Life in America ~JAPAN編

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ミゲールおじさんの死。

2010-07-16 13:50:02 | アメリカ生活雑感
Pちゃんの唯一の血のつながった叔父(Pママの弟)が亡くなったという知らせを受けた。
このミゲールおじさん、実は遠い昔に家を飛び出して以来、家族とはほとんど音信不通になっていた。
Pちゃんが子供の頃は、兄弟のように仲良くしていたもらっていたらしいのだが、
突然目の前から姿を消してしまってからはもう30年ほど会うこともないままだった。

なんで飛び出したかは定かではないが、どうやら家族と折があわなかったらしい。
特に独裁的な母親(Pちゃんの祖母)に耐え切れなかった、という話。
どうもフェルナンデス家の男子は、母親とうまくいかない血筋らしい。

ミゲールは現在、ビルバオで大学教授をしていると風のうわさで聞いていたので
4年前にふたりでスペインに行ったとき、彼に会いに行こうと画策していたのだけれど、
残念ながらその機会は領事館によるビザの不手際で時間がとれず、失われてしまった。
今となってはあのとき会えなかったことが悔やまれる。

Pちゃんいわく、このミゲールおじさんだけが家族の中で“まとも”な人だったという。
まともで真面目すぎたせいか、ごたごたの続く家族に愛想をつかしたのかもしれない。
肉親だから余計に倍増する憎しみ。
ミゲールが家を出てから、もう誰も彼のことを口にしなくなり、彼の存在は禁句になっていた。
Pちゃんが「ミゲールに会いたい」とママに言うと、それはすごい剣幕で怒られたそうだ。
実の姉弟なのに、ここまで不仲になるものなのか・・・。ちょっと複雑な気分だ。

そのミゲールが、まだ50代の若さで突然亡くなった。
もともと心臓が悪かったところにヘビースモーカー。
しかし、そのタバコも10年前にやめて節制していたという。
ある朝、奥さんがちょっと外に出て戻ってきたら倒れていた、というあっけない死だった。

同じビルバオに住むマリベールおばさん(Pママの妹)のところに家族から知らせが届き、
たまたま今ちょうどスペインで休暇を過ごしているPママたちと一緒に、メモリアルサービスに出席してきたとのこと。
30年ぶりに変わり果てた弟の姿を見た気持ちは、どんなだったろう?
ママとて、いつかは心を許しあってまた3人兄弟で集う日を夢見ていたかもしれない。
そう考えると切ない。

家族が最も心配したのは、現在老人ホームで療養しているミゲールの母親(Pちゃんの祖母)にどう知らせるか、だった。
ミゲールは、そうはいっても最近になって母親をたまに訪ねていたらしい。
その彼が先に逝ってしまったことに、心臓の弱い彼女が相当なショックを受けることは間違いない。
医師たちと相談して、事前に精神安定剤を打ってからこの事実を告げた、とママから伝え聞いた。

どんなに疎遠でも、血のつながった家族は家族。
生きているうちに和解できなかったことに、やりきれない思いだ。
唯一、今回のことで明らかになったのが、ミゲールにはふたりの娘さん(はたちと16歳)がいたということ。
となると、Pちゃんにはふたりのいとこがいたことになる。
いつかどこかで、彼女たちと会える日が来ることを祈ろう・・・。
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