Life in America ~JAPAN編

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私流、もったいない術

2005-04-04 13:28:31 | アメリカ生活雑感
ケニアのマータイさんが日本で衝撃を受け、世界に広めようとしている「MOTTAINAI(もったいない)」という言葉。日本人としてはとてもうれしく誇らしい。
しかし当の日本での反応はというと、どうやら“言葉”としてのもったいないだけを今さらのように取り上げている気がしてならない。それでもって「もったいない運動」っちゅうわけのわからんものまで“発生”した。
昔の人にとっては毎日がもったいない運動なわけで、なんだかとってつけたみたいで面はゆい。それほど日本は大量消費・大量廃棄の国になってしまったということだろう。いや、もっといけないのは「大量廃棄することをなんとも思わなくなった国」になってしまったことかもしれない。

ところで、最近の自分の暮らしを振り返って、もったいないを実践してきたことを少し。

1.今なければ生活に支障が出るもの以外の新品は買わない。
引越してきたときはそれこそ布団1セットとカーテンと身の回りのものだけだった。それでも生きていけるのだから、焦らずに自問自答することが大切。

2.ゴミを出さない。
日本に帰ってきて感じるのは“過剰包装”。プラスチックの器などは洗っておいておくと、ちょっと何か代用品がほしいときにさっと役に立つ。ダンボールもいろいろ組み立てると、押入れの中で立派な収納棚になる。なんと行っても好きな大きさに切れるのが魅力。

3.リサイクル品の購入。
アメリカ生活で身をもって知ったのは、Someone's junk is another person's treasure. (誰かさんのゴミは他の誰かさんの宝)。捨てる神あれば拾う神あり、の精神で我が家もなるべくモノの天寿を全うしてあげることに貢献することにした。
ガステーブル、全自動洗濯機、テレビ、電子レンジ、チェアー、卓上ハロゲンランプ・・・などなど。インターネットのクラシファイドを利用してすべて人から購入。もちろんすべて市価の半額以下。十分使える。しかし、中古だとかえって電気を食う冷蔵庫や食のメインである炊飯器は高くてもいいものを新品で購入した。

4.つきあいにメリハリをつける。
毎月安定した収入があった会社時代と同じノリでつきあっていたらあっという間に破産だ。それ以上に、満足できる時間を共有できる相手と過ごす時間を選んでいかなければ人生の時間が“もったいない”。これはもちろん、私自身が誘って楽しかったと思われているかどうかを大いに考えさせられることにもなる。「きのうは楽しかったです」とお互いに言える時間を共有すること、共有できる人と会うことがこのトシになると本当に大事だなと実感。
そう考えると、夫婦って究極の“もったいないの選択”かも・・・。

こんな話をすると、「みみっちい」「けちくさい」と耳をそむける人たちもいるだろう。でも、モノを大切にすることとケチとは大違い。さらにいえば、物の価値を正しく判断する目、センスを持たなければ「もったいない運動」など絵に描いたもちになってしまう。
例えば10000円をもってスーパーに買い物に行くと、1週間分ほどの食料がたっぷり買い込める。一方で、誰かと食事をしてその後飲みに行けば10000円なんか4時間ほどでなくなってしまう。これをもったいないと思うかどうか、この価値の見極めが大事だということ。自分にとってお金に代られないものは何なのかを判断できること、これが「もったいない運動」の精神そのものだと思う。
金持ちはこんなみみっちいこと、時間をかけて考えもしないんだろうなぁ。