小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

必見、モダン・アート, アメリカン

2011-10-27 10:46:00 | Weblog
今日は久々に絵の話題。
昨日、六本木の国立新美術館に「モダン・アート, アメリカン」展を見に行きました。


結論から言うと、絵の好きな人は必見!
実に素晴らしい展覧会でした。

どこにどう目玉になる絵がある、有名な作品があるという展覧会じゃありませんが、
何が素晴らしいって、絵が本当に好きで集めてきた人のコレクションですね。

別に投機目的で絵を買うのがわるいわけではありませんが、
ダンカン&マージョリー・フィリップスという夫妻が、
1点1点自分の好きな作品をコツコツ集めてきたコレクションだというのが、
ひと目でわかる、絵にたいする愛情を感じる展覧会でした。


絵画の本物を見る楽しさって、現物サイズを確認できることもあるのですが、
写真のホッパーの作品は意外に小さいのにびっくり。

また、この絵の中心に座り込む男性の顔を見ると、
英語でモノを考える人が描いた絵だと確認できるのが面白い。
(男性は精神を病んでいるかのように、黒目が描かれていません)。

どの言語で描いた絵か、というのは線画・・・特にマンガには顕著に出るのですが、
油彩でこれだけ言語の違いが出た顔を見るのは珍しいですね。


また背景の建物のペンキの色も秀逸。

よく外国で撮った写真を見ると、インドだったら赤っぽかったり、
アメリカだったら色のヌケが良かったりしますけど、
あれは光線の違いがそのまま写るからですね。

人間の目はそれを補正して、同じような感じで慣れてしまいますが、
写真ほどでないにせよ、絵画もその地の光線の具合が顕著に出るものです。
(たとえば、ムンクの長い影と光線は、北欧の光りを反映しています)。

やっぱりアメリカ絵画にペンキの色がよく似合います。

ペンキの色と言っても、ひとたびそれがモダンアートとして絵に取りこめれれば、
バカにしたもんじゃありません。
ヨーロッパ絵画ほど重たくないので、
膨大な出品数であるにもかかわらず、見ていてそんな疲労感もないのが嬉しい。

オキーフの描いたニューメキシコのコル・ビジェ風の教会、でっかい葉っぱ。
グランド・マア・モーゼスの素朴な逸品。

おやおや、アレキサンダー・カルダー
(今はコルダーと言うみたいですが)のモビールまであるぞ!

でも、私はジャクソン・ポロックやサム・フランシスといった
アクションペインティングは苦手かな。

なんて、あれこれ2時間近く見ていていましたが、
絵画にはヒーリング効果がありますね。
見終わった後の爽快感が秀逸でした!

12月12日まで開催されています。
興味のある方はぜひ足を運んでください。
知らない画家ばっかりですが、とっても楽しく素晴らしい展覧会です!

コメント (2)
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