めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

勝者の条件

2017-02-02 14:13:29 | 政治

戦争は、決して行ってはならない、人類が犯す最大の過ちと
言えるのですが、これを勝者と敗者と言う関係で考えると
勝者にとっては歓喜であり、敗者にとっては地獄と言えます。
人類は、長い歴史の中で、この二つの立場を取りながら、
地球上で一番の勝者として君臨してきました。

あらゆる生き物に対して勝者の立場を取り、更には、人類同士も
戦いによって、お互いの主張を繰り返し、勝者とならんと
止む事のない争いの歴史を繰り返して来たのです。

まさに、人類は、勝ち組負け組の繰り返しの歴史を重ねて
来たのです。
この事は、戦争という究極の場面だけでなく、日常的に行われる
競争行為にも見られる事であり、そのたびに、勝者と敗者の歓喜悲哀が
繰り返されています。

戦争という、多くの人々に苦しみと悲しみを与える事は出来るだけ
控えるものの、現代社会に於いては、生きる為のあらゆる物を手に入れる為
熾烈な商業活動が行われています。
まさに、この商戦を勝ち抜ける国が戦いの勝者となり、世界の動きを
牛耳り、独占的な利益を得ることがで出来るのです。

この事を実践し、商業世界のトップとなったのがトランプと言えます。
彼は不動産王として世界に名を成し、その知名度と剛腕を持って
ついには大統領へと上り詰めたのです。
しかし、政治家としての器を持った大統領でなく、商人のしての大統領が
今、世界の人々を困惑させ、憤りを感じさせる原因となっているのです。

彼の肩書は、アメリカ合衆国大統領なのですが、中身は、独占的経営で
世界のトップになった商人なのです。
つまり、彼の行動言動は、彼のビジネス道に基づいた、経営的利益不利益の
二者択一に過ぎず、そこに、国民や世界の人々の気持ちは入る余地が無く
大統領と言う地位を利用した国際的な商売をしている商売人と言えるのです。

彼の望みは、だだ一つ、任期の間に、如何に自分の地位と名声を得て、
その陰で莫大な利益を得るかと言う事なのです。
ほんの数年の独裁期間です。のんびりと構えている暇はないのです。
次々に利益を得るための政策を実行するのが当たり前なのです。

しかし、そんな彼の行動言動に振り回される多くの国民や世界の国々は
たまったものでは有りません。
当然、自分達の利益や財産を守るために、多くの反対運動を行い、
中には、国家的手段に講じる国も出て来るのです。
これまで、穏便に過ごして来た国とも、大きな軋轢を生じるかもしれません。

所が、当のトランプは、そんな事は、知った事では有りません。
ともかく、自分の算術道理の政治をする事しか眼中にはないのです。
大統領権限を利用して、あらゆる事を、自分に利益な成る様に進めます。

所が、そんな彼に対し、反旗を掲げる人ばかりでは有りません。
その利益に便乗しようとする人たちもとても多いのです。
今までの社会の仕組みを利用して利益を得ていた人にとっては
寝耳に水であっても、その社会では、思う通りに生きられなかった人や
企業、国にとっては、正に甘露と言えるのです。

戦争と同じく、勝者に居る事は、あらゆる利益を得る可能性が高いのです。
トランプ支持と言うより、自分達の利益が上がり、生活が向上することが
一番なのです。
つまり、世の中の立場が変わる可能性が有るのです。
この原理は、戦争のたびに繰り返される争う国同士の思惑でもあります。
今回の大統領選挙は、正に、この立場を変える結果となったのです。

私たちは、どんな環境に生きるかで幸せ不幸せが決まると言っても
過言では有りません。
欲望の動物である人間は、常により豊かで幸せな社会を目指します。
その為、人類の歴史は戦いの歴史であったのです。
戦争と言うのは、正に、自分達の未来を掛けた戦いであり、
勝者側に居るか敗者側に居るかで、その後の未来が決まるのです。

今や、世界がトランプの言動行動に揺れています。
しかし、これは、メディアが、どちら側に居るかで報道が違うのです。
トランプを悪人と捉えるか、遂にやって来た正義の使者と捉えるか
その立場によって変わるのです。

これまでの世界の政治は、多くが、どちらの世界の人々も平和に生きる様
お互いに戦火を交えない様に、多くの代表が頭を突き合わせ考えて来た
いわゆる、ウインウインを目指したものでした。

しかしながら、本来の人間の業は、より利益を得ることに幸せを感じ
中々すべてを平等にとはいかなかったのです。
しかも、この話し合いは、国家同士であっても、その序列が決まっていて
多くの決議が、大国の思惑で動いているのが現状でした。
つまり、豊かな国はより豊かに、貧しい国はより貧しくという現実は
一向に変わる事が無いのです。

この事は、それぞれの国の中でも同じことがあり、日本やアメリカ社会が
近年抱える国民の生活格差、そして、富裕層と満たされない一般層との
深い溝が生まれる原因ともいえるのです。

そんな中、その隙間を突いて貧困層の支持を利用して台頭してきたのが
トランプでもあるのです。
彼の政治は、あくまで国民に仕事を与え、満たされない人々を豊かにする
と言う有言実行を謳っていますが、彼は、最も豊かな富裕層でもあるのです。
更には、今の地位を利用して、世界の商戦を勝ち取ろうとしているのです。
今後、自分の更なる欲望を満たすには、現支持者達であろうと、簡単に
捨て去る事を躊躇なくできる男なのです。
そう、個人の欲望に他者の意見を受け入れない世の独裁者と同じです。

しかし、如何に勝ち組負け組に決まろうと、自分にとって、社会にとって
国にとって、未来を考えた時、その立場がどちらの立場の人たちにとっても
許されるものなのか、受け入れられるものであるかが重要です。
勝者に甘んじて、負けた人を軽んずる行いを続ければ、いずれ、悲惨な
未来が待っている事を歴史は伝えています。
栄華をものとした独裁者の成れの果ての姿を、近年も多く見ました。

民主主義の国家であるならば、選ばれる事で、自分と反対の立場に人々が
生まれるのです。
その敗者の未来を明るいものと出来るかが、勝者の人間的度量であり
自分の存在を長く維持できる大きな力と成るのです。
単なる暴君に終わるのか、後々、人々に称えられるかは、今後の言動行動を
どれだけ世界に人々が支持するかに掛かっていると言ってもいいのです。

 



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