津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

田中左兵衛封事 - 2

2009-07-09 12:54:52 | 歴史
    二半切紙
     申上候覚
一、妙解院様(忠利)・ 真源院様(光尚)之御仕置きを被為請、御仕置之記録を御極置可
   被成哉の事
一、万事至テ其年てハ、御仕置ハ不被為成物之様奉存候、今迄ハ御行当り、当分/\の
   御談合と計に相見へ申候、三年・五年も先々の儀を御考、只今よりの御仕置被遊候事、
   御本意たるへきの様に奉存候
一、御公儀向、御国・御家中の御仕置さへ慥に御座候得者、其外の儀ハ、少々の事如何
   様ニ御座候而も、不苦候様奉存候、右之趣も御家老中へ被 仰付、被成御吟味上にて、
   御究置然奉存候、御若年とハ乍申、御当代も早十五年二成申候、其儘にて能通り申候
   へハ、申分無御座候得共、今の分にてハ末如何に奉存候間、急度御取置被遊御改可
   然被存候
一、只今何様御仕置被仰付候者、御ひつはく(逼迫)も直り、末々迄御心安く可為御座哉、
   今迄の様に有之候得者、御手前も不被為成、自然の時も、公義への御奉公不被任御
   心様成行可申と、御迷惑に思召、後々迄御仕置被成可然と存寄申通りを、銘々より一
   ッを調、一人宛五三日之内ニ御前ニ持参仕、懸御目候得と、御家老中・御奉行共へ御
   内意にて被 仰付、銘々の存分も御直に被聞召、覚書を御取集、御心静に被成御覧、
   御仕置可然奉存候、惣而面を揃、御前に罷出候而申上候ハ、脇々見合申候、右之者
   共、其外にも人柄も御撰被成可被 仰付候哉、一ケ条にても、けにもと被思召上候事も
   御座候ハ、御取被成、御加御仕置に可然奉存候、太さう成儀ニ御座候、組立てより御
   一人にて御究被成候而者、はかもまいり申間敷様奉存候、其上 御気力もへらせられ
   候而者、一大事の御事と奉存候、兎角 御養生の儀第一ニ奉存候
一、右両御代之御仕置を具に被聞召上候事、肝要に奉存候、假不可然事も御座候と、被
   聞召上候事御座候者、何とそ道理の詰り申たるわけも可有御座哉と思召、返々被為
   入御念、御吟味被遊候者、其埒も知れ、扨わと被思召事も可有御座哉と奉存候、兎角
   御両代之御仕置を御手本に被成候事、御本意之様奉存候、 真源院様(光尚)御代に
   も、 妙解院様(忠利)様之御様躰ニ少々被為替たる様成事も御座候得共、後々ニハ
   直り申たる事も御座候と奉存候、差当り可申上ならば、江戸エの御供衆抔も初ハ多御
   座候へとも、夫にてハ末通り不申二付、御へし被成候、きら(綺羅)を御好候被為止候、
   きらを好候ハ、五万石・拾万石之御身躰之御衆二ハ似合申様奉存候、御国取の御心
   持ハ各別に可有御座事之様奉存候、御供衆へ御借米銀もへり申候、惣而御借物ハ其
   身/\の上に応し、余人も存ル程之子細有之ものか、又ハ知行・切米にても返上仕事
   成安きものか、能御吟味被 仰付、其上ニ而少宛ハ御借被成たる事にて御座候、妙解
   寺御建立被成る候さへも御孝行と偏ニ思召、又ハ様々に尤と被 思召様申上候もの御
   座候て、大分の御物入被為御意出来申、御法事等美々敷被遊候事さへも、御後悔御
   座候様被為持、御手前もつよく御座候而、上様への御奉公を自然之時も能御勤候そ、
   御先祖様への御孝行にて御座候ニ、いわれさる御物入と、ケ様の事さへ御ついへの様
   思召と御内意をも承置申候、此外何程も御後悔御座候
一、御家中江戸御供衆へ御借物多く被成御借候程、御家中つふれ申儀ニ御座候、其子細
   者、御知行・切米の外に先借仕候事候へ者、誰々も悦すき好み申事御座候、後ハ捨り
   申か、又ハ御知行をさし上、引込罷居申事眼前ニ御座候、かり銀米御座候へハ、何と
   仕候而もむさと仕り申と相見へ申候、ケ様に御座候而者、後々可被召上者御座有間敷
   と奉存候、又常々身持を能仕、御奉公を闕し不申、身躰相応の勤を仕候者者、能奉公
   人の様に奉存候、ケ様之者をハ 聞召上、御詞にて成共御感被成候者、脇之しまりに
   も成可申歟と奉存候、左様に無御座候得者、身を詰、万嗜御奉公心懸申甲斐も無御座、
   述懐ニ可奉存候、ケ様の事にて、御家中風俗も直り可申様奉存候
  
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