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八月八日の立秋を過ぎても、まだまだ暑い。今年はそれからが連日の酷暑であった。
そんな猛暑の中、A氏が「山帰来」の生えているところを見に来られた。
ひとり生え(実生)でたった三ケ所三本だけの蔓では期待外れであったらしく、こちらも葉を摘んであげるでもなく、根を抜いてあげるでもなく家に入り冷房の効いた涼しい部屋の窓際で、干菓子に抹茶のお水点てをして差し上げた。
しばらく四方山話や俳句談議をして帰られたが、帰りがけに「家内が山帰来の葉をいただきに来ると言っていた」と言われたので始めて、あ、A氏の誕生日に柏餅もどきが作りたかったのかと一人で勝手に解釈した。
私はまたA氏の俳号が[山帰来]なので、家にあるわといった私の家の庭へ所在を確かめに来られただけくらいに思っていた。
それならそれで、ゲートボールの夏休みが終わったらゲートボール場の外回りの土手を探して見よう。
きっと沢山あるであろうと思うのは、今の季節高砂百合があちこちに咲いていて、私が正月におせち料理に入れるくらいは、掘れば百合根がいくらでも採れるのだから、「山帰来」別名「さるとりいばら」も在るのではないかと楽しみである。
A氏のブログを読んだ方が、名前の由来を教えてと言ってきたので、ブログ創設当時の一ページを紹介した。それは、初恋の人に嫌われた!〇〇さん嫌い、嫌い、嫌いから来ると嘯いておられる洒脱な方である。
その住まわれる隣町の広報の文芸欄には、毎月二十句ほどが選評して掲載してある句暦四十年からの先生なのである。
ここでもう一人今日ホームページの「カタルシスの季節」と言う小説を完結させた能登清司氏の事を書こう。
もと、 朝日新聞の論説員で私がこの「おにゆりの苑」を製本するのに前書きを依頼した文芸家協会の評論家である。
「カタルシスの季節」も丁度、立秋明けのお盆近くに無神論者のまま知り合ったばかりの女性の腕の中で倒れて 、極楽の彩色の幻惑を見ながら人生の終焉を迎えて完結するところが心憎い。
スポンサーの現れるのを心待ちにしておられる。
以前何かのコマーシャルで「男は黙って勝負する」と言っていたが、私の周りには立派な方々がいらっしゃる。
俳句 立秋や白き風吹く学生街
私も俳句の感性がなくて困っています