一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

日本の技術

2016-09-03 07:33:46 | 雑記


  
       年に何回かしか利用しない新幹線だけど、
       乗るたびに驚くのは清掃の人たち。

       列車がホームに入るのを待ちかまえて
       乗客が降りるや否や、てきぱきと仕事を
       こなす。
       それも決して急かすわけでもなく、すべて
       においてスマートなのだ。
       そして清掃を終えるとホームで乗客に
       そろって一礼する、その見事さ。

       ヤフーニュースで知ったのだが、今回、
       このJR東日本のグループ会社(テッセイ)
       がハーバード大経営大学院の必修科目と
       して採用されることになったのだという。

       聞くところによると。
       JR東の新幹線は折り返しの東京駅で
       12分停車するが、乗客の乗降時間を除くと
       清掃に充てられるのは7分間。
       
       この間にテーブルや床、トイレの清掃、
       忘れ物の確保、座席の方向転換などの
       作業を終える。
       テキパキと作業する姿を米CNNなどが
       取り上げ、海外で話題になっていた。

       なんでも最初からこのようなシステムに
       なっていたわけではなく、
       10年前までは従業員の士気もあがらない
       など、問題を抱える企業だったというから
       驚く。

       「きつい」「きたない」「危険」の3K
       職場で離職率も高く、上司は叱責で現場を
       押さえつけるという悪循環に陥っていた。

       それを立てなおしたのがJR東から経営
       企画部長として送り込まれた矢部輝夫さん
       (69歳)。
       矢部さんはまず、頽廃ムードの従業員の
       士気をあげることに全力。
       仕事場を「新幹線劇場」と呼び、雰囲気を
       一新することから始めた。

       夏はアロハシャツ、
       帽子に花飾り、
       といったアイデアも採用し、仲間の良い
       ところを報告してもらい、「どうせ」と
       いった投げやりな態度を一掃し、幹部登用
       にも道を開いた。

       こうしたことが徹底したサービス向上に
       つながったというから、考えさせられる。

       私はどこの職場、企業でも当てはまると
       思う。
       使う方も人間なら、使われる方も人間。
       要は、ソフト面を重視することがハード面
       の向上にもつながるのではないか。

       近年にない爽やかなニュースだった。

       ※ いつか乗った新幹線のホームで
         去りゆく列車に一礼する清掃従業員