蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

カポーティ

2007年11月04日 | 映画の感想
斬新な取材方法や文体で、ニュージャーナリズムの旗手とされた作家カポーティが、代表作「冷血」を書き上げていく過程を描いた映画。カポーティは、その作品もさることながら、特異な私生活ぶりもアメリカでは(ややスキャンダラスに)有名だったようで、そうした背景をよく知っていたなら(私はよく知らないのだが)、この映画はとても楽しめそうだ、と思った。

カポーティは、田舎で発生した一家皆殺し強盗犯の一人に何度も面会して、その信頼を得て内輪話を聞くことで「冷血」を書いていく。犯人の方は自分がネタにされていることには気づいておらず、有名な作家の助力で多少なりとも情状を良くできないかと考えていたようですが、やがて作品が完成に近づく頃、犯人は死刑となってしまう。

全般にカポーティに批判的な感じがするのだが、画面に出てくる役者は丸っこい感じのキューピーみたいな外見で、話す声は幼い女の子のように甲高いので、見ている私は、「ホントはこいつ、そんなに悪い奴じゃなにのかも」みたいな印象を抱いてしまった。
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