めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

大自然の摂理と恩恵

2015-06-03 12:40:35 | 大自然

いよいよ鬱陶しい季節がやって来ました。
湿度計の数字はどんどん上がり、先月の爽やかさは無くなり、
気温の上昇と共に、首筋のべとつきが気になります。

この季節、あまり好きだと言う人は少ないようです。

外出するにも荷物が増えて、公共機関に乗れば、乗客同士の
雨具が、鬱陶しさと煩わしさを増します。

更に、この季節は台風シーズン前にして、各地で集中豪雨の

大災害が起こりがちです。
毎年、多くの人的物的被害は大きく、災害列島を認識させられます。

しかしながら、この梅雨の時期が無ければ、日本の稲作が保障されず

更には、私達にとって一番大切な水の確保が危機を迎えます。
日本の稲作農家にっとて、梅雨時の雨が秋の収穫を決めると言っても
過言では有りません。
降りすぎると災害をもたらし、足らなければ凶作になる。
この様に日本の自然は微妙なバランスで成り立っているのです。

更には、この大量の雨は、陸や山からの大量の栄養分を海まで

運び、大量のプランクトンを発生させます。
春先に生まれた稚魚や沿岸の多くの海洋生物がこの時期に
陸から運ばれてくるミネラルや栄養で育ちます。
山に降った大量の雨は、大量の土砂を海へ流し、豊かな海を
育てているのです。

かつての日本の自然は、春夏秋冬、様々な自然の営みが、

沢山の生物を育て、多くの作物や水産物を私達にもたらしました。
私達日本人は、この豊かな自然に育てられ生きて来ました。

しかし、今や日本の海も山もその力を失っています。

その結果、私達の生活にも暗い影が落とされています。
食料の多くの部分を海外に頼り、一度輸入が途絶えれば
日本と言えど食料危機を迎えないとも限らないのです。

この原因は、もちろん私達にあるのは明白です。

異常気象の所為でもなく、日本経済が悪くなっているからでも
有りません。
私達の生活そのものが元凶なのです。
つまり、私達が生活を便利に豊かにする為に行ったことが
多くの自然を傷つけ、挙句の果て自分たちの生活を壊していったのです。

都会に住んでいると、自然とはかけ離れていて、食料は、商品となって

店に売られていたり、食品となって自分たちの口に入ってくる程度にしか
認識が無く、その元の自然物がどの様にできたのか育ったのかに
関心が有りません。

例えば、一匹のマグロにしても、成長するまでには、莫大なる食料を食べ

その食料は、食物連鎖の元、プランクトンから小魚、そして直接食べる
魚介類まで、多くの生物の関わり合いが有ったのです。

大型漁船で沖合の漁場で捕獲される多くの魚も、幼少期には

沿岸の浅い水域で育つことが多いのです。
海と接している浅い光の届く酸素の多い水域には、多くのプランクトンや
小魚が集まります。更には、繁殖や生活の場となる事も多く、
かつては、日本の沿岸は殆どがそういった、生命の揺り籠、と呼ばれる
生き物豊かな海域がでした。

今では、特に、人口が多い地域に於いては、ほとんどが人口の護岸となり

生物が生育するには難しい環境となっているのです。
東京湾においても、ほとんどの海岸がコンクリートや鉄板の護岸となっていて
その周辺には、生命の存在が殆ど感じられず、汚染された川と同じような
暗い澱んだ水際となっています。

かつて、東京湾は世界でもまれに見る海洋生物の宝庫と言われていました。

今でも数々の珍しい生き物が存在していますが、ほとんどの場合、
その数は極端に少なく、標本サンプルとして捕獲できる程のものです。

都内のスーパーや生鮮食料品店に並ぶ多くの水産物は、一見豊かで

海には多くの魚がいる様に思われますが、これは流通機構の発達で
日本中世界中からかき集めて来たものであることを多くの方は知りません。

自分の足元は汚しきって、世界中から食料を集める今の日本商法は

いずれ破たんするのは目に見えています。
先祖から受け継いだ豊かな自然をいかにして守り育てるか、
これからの日本人に課せられた大きな問題と言えます。



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