Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

カルチャーイベントで「さとうきび畑」を

2010-04-18 09:37:05 | アメリカ生活雑感
1ヶ月ほど前のこと。
日本人主婦仲間のMさんからあるお願いごとメールが舞い込んだ。
「バイト先の大学のカルチャーイベントで日本の歌や踊りを紹介してほしいと頼まれて困っています。断わろうとも思っているのですがその前にしょうこさんに聞いてからと思っているところです。もしかして興味があってお願いできるようであれば、とてもうれしいです。」

Mさんは週に3日、郊外のある大学で日本語の講師として働いている。
今回のカルチャーイベントは、アジアの国々のことを他の学生にもっと知ってもらおうと学生たちが企画して時々開催しているものだという。
今までは何度か断ってきたMさん、あまり断ってばかりだと気が引けるので今回は返事を保留にして私に打診してきてくれた、というわけ。
主催者からの依頼メールを読む限り、そんなに大層なことは望んでないみたいだし、この手の“日本カルチャー紹介”は今までアダルトスクールでさんざんやってきたので「面白そうだからやります」とふたつ返事でOK。

ふたりで話し合った結果、Mさんが俳句と詩の朗読を、私が何か日本の歌を歌う、ということで決定。
ちなみにどれくらいの時間が与えられてるのかと聞いてみると、な、な、なあんと3~5分。
これって、どーよ!?どう考えても本気とは思えない時間
あれこれ説明をしている時間はないので、それぞれ、俳句と金子みすずの詩と歌の歌詞(それぞれ英訳つき)を一緒にコピーして当日配ることにした。

★ ★

そして先週木曜日(4月15日)、いよいよそのイベントの日。
Mさんと、本日俳句の英朗読アシスタントを務めてくれることになったMさんの長女のMサちゃん(13歳)、撮影担当・長男のKくん(12歳)と共にいざ大学へ!!


スタンフォードを思い出させる、緑に囲まれた美しい大学構内。


今日の会場となるStudent Centerに足を踏み入れると、なにやら怪し気な薄暗い照明のもとでダンスミュージックが鳴っている。
え?ほんまにここでやんの? 
こんなムードの中で「古池や~」と俳句が詠まれる場面を想像して思わず噴き出す私たち。


午後7時すぎ。コーラスグループによるゴスペルソングでイベントが始まった。
そしてそれに続く黒人の女の子たちの奇妙な踊り。
はっきりいってこのイベント、想像していたアカデミックなものとは程遠いレベルのもの。
基本的に学生が自分の出身国の紹介をする趣向だったんだろうが、あまりに参加国が少なくてしょぼいものだからあわてて皆で手分けして他国の紹介もしてしまおう、という意図がみえみえ。
その紹介とやらも、観光ページから丸写ししスライドをバックにWikipediaの最初の部分をそのまま読んでいるだけ、っつうかんじ。これなら小学生でも出来る。
だから3~5分と言ったのか!
当初100人ほど集まると聞いていた参加者も、せいぜい数えて3~40人。それも、これに参加したら大学が単位をくれるから(ゆるっ!)まぁ仕方なく参加しているような人たちがほとんど。
このお軽~い雰囲気の中で、私たちはいったいどうなっていくんだろう・・・



開始5分前でまだこんな状態。


★ ★

などと考える暇もなく、Japanの順番がやってきた。
まず一番にお願いしたのが、「照明つけてくれへんかな?」
真っ暗で何も読めへん。

まず、Mさんが「俳句」の説明をし一茶や芭蕉の句を読み上げたあと、Mサちゃんが流暢な英語でさらさらと英訳を読みあげる。
う~ん、やっとカルチャーイベントらしくなってきたぞ。
それに続いて、私が『さとうきび畑』を歌う。
いつもどこかで戦争をやっているアメリカでこそ、この歌を歌う価値があるというもの。これからARMYに入隊する人も多い大学生に、今聞いてもらいたい歌だ。
あらかじめ配っておいた歌詞の説明をちょこっとしたあと、何番かを選んで歌った。
はっきり言って観客の反応はまったくつかめなかった・・・。




私たちの後は、また何カ国かのゆる~い紹介が続き、インドやバングラディシュの詩が読み上げられ、そして締めにまたへんてこなダンスチームがでてきてプログラムは終了。チャンチャン。


インドの詩の朗読中

★ ★

アメリカの学校は、こういった生徒主導によるプレゼンテーションの機会がとても多い。
中学1年生のMサちゃんも、「今までいっぱい(プレゼン)やったから人前でしゃべることは慣れていて全然平気~!」という。
小さいときからみんなの前でしゃべる、発表することが多いから、アメリカの子どもたちは人前で動じないんだろうな。
それどころか、たいしたことない内容でも自信満々にプレゼンしてしまう妙な度胸まで身についている。
果たしてこれは学ぶべきことか!?


今日はなかなかけったいな経験ができた。
Mさん、誘ってくれてありがとう!!
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする