安倍晋三元首相が参議院選挙の遊説中に手製の拳銃で撃たれ、倒れたと速報が流れた。瞬時に「日本で、まさかや」と耳を疑った。一瞬思い浮かんだのは、62年前になる日比谷公会堂檀上で浅沼稲次郎社会党委員長が17歳の右翼少年に刺殺された事件だった。
安倍元首相の死亡が伝えられると奈良県警の警備に論点が移った。どこに瑕疵があり防げなかったのか。演説場所なのか警備配置なのか気の緩みなのか総括は無限に続く。ある警察関係者との懇談で私は「奈良県警本部長は即刻首だね」というと「もっと上でしょう」と返ってきた。
犯行に及んだ青年の動機がその母親が宗教団体「統一教会」への多額の献金で一家離散した恨みだったと言う。生命保険や高級住宅街の自宅売却などで1億円以上の献金が明らかになった。
41歳の青年が何故宗教団体「統一教会」関係者ではなく安倍元首相を狙ったのか。そこからこの宗教団体と政治の闇があぶり出され、政治が歪められた可能性に国民は不安を持ち始めた。
政治と宗教はともに内心の問題であり、誰もが立ち入ることは出来ない領域である。しかし、マインドコントロールで人の心も変わる弱いものでもある。
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