小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

そうめん離婚の顛末

2011-10-25 09:26:42 | Weblog
昨日、プライドの話をしましたが、
若い頃の私は、同じようにプライドのカタマリみたいな人間でした。

美術系の人間によくあるように、
自分が天才だと思ったことは不思議と一度もありませんが、
(ウソでしょと言われますが、本当です)
自分が何か大事を成せる、大物だ、横綱級だと、何の根拠もなく自惚れており・・・
今でもゴーマンですが、相当にヤな奴だったことは間違いありません。


それがいとも簡単に打ち砕かれたのは、最初の結婚・・・
あれは新婚旅行で能登を旅した、帰りの空港のことでしょうか(遠い目)。

些細なことでやや険悪な状態になっていたのを持ち直そうと、
無難に朝食の話題に切り替えたのですが・・・


「金沢の食事は旨かったけど、能登の朝飯はいまいちだったよね」

「そうね・・・。
 お吸い物も味付けがいまいちだったし」
 
「だいたい、お吸い物にそうめんが入ってる意味がわかんないよね」

「・・・?
 何言ってるの。
 お吸い物にそうめんなんて入ってなかったでしょ」

「そっちこそ、何言ってんだよ。
 しっかり、入ってたじゃん」

「入ってないわよ」

「入ってたよ!」

「入ってないわよ!」


お互いに引かない性格だった上、ケンカのあとということもあり、
お吸い物に”そうめん”が入っていたか、いなかったか、
どーでも良いことで侃々諤々になり、再び険悪な雰囲気に。

私も若かったので、そうめんが入っていてもいなくても、
相手の言うことに合わせていれば良かったのですが、
「それじゃ、旅館に確かめてみるよ!」と、空港の電話から
わざわざ能登の旅館に確認の電話をいたしました。


「もしもし、本日お世話になった小暮ですが・・・」

「はいはい、何でしょう?」

「昨日の朝食ですが、お吸い物にそうめん・・・入っていたでしょうか?」

「・・・はあ?」


妙な質問にいぶかる旅館でしたが、そこはサービス業です。
しばらくお待ちくださいと厨房に聞いたところ、
はたして「そうめん」はしっかり入っていたとのこと。


「どうだ、オレのいった通り、そうめんはちゃんと入っていただろう」
と鼻の穴を膨らましながら言うと、
「そんなに勝って嬉しいか」と怒髪天を衝くとばかり、激怒され、
勝っちゃいけないんだと、この時はじめて理解しましたが、もう後の祭り。

親しい友人の間では、「そうめん離婚」と呼ばれ、
あまりのレベルの低さで名高い一件ですが、わたくしも青かったものですなあ。


青年よ、謙虚であれ。


写真は山形産のアケビ。
皮は肉詰めにするとほろ苦く旨いです。
人生と一緒で、ほろ苦さもまた良し・・・なんてね♪
コメント (19)
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