津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■町在を読む

2024-06-09 08:44:50 | 徒然

   

 ある方から「町在を読んでほしいとのご連絡をいただき、その後メール添付の資料が送られてきた。
写真撮影されたものをPDF化されているが、メールでは映像が天地が逆さまになっている。
PDF映像の天地を正すのにどうするのか爺様は知恵が浮かばないから、PC画面でで文章を読むことができない。
どうせ釈文を作らなければならないからと、プリントアウトする。
そしてまずは内容確認のために、全体に目を通す。
ちょうど40枚80頁に及ぶ、中古町に居住していた人形師に関する記述である。
文化中期の頃で、人形職人の渡世が立ちいかなくなっている。そんな折に町別当が自らの貯えを提供して80数人の人形師の生業を援助している。
古文書解読の依頼をされたその方のお宅には、その当時を知ることができる「土人形」の原型「型枠」が多く残されている。
これらの復元と共に、中古町の人形師の歴史を紐解こうとしておられる。
不世出の人形師・松本喜三郎が生まれたのは少し時代が下るが、喜三郎が育った時代は又人形師の生業も持ち直して、多くの人形が作られていたのだろう。その後喜三郎の作品を修復した江嶋栄次郎などの出現は、中古町の主たる産業であった人形製造の豊かな技の蓄積があったからに相違ない。
町別当という役職が単なる町行政のトップというだけではなく、自らの貯えを提供して職人の生業を支えるというそんな奇特な行いがあって、近世古町・新町界隈の繁栄があったことを思い知らされる。
さて今日から爺様はそんな町在史料80頁の解読にチャレンジです。

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