羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

コラボレーションが潜める測り知れない可能性

2008年05月01日 08時35分23秒 | Weblog
 この写真は、野口体操の‘寝にょろ’等々が、柔らかなマッサージとして『日経ヘルス』2006年3月号で紹介された最初のページである。
 私はといえばすっかりヘアメイクしてもらって、スタジオで撮影してもらった。。

 この記事がきっかけで、同じ年の3月30日に、テレビ東京「朝は楽しく!」という情報生番組に出演することになった。
 このときのスペシャルゲストはアニマル浜口さん。
 4月4日に発売になった『マッサージから始める野口体操』の第二章「揺れる巨体」に、抜粋して書いておいた。

 実は、この記事と番組出演の記録に、声が今ひとつの授業で大いに助けられたことを報告したい。
 とにかく声を失ってから少しずつ回復したものの、1時間半の授業を2コマ行うには、まだムリがあった。
 火曜日の授業は、新刊本をテキストに指定してあったので、拙著とDVDと日経ヘルスの記事のコピーを揃えて、授業に臨んだ。

 学生たちはアニマル浜口さんと聞いて、驚いた声をあげる。しかし、DVDを見てもらうと浜口さんの変化がしっかり伝わるらしい。
 真剣に身を乗り出して、内容を吸収しようとする様子が、後ろから見ている私にも十分伝わってきた。

 それから資料のコピーを参考にしながら、二人組になって‘寝にょろ’‘腕にょろ’等々、実践してもらった。
 学生のやり方が実に上手い。
 
 授業だけでは伝えきれないノンヴァーバルコミュニケーションの部分がそれらの資料によって補完されたようだった。

 丁度、北京オリンピックに浜口京子さんが出場することも相まって、アニマル浜口さんへの興味もいろいろな意味で大きいのだと思う。そのアニマルさんがたった30分くらいのやり取りの中で変わっていく。今まで公の場で見せたことがない‘素のままの表情’を捉えている番組には、かなりのインパクトがあるということが感じられた。

 第一回目の授業では、第一章「消費される健康」をテーマにしていただけに、野口体操の持つ多面性が伝わるようだった。
 そして情報化の時代に、テレビ情報番組の裏側について話す内容にも、学生は興味を示している。

 その意味では、新刊本の内容も‘現代’を扱っているが、テレビ放送の現場の話や日経ヘルスが丁寧な仕事をしていること等、これから社会に出て行く学生には、興味の焦点がしっかりと合っていることを実感した。

『マッサージから始める野口体操』の「あとがき」に記した野口三千三の遺言「一人じゃ無理だ」という言葉は、裏を返せば多くの人々が‘野口体操の価値’を伝えようと思い、思っただけでなく行動してくれる人が存在することの意味を表しているのだと思う。

 コラボレーションというのが流行っているが、本質的によいものとのコラボレーションは、1+1=2というような単純計算ではない測り知れない可能性を潜めているようだ。

 なにより当事者として、その本人が、そのことについてしっかり語ることが出来るということが、前提条件として大切なのだが。
 
 それが生きている! ということなのだ。
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