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津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■北の関事件

2025-07-23 07:02:11 | 歴史

 旧暦ではあるが延宝元年の今日、細川藤孝の末弟・三渕好重の曾孫にあたる前川勘右衛門が自らの「婚約問題」にからみ従兄で嫡家4代当主・山名十左衛門の加勢
を受けて、柳川藩領内北の関(みやま市山川町北の関)で、熊本藩士・藤田助之進父子を討ち果たした事件の事が、「細川綱利公家譜」にわざわざ記載されている。

当事者の前川勘右衛門はこの事件後、藤田方の敵討ちを恐れて旅に出たが、細川家の縁類・臼杵稲葉家の庇護を受けていたがここで自害して果てた。
細川家や筆頭家老の松井家などの血脈である三渕一族の面子をかけたこの事件は、身内にこのような犠牲者を生んだ不幸な事件であった。


  +ーーー藤英
  |
  +ーーー細川藤孝ーーー忠興ーーー忠利ーーー光尚ーーー綱利・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・細川家
  |                1                    2                  3
  +ーーー好重ーーー重政ーーー+ーーー之直ーーー+ーーー之政
           |     |     4                  5
           |     +ーーー十左衛門===澄直・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三渕家
           |
           +ーーー重則ーーーーーーーー勘右衛門

また、この事件「北関始末實記」については、下記の如く当ブログで17回にわたりご紹介してきた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      

   延寶元年癸丑(1673)七月廿三日前川勘右衛門重之筑後國北関ニテ藤田助之進父子ヲ討果ス 是ヨリ先キ両人江戸在勤ノ節助之進
   娘ヲ勘右衛門妻ニ遣シ度由ニテ粗其約ヲ固メシカ歸國ノ後前川一類ノ故障ニテ破談セシカハ助之進コレヲ恚ミ悪口セシヲ勘右衛門
   聞テ討果スヘシト云遣ス 助之進ヨリ噯ヲ入レ一旦和觧ニ及フト雖共勘右衛門噯ニ託シ臆シタリトノ唱ヲ受終ニ暇ヲ請フ 七月十九
   日願ノ通暇ヲ遣ス 依テ従兄弟山名十左衛門重澄カ知行所山鹿郡高橋村ニ退去ス 藤田モ同日暇ヲ取ラセタレハ同人本國播州へ歸
   ラントテ縫殿助ヲ初メ妻子家従ヲ纒メ七月廿三日南関口ヨリ出ル時前川カ許ニ人ヲ遣シテ若意趣ノ言フヘキアラハ北ノ関ニ相マチ
   テ面決セント言贈ル 十左衛門ハ藤田カ立退ク由ヲ聞付テ前川カ許ニ馳付ケ此事ヲ聞キ前川ト共ニ藤田ヲ追テ北関ニ至リ先ツ使ヲ
   以テ藤田ヲ留ム 藤田丘ノ上ニ在テ主従十人計鉄炮ヲ構へ待懸ル 前川カ家士西郷祐道其子平十郎壻諸左衛門山名カ家来加々美横平
   主ノ矢面ニ立ツヘシトテ砂烟ヲ蹴立抜連テ蒐ル 藤田主従一同ニ炮發セシカハ祐道諸左衛門砲玉ニ中テ伏ス 平十郎肩先ヲ討セ少
   モヒルマス進ミ戦フ 十左衛門此隙ニ岸陰ヨリ跳上リ鑓ヲ擧テ助之進ヲ突伏セ其方先頃士蓄生ト悪口セシハ武士ニ似合サル雑言ナ
   リ真ノ武士ノ擧動斯ノ如シ 山名十左衛門見知リタルカト喚リテ止メヲ刺ス 縫殿進馳セ来リ左ノ方ヨリ拂切ニ切付シヲ弓杖一丈
   計リ飛徐ケル時家来共押隔散々ニ戦フ十左衛門又討テ蒐リ縫殿ヲモ突留ル 藤田カ家来皆働キテ死ス 此日申刻ヨリ事始リ酉下刻
   ニ場ヲ揚ク 山名カ手ニ討死一人手負八人前川カ手ニ討死三人手負二人アリ其後勘右衛門所々漂泊セシカ翌三月豊後臼杵城主稲葉
   右京亮ヲ頼ミシニ右京亮懇ニ待遇アリシカ八月晦日勘右衛門密ニ家来ヲ本意ヲ告ケ自殺セリ 十左衛門ハ追々知行五千石ニ至リ家
   老職トナル 元禄十一年三月綱利旅行ノ節北ノ関ヨリ十左衛門ニ書ヲ與フ 其略ニ曰先年藤田父子殺戮働ノ場所今見ルカ如シ心ナ
   キ邑老村女マテ感心セリ天下静謐ノ時家老職ニ其方ヲ持スル事世上希有リト云々

   

北関始末實記・・その1      
北関始末實記・・その2
北関始末實記・・その3
北関始末實記・・その4
北関始末實記・・その5
北関始末實記・・その6
北関始末實記・・その7
北関始末實記・・その8
北関始末實記・・その9
北関始末實記・・その10
北関始末實記・・その11
北関始末實記・・その12
北関始末實記・・その13
北関始末實記・・その14
北関始末實記・・その15
北関始末實記・・その16
北関始末實記・・その17(追加-1)
北関始末實記・・その18(追加-2)

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