僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

なぜか三菱銀行人質事件の話

2009年11月28日 | 読書

昔、アナザービートルさんたちとささやかな同人誌をやっていたことがある。
僕たちは、手書きの小説をコピーして、手作りの同人誌を 「発行」 していた。

メンバーは総勢4名である。 僕たちはいずれも30歳代前半から半ば。
…つまり、1980年代の前半から半ばにかけて、だった。

4人のうち3人は妻子がいたが、1人だけ独身者がいた。
それがFさんであった。 大阪市天王寺区・玉造のアパートに住んでいた。

僕たちは、その狭い部屋にビールや食糧を持ってなだれ込んだ。
そして、お互いの作品を批評しあったり、雑談したりして時間を過ごした。


「テロリストのパラソル」 の作者藤原伊織は、大阪の高津高校出身だそうだ。
高津高校といえば、この玉造のすぐ近くである。

打ち明けてしまうけれど、Fさんは、藤原伊織と同じ苗字である。
う~む。 藤原 … 玉造 …。

そこで、Fさん=藤原伊織…説がにわかに浮上してきた。 (ほんまかいな)

しかし…。 藤原伊織は2年前にガンで亡くなっている。

Fさんは、もちろん今も元気である (怒られるで~)。

一瞬、色めきたったけれど、あえなく幻の説と化してしまった。 (当たり前やがな)


そこでふと思い出したことがある。

Fさんが書いた短編小説に、有名な強盗殺人犯を主人公にしたものがあった。
テロと強盗殺人とは違うが、共に凶悪な犯罪であることには違いない。
しかも、Fさんがモデルにした事件は、犯罪史上に残る衝撃的な凶悪犯罪であった。

その事件は、1979年1月に大阪で起こった。

三菱銀行北畠支店に一人の男が猟銃を持って押し入った。
警官2人と銀行員2人を射殺する。
そして、銀行員たちを人質に取り、女子行員たちを裸にして盾とした。

http://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage101.htm

http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=C_Cg-TzP6J8

Fさんは、その犯人である梅川昭美をモデルにして、短編を書いた。

テロリストを主人公にした藤原伊織と、凶悪犯を主人公にしたFさん。
この点でも、なんだか不思議なつながりを覚えてしまう。

実際の梅川は、最後は警察隊に撃ち殺されて死ぬ。

とにかく凄まじい事件で、梅川の名は凶悪犯の代名詞のように語り継がれていった。
僕も、その名前は今でもすぐに浮かんでくる。 (梅川さんって苗字の人、可愛そう)。

今、改めて調べてみると、梅川はその時、30歳だった。
藤原伊織や、僕たちと同年代、つまり団塊の世代ということになる。

2009年の今、毎日のように凶悪な犯罪が、日常茶飯事のように報道されている。
日本はいつからこんなぶっそうな国になったんだ…と言われているが、
その昔も、数は少ないけれど、結構、凶悪な犯罪があったんだ。
いや、むしろ、血の気の引くようなおぞましい事件は、昔のほうが多かった。

今はごく簡単に、なんの理由もなく、チャラチャラっと人を殺す。
こんなことで人を殺すのか…というような事件があまりにも多い。
(もちろん、「理由」 があっても、人殺しは悪いに決まっているが…)

「テロリストのパラソル」 が、高津高校や玉造に進み…
それが F さんに進み、F さんから さらに梅川事件に進み…。

どうも、話は膨れ上がっていく…というより、迷走する一方だ。

土曜日だというのに、朝から陰惨な事件の話を書いてしまいました。

これも団塊世代の、ひとつの屈折した傾向でしょうか…。


追伸 

「テロリストのパラソル」 に、印象深いシーンがありました。
テロの真犯人が 「これがぼくらの世代の宿命だったんだ」 と言うが、
主人公は 「私たちは世代で生きてきたんじゃない」 と否定する。
「私たちは、個人で生きてきたんだ」…と。

団塊の世代、世代と、僕もあまり言わない方がいいかもしれませんね。
世代で一括りしてしまうほど、人間って単純じゃありませんものね。

土曜日だと言うのに、ちょっとマジメ過ぎたお話でした。
これも団塊の世代の…。 お~~っと。 それは言うたら、あかん、あかん。

 

 

 

 

コメント (12)
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