おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

熟年

2007-04-24 22:42:48 | Weblog

 

 世間で熟年という言葉が、言われ出した十二三年程前のことである。

 会社の旅行で、恵那峡ランドへ行った。

 乗り物に乗って遊ぶことになり、観覧車,海賊船、遠芯車、ジェットコースター。 私と気が合ってジェットコースターに、乗ったOさんは、  

「私は未だ死ねない。未だ死ねない」

と握り棒を固く握り締めて、キャーキャー悲鳴をあげている


 [何よ、乗ろう乗ろうって誘ったくせに目をつむったままで。私ちゃんと明けてるよ。いつ死んでいいもの、特攻隊員はかくありしかってね」 

かぶっているスカーフを顎の下で結び直した。

  
「守るも攻めるも、くろがねの!」
  
「いやだあ、そんなの!私三十年生まれだもん」
  

「私の娘と、あんまり変わらないのね.あの子の小さい時、動物園で乗ったけど怖かったわあ、デズニーランドの時も、息子が大学生だったからまだ怖かった。今何もくない の、壮絶!爽快!」
 
大声で早
口に言ってるのだど声が風で後ろにとんで行く。

 巣作り症候群は、私達の年代までくらいで、今は熟年離婚、離婚予備軍などといわれるようになった。

 風の便りに、Oさんの息子さんが結婚されたと聞いた。
肩の荷を下ろされたことであろう。

 俳句

  * たんぽぽや白きラシャ靴歩みそむ

  * たんぽぽを繋ぐながさや母待つ子

 

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