディラン・ファンの声が挿入されます。賞賛する者もいれば批判する者もいる。若者の代弁者として脚光を浴びていた頃のディランは幾分神経質に見えます。

夜の部に向けてリハーサルする映像があり、ディランはドット柄のシャツを着用し、サングラスをかけています。そのスタイルがとてもかっこいいのです。たぶんディランという人はまず形から入ってゆくタイプなんでしょう。

アコースティックからエレクトリックへ、フォークからロックへとシフトするディラン。そのパフォーマンスは思ってたよりは衝撃的ではない。聴衆に受け入れられなかったという話はやはり伝説にしか過ぎなかったわけです。

このDVDを観た後で、年末に観たDVD『ボブ☆ディランの頭のなか』の特典映像を観ました。未公開シーンと未公開ライヴ・シーンです。本編の映画は一般ウケしない内容(苦笑)だと思いましたが、『FESTIVAL!』を観た後ですと割りにすんなり受け入れることができました。やはり『ボブ☆ディランの頭のなか』が最新のディラン作品なのでしょうね。最後のセリフはこんなのでした。

「ぼくはいつもシンガーであり、おそらくそれ以上のものではなかった。ときには、物事の意味を知るだけでは充分と言えない。ときには、物事が意味しないことをも知らなければならない。たとえば、愛する人のできることを知らないということが何を意味するのかといったことだ。すべてのものは崩壊した。とくに法や規則がつくる秩序は崩壊した。世界をどう見るかで、ぼくたちが何者であるかが決まる。祭の遊園地から見れば、何もかもが楽しく見える。高い山に登れば、略奪と殺人が見える。真実と美は、それを見る者の目に宿る。ぼくはもうずっと前に、答えを探すことをやめてしまった」

■『ボブ☆ディランの頭のなか』オフィシャル・サイトから引用。
<ストーリー>
近未来。終わりの見えない内戦で混乱する国で、一人の男が刑務所から出所した。彼の名はジャック・フェイト。ミュージシャンである彼は、かつてのマネージャー、アンクル・スウィートハートが企画するチャリティーコンサートに出演するため、釈放されたのだ。
コンサート会場でジャックを迎えたのは、アンクル・スウィートハート、彼のビジネスパートナーのニナ・ヴェロニカ、ジャックの熱狂的ファンであるボビー・キューピッド、そして、ベテラン音楽ジャーナリストのトム・フレンドと彼の恋人のペーガン・レースたち。
それぞれの思惑が交錯する会場で、ジャックがバンドメンバーとリハーサルを重ねている頃、国も大きな転換期を迎えようとしていた。大統領が死の床に伏し、彼の息子・エドムンドが政権を掌握したのだ。
新大統領に就任したエドムンドは軍隊を派遣し、コンサート会場は破壊され、混乱をきたす。カオスと化した、乾いたこの国に、果たしてジャックの歌は平和をもたらすことができるのだろうか・・・

<STAFF>
脚本:ルネ・フォンテイン、セルゲイ・ペトロフ(ラリー・チャールズとボブ・ディランの変名)
監督:ラリー・チャールズ
音楽:ボブ・ディラン
参加ミュージシャン:真心ブラザース、ジョン・グッドマン、ラモーンズ、ロス・ロボス他

<CAST>
ボブ・ディラン、ジェフ・ブリッジス、ペネロペ・クルス、ジョン・グッドマン
ジェシカ・ラング、エド・ハリス、クリスチャン・スレーター、ミッキー・ローク
コメント (2)
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