蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

陋巷に在り1(儒の巻)

2009年01月01日 | 本の感想
陋巷に在り1(儒の巻) (酒見賢一 新潮文庫)

(「泣き虫弱虫諸葛孔明」の感想でも書きましたが)酒見さんのデビュー作「後宮小説」は面白い作品で、いまだに強く印象に残っています。

その後発表された「聖母の部隊」「墨攻」も面白かったので、続く「陋巷に在り」は、諸星大二郎さんの装画(当然、「孔子暗黒伝」を連想させる)、大長編になるらしいという予感、などから、ハードカバー発売時(平成4年)とても期待して読んだのですが、正直、読み終わるのが一苦労だったほど面白くなくて、2巻以降は読みませんでした。

15年ぶりくらいに文庫版を読んでみようという気になったのは、シリーズ後半、異様な盛り上がりを見せるという評判を聞いた(たしか三浦しおんさんのブログだったと思った)から。

で、今回読んでみて、やっぱりイマイチ。著者自身が歴史の考察や薀蓄を語る部分が、どうもうるさくて、ストーリーの流れに乗れない感じ。
もっともこの巻は、全体の大いなるプロローグ、孔子と顔回の紹介をする部分にすぎないのかもしれず、今度は次の巻も読んでみようと思っています。
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