Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

日本語を伝えよう。

2005-03-13 01:24:05 | アメリカ生活雑感
海外で日本語を学ぶ学習者は、2003年の調べで235万人にも達するという。
そんな学習者のための教材を開発したり、海外で日本語を教える外国人教師を招いて研修を行ったりする目的で設立されたのが、国際交流基金(Japan Foundation)の付属機関である日本語国際センター。
今日は、その日本語国際センターの設立15周年を記念して開催された公開イベント、「日本語で話しませんか」という無料セミナーに参加してきた。
私の人生における、これからのキーワードのひとつが「教育」にならんでまさに「国際交流」。コトバにしてしまうと堅いが、つまるところは「もっとお互いの文化を知り合いましょう」ということだ。そのためにはその国の言葉を正しく伝える伝導者が必要になってくる。この仕事には以前から興味を抱いていた。
なんといっても、年齢に関係ない。そして世界のどこでも働けるからだ。

さて、このセミナーは大きく2部で構成されていた。
第1部は、駐日スーダン特命大使・ムーサ氏の記念スピーチと、「日本語を学ぶこと、教えること」と題して、海外で日本語を学び現在日本で活躍されている3名と、海外での教授経験を持つ先生方3名との座談会。
続く第2部は、事前申し込みによる参加型プログラム(分科会)という構成だった。私はこの2部にも申し込みをしており、参加を許可されていた。

一部の座談会では、学んだ側と教えた側双方の苦労話や気付きなどが事例を交えて紹介され、私自身のアメリカでの生活を思い出し、思わず何度もうんうんとうなずいてしまった。
教わる側は「本当のコトバは生活してこそ本当に理解でき覚えられたことが多い」「つまりはコトバを通じて文化を学ぶのだ」という意見に集約され、教える側は「コトバを教えることによってより自分のこと、自国の文化について深く考えるようになる」「外国の人たちの“母語”を敬いながら、日本語を教えていくことを大切にしなければいけない」「これは日本語独特の言い方です、のような逃げ口上は教える上では禁句」(金田一教授)という点を強調されていた。
教わった側でディスカッションに参加したのは、ソニー関連会社で採用担当をしている孫さん(中国)、ピレリ・ジャパンでマーケティングディレクターをしているロマニエルロ・ドナトさん(イタリア)、そしてウォール・ストリート・ジャーナル誌の東京特派員、ジニー・パーカーさん(アメリカ)。3人の日本語コミュニケーション力には正直驚かされた。
特に興味を持ったのはジニーさん。彼女は高校生のときはじめて訪れた日本に興味を強く抱いたことが発端で、プリンストン大学で日本語を専攻したのちインターンシップで大阪の会社で1年間OLを経験したという面白い経歴の持ち主。その高い日本語能力を買われてジャーナリズムの道に入ったそうだが、「就職のためでもなんでもなく、私はただ日本をもっともっと知りたかっただけなんです」と彼女は言う。
私は彼女とどうしても交流を続けたいと思ったので、座談会後さっそく話しかけた。教育と国際交流を自分のテーマにしていると話すと、彼女もきれいな大きな瞳を輝かせて「私も教育には普段から関心を持っていて、いろんな人たちとお会いしているんですよ。情報交換できればいいですね。お友達も紹介しますよ。今度ランチでも是非!」と応えてくれた。
こういう人脈の広がりは本当にうれしい。遠く浦和くんだりまででかけていったかいがある!

第2部は、海外で日本語を教えている外国人教師たちと日本語で文化交流を図るという分科会。私のグループは、インド、シリア、韓国からきていた日本語教師たちと「贈り物文化の違い」についてお話をした。韓国はいざしらず、インドやシリアでも日本語がきちんと教えられていることが印象に残った。
ムーサ大使が最初のスピーチで「日本は世界の経済大国であるということを正しく自覚し、日本語をもっと世界に伝えていく努力をしないといけない」と言っていたけれど、この本当の意味が体の中をまっすぐに入っていくのがわかった。
私の中のもやもやとしたものが少しずつ晴れていくような気がした。
国際交流は、文化交流でありコトバ交流。英語をしゃべるだけが国際化ではなく日本語を正しく世界に広めていくことも大切なミッションなのかもしれない。

その気になりさえすれば、このような無料のプログラムがどこでも毎週のように行われている。
やはり、東京の環境はすばらしい。


*ちなみにこのイベントの様子はNHKで4月16日、11:30~12:40の土曜フォーラムで放映される予定。

みてね~!
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2 Comments

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ギグのお誘い (誠也)
2006-12-05 12:41:10
ショウコさん、突然お邪魔します。
今週の木曜日、7日の夜にサンフランシスコのレストラン・バー、Biskets and Bluesでウチのバンドが演奏します。ナオさん、ヒデオさん、ヨシオさん連中も来てくれるそうです。お時間がありましたら是非来てください。
夜の8時からと10時からの二部構成です。

ナオさんが言っていたけどショウコさんって一昨年ここでやった時、見に来てくれたんですね。
当時は手伝いってゆうかサブだったんですけど、いまではメンバーの一員としてやってます。

では、また。

また一緒に演奏できたらいいですね。

誠也
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Unknown (shoko)
2006-12-06 04:09:40
お誘いありがとうございます。
ブルースの殿堂、Biskets and Bluesでライブとはすばらしいですね!是非みんなと一緒に見に行かせていただきます。
返信する

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