羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

秋分の日……且坐喫茶

2006年09月23日 19時58分04秒 | Weblog
 秋分の日の今日、大切な客人が3名、来宅。
 久しぶりに玄関に大振りの花を飾った。
 すすきに紫式部に女郎花に吾木香、そして名前を聞いたものの失念してしまったもの。
 前衛芸術を思わせる時代物の木(ボク)の中に活けこんだ。
 こんなとき花活けのディレクターは、81歳になる母である。
 彼女の発想の自由さには驚かされるのだが、「古流」の基本が入っていて、生まれる自由さだった。
 野趣あふれる活花が、まず、客人を迎えた。

 二階座敷の床の間には、先日、思いがけず手に入った軸物をかけた。
「且坐喫茶」音読すればシャザキッサ、訓読すれば「且(しばらく)坐して茶を喫せよ」という意味の掛け軸である。修行者の勇み足や気負いをいなしたり、たしなめることば。相手の緊張を和らげる意図で用いられるそうだ。肩肘張らずに、ありのままでいることの大切さに気づかせ、日常的な意味で、急いた心を落ち着かせ一息いれることを勧めることばとして受け取ってもよいといわれている。

 この書に出会った瞬間、「これだ」とおもった。
 書体が好きだった。
 意味をあとから知った。これは自分のために手元に置く意味があるとおもった。
 今日は、この軸を選らんだ。

 秋の日の午後、気心の知れた客人とともに過ごす時間は、いつもの日常とは異なってなかなかいいものだ。
 冷房も暖房もいらない気温と、さらりとした湿度、秋の日差しは澄んでいた。
 ゆったりとリラックスしながらも実のある話が弾んだ。

 あぁ、今日は、いい一日だった。
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