蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

中国雑話 中国的思想

2007年11月13日 | 本の感想
中国雑話 中国的思想(酒見賢一 文春新書)

中国史に関するエッセイ。
あとがきによると著者は、自分の書いた中国の史話について中国人から「中国ではこんな考え方はしない」といわれるのを大変恐れているそうで、中国人の思想や考えの背景になっていそうな事物について研究することで、そういう事態を避けようとしているそうです。

冒頭の一編は劉備に関するエッセイですが、その他はそうした中国人、中国史のバックボーンとなっていそうな、仙人思想、関羽信仰、孫子、中国拳法などが主題となったものとなっています。

正直にいうと、全般にテーマをさらっとなめた程度の内容が多くて、その独特の視点、解釈に特徴がある酒見さんの小説と比べると、やや期待はずれの内容でした。
ただ、中国拳法に関するいろいろな挿話は、私自身全く知識がなかったので興味深く読めました。
中国拳法って何千年も歴史があるのかと勝手に思っていたのですが、太極拳など有名な拳法が盛んになったのは清朝のころからだそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする